Nikonの新しいGタイプズームレンズ

ニコンの新しいGタイプズームレンズ

Last update01/10/2003

 ニコンは先月、新しいズームレンズを発表した。
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G (IF)
AF-S DX Zoom Nikkor ED12-24mm F4G (IF)
AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G(IF)
AF Zoom Nikkor ED 28-200mm F3.5-5.6G(IF)
の4本だ。

 いよいよ、新発売のレンズはGタイプばかりになってきた。 Gタイプというのは、絞りリングがないレンズで、絞りはボディ側からのみ設定できるタイプのレンズである。 CPU連動式でないボディでは、絞り制御ができないので、事実上使えないレンズである。 この点についてはNikon Fマウントはどこへいくで書いたので、ここではAF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G (IF)がDタイプでなかったのは残念とだけ言っておく。

AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6Gは、使いやすい焦点距離でVR(手ぶれ補正)機能も搭載されて好感度大である。 これは売れるだろう。Dタイプで出して欲しかった1本だ。

AF Zoom Nikkor ED 28-200mm F3.5-5.6Gは先代が最短撮影距離が遠くて全然ダメだったのが、大幅に改善された。 この最短撮影距離なら、ニコンのレンズはコーティングとカラーバランスが、レンズメーカー製に比べて優れているので、価格が高くても、レンズメーカー製と十分競争になると思う。

 さて、問題はAF-S DX Zoom Nikkor ED12-24mm F4G (IF)である。 このDXレンズというのは、ニコンデジタル一眼レフカメラ専用のレンズである。 なぜ、フィルム一眼レフカメラには使えないかというと、イメージサークルが35mmフィルム用レンズより小さいからだそうである。 もともと、デジタル一眼レフカメラは、画面サイズがフィルムカメラより小さいので、同じ焦点距離のレンズを使っても画角が小さくなってしまうという問題があった。 すなわち、フィルムカメラでは20mmレンズは超広角レンズの代表的なものであるが、これを画面サイズが小さいニコンのデジタル一眼レフで使うと、30mm相当の画角になってしまう。 フィルムカメラの20mm相当の画角が欲しければ、13.3mmのレンズが必要になってくる。 しかし、ニコンには14mmまでの超広角レンズしかないので、デジタル一眼レフは広角側の撮影が弱いという問題があったのである。 そこで、35mmフィルムサイズをカバーする12mmレンズを作るのは困難だが、APSサイズのデジタルカメラ専用ならば何とかなるというので、発表されたのがAF-S DX Zoom Nikkor ED12-24mm F4G (IF)なのである。

 なぜ35mmサイズでデジタル一眼レフカメラを作らないのか?という逆のアプローチもあるのだが、CCDなどの撮像素子の問題や、フィルムと違って光線が垂直に近い角度で入ってこないといけないとか色々制約があるそうで、ここでは深入りはしない。

 それでAF-S DX Zoom Nikkor ED12-24mm F4G (IF) がなんで問題なのかというと、一般にレンズの方がカメラボディよりも寿命が長いので、制約のあるレンズは後々、レンズは壊れてないのに、対応ボディが壊れてしまうと使えなくなってしまう、ということなのである。 ¥162,000もするレンズなのに、デジタル一眼レフカメラでしか使えない。 しかも、フルサイズのデジタル一眼レフカメラが発売されると、このレンズはそれには使えないことになってしまう。 ニコンのホームページには「小型・軽量、お求めやすい価格設定」なんて書いてあるけれども、自分には¥162,000もするズームレンズがお求め安いとは思えない。 Nikon D1シリーズかD100を持っていて、広角側の撮影をする人には選択の余地はないのだが、それにしても何とかならないものだろうか。

 まあ、私がごちゃごちゃ難癖をつけても、この4本のレンズ、私の持ってるボディでは使えないから関係ないや(自爆)。
本当のことをいうとデジタル一眼レフには興味あるから、これからニコンのカメラシステムがどういう方向に行くのかは、非常に関心があるのだ(笑)。 D1H欲しいなぁ…(笑)
(2003年3月16日 記)
※24-120と28-200のリンク先を変更。(2003年10月1日)

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