日本全国競馬場めぐり
新潟競馬場
(当時の新潟県豊栄市・現在の新潟市内)
 
おもひでの新潟県競馬
 
新潟県競馬@新潟競馬場・1200mレーススタート!
 
 
 新潟競馬場は、JRA(日本中央競馬会)の所有で、現在は実際に中央競馬のみが実施されていますが、'02年1月まではこの施設を借用する形で地方競馬(新潟県競馬)も行われていました。(特記のない限り、'01年9月23日撮影)
 
 
新潟競馬場における新潟県競馬のゴールシーン。手前のグリーンベルトは新潟県競馬では使用されなかった芝コース。 新潟競馬場における新潟県競馬のパドック(馬の下見所)。芝部分保護目的の円錐コーンに注目。
 
 
新潟県競馬って、何?

 新潟県競馬は、「新潟県競馬組合主催の地方競馬で、時期によって新潟競馬場(中央競馬の施設を借用)と三条競馬場(新潟県競馬独自施設)のいずれか一方で行われていました(ただし、天候の関係でおおむね正月明けから3月までは休み)。

 しかし、中央競馬も開催され、その馬券も買える新潟地区。いわゆる「穴馬券」が結構出る中央競馬に比べ、本命馬が勝つことが多かった新潟県競馬は特に「馬券派」の競馬ファンには人気イマイチで、馬券売り上げが低迷。平成に入ってから、競馬場や場外馬券売り場の空白地域であった当時の中郷村(新潟県南西部。現在の上越市内)や磐梯町(福島県西部=会津地方)に場外馬券売り場を新設するなど「販路拡大」を試みたのですが、それでも赤字は増えるばかりで、'01年秋に「突如」に近い形で廃止が決定となりました。

 廃止決定当初は、'02年1月3日が新潟県競馬最後の開催日だったのですが、大雪のため当日予定されていたレースは順延。翌4日に「代替競馬」が行われたのですが、大雪が続いたため第2レースを終了した時点で以降のレース(最後の大一番だった「新潟グランプリ」を含む)が続行不可能。この続きを翌5日に行うはずだったのですが、5日になっても雪が降り続いたためこれ以上の順延はなく、そのまま廃止。結局、'02年1月4日の第2レースが新潟県競馬・最後のレースになったのでした。

 新潟県競馬の廃止に伴い、新潟競馬場は中央競馬専用競馬場に。三条競馬場は「競馬場」としての役目を終え、南関東地区地方競馬の「場外馬券売り場」として第2の人生(?)を歩んでいます。また、中郷村(当時)・磐梯町の場外馬券売り場も、そのまま南関東地区地方競馬の場外馬券売り場として活かされています。

 
 
新潟県競馬で使用されたコース
(新潟競馬場・'01年9月〜'02年1月)

 新潟競馬場のコースは'01年夏にリニューアルされ、右回りから左回りに変わりましたが、左回りで新潟県競馬が行われたのは末期のわずか4ヵ月程度。ここに掲げた写真は、コースリニューアル後の、ある意味貴重な光景です。

1 平地芝コース
 新潟競馬場では、下記平地ダートコースの外側に芝コースが設けられていますが、新潟県競馬では全く使用されませんでした。

2 平地ダート(砂)コース
  1周1472m、幅20mの左回りコースで、新潟県競馬では1000m、1200m、1600m、1700m、1800m、2480mのレースが設定されましたが、そのうち1200m、1600mのレースが多く行われていました('01年9月以降)。その中でも注目すべきは1200m。中央競馬のそれとは異なった、独特なコース取りで行われていました。最大出走可能頭数は12頭でした。


 
スタンドなどは、こちら!
 
 
新潟県競馬の主要レース(例年新潟競馬場で実施されていたもの)
 
 新潟競馬場での新潟県競馬は、中央競馬の新潟開催が重ならない時期に週末を中心に開催され、大レースは主として日曜祝日に実施。土・日曜については中央競馬の場外馬券売り場と併用の形で実施されていました。
 また、新潟は通常、「北陸地方(中部地方)」に属する地域ですが、地方競馬の世界では「東北地方」として位置づけられ、東北地区地方競馬所属馬同士による大レースが、持ち回りで回ってくることがありました。
   
朱鷺(とき)大賞典(統一GIII)
 かつては6月ごろに、新潟県競馬所属サラブレッド馬同士の戦いとして行われていた大レース。晩年、すなわち'00年と'01年の最後の2回は、「統一GIII」のグレード格付けがなされ、新潟県所属馬はもちろん、他地区地方競馬所属馬や中央競馬所属馬も参戦する形で秋に行われた。

新潟ジュニアカップ
 晩秋に行われていた、新潟県競馬所属サラブレッド満2歳馬のチャンピオン決定戦。ちなみに、馬の2歳は人間でいえば中学生くらいに相当するもの。

新潟グランプリ
 かつては晩秋ごろに実施されていた、新潟県競馬所属サラブレッド馬による大レース。最終年度('01年度)は、新潟県競馬廃止前最後の大一番として'01年正月に組まれたが、レース当日にドカ雪が降ってしまい、中止になってしまった。

駒子賞
 '01年3月限りで廃止された中津競馬場で行われていた女性騎手限定の名物レース「卑弥呼杯」を引き継ぎ、'01年9月に行われた。ところが、引き継ぎ先であった新潟県競馬も廃止され、1回のみの開催となってしまった。レース名は、川端康成の小説「雪国」のヒロインの名から由来している。

 

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