八坂神社の茅の輪くぐり

●今年は神事に列席してみる

二泊三日は短い。もう最終日である。
二人とも疲れがたまっているのか、やや不調気味。それでもなんとか朝起きて、チェックアウトの手続きを済ませる。荷物はそのまま宿に預かってもらう。

昨日同様、小川珈琲にて朝食。ちょうど目的地に至る途中にあるので、具合がいい。
不調気味でもあるし、少しゆっくり食べて、ゆっくり歩き出した。
四条に南下し、そこから東に向かう。暑くてだらだらしていると、東大路の門が見えたところで時報が鳴っている。少し足を速めて、なんとか始まるところに滑り込んだ。

この日、7月31日は祇園祭の最終日。摂社の一つ、疫神社(西門を入ってすぐ)で茅の輪くぐりの神事が行われる。全国にある夏越の祓えだが、ここでは祇園祭の最終日になる。昨年少し触れて興味を持ち、今年は参列してみた。

他の茅の輪くぐりは、大きな輪を八の字を描いてくぐることが多い。
ここでは、疫神社の鳥居にかけられた大きな輪をくぐり、宮司に浄めていただいて、出る。その際、蘇民将来子孫也を証す、小さな茅の輪のお守りを作って、一年身に付ける。(既に作られたお守りも売られているが、宮司は「簡単ですのでぜひご自分で作ってお持ち帰りを」と勧めている。)

昨年は見学だったが、今年は自分でくぐってみた。楽の鳴る中、場の出す気を浴びて、出てくると心持ちさっぱりしてくる。
まるでシャワーを浴びて出てくるようだ。なかなか楽しい経験だった。

●八坂の塔へ

祇園の街中に戻り、おみやげなどを少し買ってから、あまりの暑さに鍵善良房へ。
喫茶部で、葛きりをいただく。あっという間に冷えて、生気を取り戻す。平日の午前は静かで、とてもゆったりしていて、安らぐ。

その勢いを駆って、八坂の塔へ。
道中も人が少なかったが、八坂の塔を拝観する人はまったくいない。そう時間のかかる拝観でもないし、一度くらい足を運べば、と思う。(まぁ確かに塔しかないし、遠くからもよく見えるので、入る気にもなれないのだろうが。)
石畳の道を進むと、庚申堂が見える。庚申信仰をご存知だろうか。庚申の日、身体の中の虫が外に出て、天帝に行状を奉告され、悪事が露見すれば寿命が短くなるので、一晩中起きて金剛を拝する。今なら笑ってしまう人も多いが、各地に庚申塚や庚申堂、祠が残っているのを見ると、多くの人が触れていたことがわかる。その大本がここ。
また、参道の店や家には、くくり猿が下がっている。庚申信仰と関連した、一種の魔除けだ。それだけでなく、庶民的な商店街が、ある種のトーンに貫かれている。むしろ新鮮なくらいだ。

何度も思うが、近くで見ると想像以上に大きい。40mあるのだ。現在の建物は室町時代の再建だが、聖徳太子の創建した法観寺が正式な名。その五重塔が、八坂の塔。
塔を間近で拝める。ほんとうに仏舎利塔として建築され、その形を受け継いで再建したことがわかる。
古い木造の建物のにおいと、日なたのにおいが入り交じって、何だか小学生に戻ったような気もしてきた。

●おどろきの昼食

さて、昼食をとりに再び街中へ。
最初はうどんのうえだまで行こうとしていたが、あまりの暑さに祇園の鰻屋「松乃」に入った。
詳細はリンク先を読んでいただきたいが、とにかくあまりの満腹に驚いてしまった。

あちこち歩く気になれず、一度ホテルに戻ることにした。そして、荷物を京都駅に置いてから、東寺を見ることにした。

 


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