1  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                                                       みたら 春日の山やまは時雨に濡れて もう紅葉してゐた  雨籠もりをしてゐると心が鬱鬱としてならず 庭先に出て                                  春日の山は色づきにけり 八|一五六八                            雨隠り心いぶせみ出で見れば                                       秋の歌                   *                                             した葉は 今日の時雨に散り果ててしまふだらうか  天皇陛下のお被りになる御笠 その名をもつ三笠山の紅葉                                 けふの時雨に散りか過ぎなむ 八|一五五四             大君の御笠の山のもみち葉は                            大伴稲公に和ふる歌              *                                           家持秀歌選 紅葉