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All of Me 設定書

氷室零一(Reiichi Himuro)
高校2年生、16歳。母は天才ピアニスト仁村美雪、父はジャズピアニスト氷室浩太郎。氷室家は代々学者の家柄で、零一も音楽よりも学者になるように祖父母から期待されて育つ。両親は現在別居しており、正式に離婚するのも時間の問題と言える。両親が海外中心に活動しているためたまに祖父母の住む本家に行く以外は結婚時に両親に与えられた広い家に一人で住んでいる。本人はわかっているかどうか不明だが、自分は選ばれた人間であるべきで、感情に流されることは醜くそんなものは自分の人生にとって何の役にも立たないと思っている。そして学者一家からはみ出した父浩太郎を嫌っている。

小野芙由美(Fuyumi Ono)
零一のクラスの臨時雇いの副担任、25歳。零一が2年の1年間副担任となる。専門は国語、顧問は演劇部。1年経ったら婚約者について海外に行く予定があり、期間限定の教職となった。いつも人を寄せ付けない雰囲気のクラス委員氷室零一が気になるうちに自身が彼に惹かれていることに気付くが、絶対に最後まで認めることなく予定通り結婚して辞めていく。実はジャズピアニスト氷室浩太郎のファンでもあるが、出会った時点ではまだ零一が彼の一人息子であることには気付いていない。

仁村美雪(Miyuki Nimura)
零一の母。幼少時よりピアノ一筋に生きてきた天才ピアニスト。13歳でヨーロッパのあらゆるコンクールで優勝を重ね、天才少女の名を欲しいままにするが、18歳になった時ぱったりと弾けなくなる。初めてピアノから離れ一人の日本人として留学していた先の大学で友人に誘われ入ったバーで弾いていたのが氷室浩太郎だった。その音に魅せられた美雪は氷室浩太郎自身にも急速に惹かれるものを感じ、そのまま零一を身ごもったこともあり結婚。しかし、再びピアノに向かった彼女の評価は高く、海外公演をこなすうちに家族がばらばらに。今は別居中の夫浩太郎との中を再び修復したいがうまくいかない。

氷室浩太郎(Kotaro Himuro)
零一の父。学者一家の氷室家の異端児。本家の長男でありながら学問よりも芸術方面に興味を持ち、また多少の才能があったため、一家からドロップアウトして海外に逃避。その先で大学に通いながらジャズバーでピアノ弾きをして生計を立てていた。そこで出会った美雪の純粋な愛情にとまどいながらも強く惹かれるものがあり、そのまま結婚した。しかし、優し過ぎるのか、人が良すぎるのか生活者としてはあまりできた人間ではなく、海外でのレコーディングミュージシャンやセッションミュージシャンとして飛びまわるうちに家庭が壊れていることにも気付かなかった。そんな彼が唯一ソロレコーディングしたアルバムのタイトルが「All Of Me」である。

益田義人(Yoshihito Masuda)
零一にただ一人対等に話ができる同級生。他のクラスメイトは彼の冷たい美貌と、冷静な態度から親しく話しかけることをせず遠巻きに見ているだけだが、益田だけは小学生時代からの友人で零一の裏の顔、つまり本当は一人でいることが苦手で淋しがりやで、平凡でいいから暖かな家庭に憧れていることを知っている。だがそれをネタにからかったりはしない。普段一人で大きな家に住んでいる零一を無理矢理自宅に誘うのも彼なりの思いやりなのかもしれない。

全て高校2年生の出来事であった。
 4月:小野芙由美、零一のクラスの副担任になる。
 7月:夏休み直前、芙由美と夜の図書館でばったり出会う。そして零一の方から一方的に惹かれていく。
 8月:演劇部の合宿中、零一は芙由美に思いを告げるが、やんわりと断られる。
       が、諦めきれない零一は芙由美を連れて合宿を抜け出そうとするが、冷静にとがめられ諦める。
 9月:修学旅行、雨の京都で初めての口付け、しかし芙由美は何もなかったように距離を置こうとする。
11月:父と二人で過ごした誕生日、零一は両親のことを糾弾し眼前の父を責めるとこしかできない自分に自己嫌悪する。
       そして好きという感情だけではどうにもならないことを諭されるが反発。
12月:学園のクリスマスパーティの帰り道、芙由美から婚約者がいて勤務が3月までであることを告げられ衝動的に彼女を抱いてしまう零一。
       だが、それでもやはり離れていく芙由美。
2月:父を理解しないまま両親が離婚。
3月:最後に夜の図書館でデート、芙由美は当初の予定通り婚約者の元に、零一はそのまま何もなかったかのように進級する。
       そして10年後、主人公に出会う。


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