富士シートフィルター SC-40MLast update 02/04/2004 今回は、フィルターの話である。フィルターといってもよく見かけるガラス製のねじ込み式のフィルターではなく、ゼラチンフィルターとかシートフィルターと呼ばれるものである フジフィルム製のシートフィルターはトリアセテートで出来ているので厳密にはゼラチンフィルターではなくシートフィルターと呼ぶのが正しいのであろう。このシートフィルターはフィルターフォルダーに挟んでレンズ前面につけるのが通常の使い方なのであるが、今回は円形に切り抜いてガラス製フィルターの枠に取り付けてレンズ前面にねじ込んで使用してみた。 そもそもこのフィルターを使うようになったのは、シグマの28mmF1.8アスフェリカルの色調が気に入らず、色々なスカイライトフィルターを試しているうちに辿り着いたのである。 シグマ28mmF1.8は黄緑がかった色調で、おまけに光源とフィルムによってはなんだか濁ったような発色をすることがあり、マゼンタの濃いスカイライトフィルターを使ってなんとか誤魔化していた。 しかしあまり青みを取り去るとこんどは黄色みが目立ってしまい、うまくいかないのであった。黄色みが強いからといって紫外線を通さないとは限らず、ただカラーバランスが悪いだけの可能性もある。 フィルムの種類によっては400nm以下にほとんど感度がないものがある一方で、400nm以下にかなり感度があるものもある。 そこで濁りの原因は近紫外線部分にあるのではないかと考えて、シャープカットのこの富士SC-40Mを試したというわけである。 結果は、マゼンタは濃い目で緑色の補正はうまくいった。黄色みもうまく抑えられている。それでいて近紫外線部分はシャープにカットされているので濁りも解消した。 一般に売られているガラス製のスカイライトフィルターは近紫外線部分の特性がなだらかでかなり近紫外線を透過させている。 このSC-40Mは名前のとおり400nm(ナノメーター)以下をシャープにカットしている。 富士写真フィルムのサイトで特性を確認してみて欲しい。 一般のスカイライトフィルターでは350nmでも35%ぐらい透過し375nmだと70%も透過し、400nmで90%の透過である(ケンコーのフィルターガイドブックによる)。 SC-40Mの場合は400nmで60%であり375nmではほとんど0%である。 右上の写真がそのフィルターの外装と中身であるが、ピンク色のフィルター本体は切り抜き後の姿である。購入時は真ん中に穴があいているわけではない。 それで、フィルターホルダーを使わずに切り抜いて使った理由は、シグマの28mmF1.8アスフェリカルは逆光に弱く、附属の花形フードをつけないとゴーストが出てしまうので、フードと併用できるように通常のガラス製フィルターのガラスを取り外して枠を利用して取り付けたわけである。 ただ、フィルターフォルダーを使って保持する場合に比べて、ガラス製フィルターの枠を利用するやり方はフィルターを保持する部分が細いので、やや平面性が気になるが、シートフォルダーを使ってもガラスに比べれば全然平面ではないので細かい事は気にしないことにした(笑)。 露出倍数もかからず、シグマ28mmF1.8の良さをうまく引き出してくれるフィルターである。 富士フィルターはトリアセテート製なのでガラス製よりは傷がつきやすく静電気でほこりを呼ぶが、ゼラチンフィルターのように水分が付着すると駄目になるわけではないので、素人でも扱いやすいと思う。 黄緑がかって、濁りが気になるレンズをお持ちの方、是非一度お試しあれ。実売1枚千円程度。 もちろんスカイライトフィルター本来の用途である紫外線カットとシャドーの青み除去にもお勧めである。 富士フィルターのサイト(2006年5月25日リンク先変更) ■HaniwaのページHOMEへ ■カメラアクセサリー一覧へ ■BLOGへ
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