藤原朝臣袁比良
ふじわらのあそみおひら
- 生没年 ?〜762(天平宝字6)
- 系譜など 名は宇比良古(うひらこ)・袁比良女(おひらめ)などにも作る。北家房前の子。従兄の仲麻呂の室となって執弓(真先)・浄弁(久須麻呂)を産む。
- 略伝 749(天平感宝1)年4月、従五位上から正五位下に昇叙。同年改元後の天平勝宝1年9月、従四位上に越階昇叙。759(天平宝字3)年6.16、光明太皇太后の計らいにより、恵美押勝を父とし、藤原郎女(袁比良)を母として敬うとの詔が出される。760(天平宝字4)年1月、孝謙上皇・淳仁天皇の田村第行幸に際し従三位から正三位に昇叙。同年12月、尚侍・尚蔵に封戸・位田・資人を全給する勅が出されているが、これは当時、袁比良が尚侍・尚蔵を兼任していたため、仲麻呂が取り計らったものと推測される(角田文衞)。天平宝字6年6.23、正三位尚蔵兼尚侍で薨じた。後宮に権勢を誇った袁比良の死は、仲麻呂政権衰退の一因となった。
系図へ