第48話 オリジナルTシャツを作る

夕のちょっと前の7月4日、日本の火星探査機が無事に打ち上げられ「のぞみ」と命名されました。この探査機には、我が家の子供たちの名前が乗っています。と言っても、我が家の名前だけでなく、全国27万人余りの署名がアルミプレートに焼き付けられて乗っているのですが。今年のはじめ頃に新聞の募集記事をみて応募しておきました。

火星探査機「のぞみ」 来年10月頃には火星上空に到着するそうで楽しみです。この探査機は我が家の近く(でもないけど、まあ近く)の相模原にある宇宙科学研究所(淵野辺公園の近く)で準備されていたというのでちょっと親しみもあります。

先日、日本初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんのご主人である向井万起男さんが書いた「君について行こう−女房は宇宙をめざした−」(講談社)という本を読み、もし我が家の子供の誰かが宇宙飛行士になったら、ママもついていくぞ〜、と夢を膨らませています。この本は宇宙飛行士の家族達の生活がかいま見られて興味深いです。今やコーラの懸賞で宇宙にいける時代です。我が家の子供たちが成人する2015年頃にはもっと大勢の人が宇宙に行けるようになるでしょう。楽しみです。

供達は夏休みになりましたが、どうも天気がすぐれません。7月のはじめには猛暑が続き、梅雨明けかと思われましたが最近になって雨がよく降り、少し肌寒い日もあります。でも、まもなく本格的な夏がやってきます。夏の青い空にはTシャツが似合います。子供は毎日、何度も着替えるのでTシャツは何枚あってもいい。

そこで今回カラープリンタでオリジナルTシャツを作ろうと、CanonのTシャツ転写紙TR-201(A4サイズ 5枚入り、1000円)を買ってきました。これはインクジェットプリンタで絵や写真を印刷して、アイロンで布地に転写するものです。洗濯も大丈夫とのこと。

原理はよくわかりませんが、熱を加えると融ける樹脂がコーティングしてある紙で、融けるときに表面に付いていたインクを取り込み、生地に融着するようです。ですから、インクジェットプリンタだけでなく、水性マーカーなどで直接絵を描くこともできます。もちろん絵だけじゃなくて名前などの文字でもいいので、布製の持ち物(体操着袋、上履き袋、お弁当袋など幼稚園生は袋持ちなのです)への名前転写もできます。

ただ、このときに注意点がひとつ。描いた面を布に当てて転写するので、絵や文字が反転(ミラー)することです。絵は左右が反転してもそれほど問題ありませんが、名前は鏡文字になってしまいます。実は、今回のTシャツも、印刷する前には反転しておかなくちゃ、ということを気にしていたのですが、いざ実行するときにそれを忘れてしまいました。で、原画のミラーイメージのTシャツになりました。

今回、適当な素材を探す暇がなかったので子供達が好きなアニメのキャラクタを使って作ってみましたが、これは著作権上まずいかもしれません。音楽CDなどは個人で楽しむ場合にはテープへのコピー(ダビング)が認められていますが、雑誌の絵などを個人で使うためにコピーするのはどうなのでしょう。借りた雑誌でなければOKのような気がしますが、裁判で判例とかあるのかな。とにかく、自分の著作物でないときは注意が必要です。自分の責任で行ってください。

さて印刷が完了したら、次はアイロンでの転写です。その前に絵をひとまわり大きく切り抜くように紙を切ります。絵のないところにも樹脂がついていますから、印刷したままだと四角く転写されてしまいあまりきれいではありません。このあたり、同封されている説明書に書いてあります。

アイロンの温度は最高温度、スチームは使ってはいけません。生地を皺のないように伸ばし、そこに印刷した面をあわせるようにのせ、上からアイロンで押しつけます。数十秒間、強く押しつけるようにと説明書にあります。用紙の端の部分がはがれやすいので、とくに注意して押さえつけます。インクが融けて少しのびるのが判ります。あまり細かい絵は向かないかもしれません。

印刷したときにはちょっと色がくすんだようになっていましたが、転写が完了すると鮮やかな色になりました。少し濃いめに印刷しておいた方が色がよくでるようです。

濯してみましたが心配していた色落ちはありませんでした。ただ、Tシャツが少し縮んでしまったのですが、絵が転写されたところだけ縮まなかったのでその部分だけぷっくり膨らんだようになってしまいました。でも、また着ているうちになじんできてそれほど目立たなくなったので一安心。おろしたてのTシャツに転写したのがいけなかったようです。1度洗濯してから転写したほうがいいでしょう。

転写紙がまだ残っているので、下着やハンカチなどにもワンポイントマークを付けてみようかと考えています。名前は文字の反転が難かしそうです。文字反転ができるソフトもあるのかな?

無地のTシャツ 250円(2枚で500円でした)と転写紙100円(A4の半分で作成したので)、計350円でTシャツが作れました。パソコンとカラープリンタをお持ちのお父さん、お母さん、この夏はオリジナルTシャツをお試しあれ。夏休みの宿題の絵日記などを使ったTシャツもいいのではないでしょうか。くれぐれも反転することをお忘れなく。

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M.Nakamura Jul 20,'98