王希奇「一九四六」高知展のホームページへようこそ。
開催趣意書
日本敗戦後、旧満洲(中国東北部)にいた日本人約155万人は、過酷で悲惨極まりない状況におかれていました。翌年5月頃からようやく引き揚げが始まり、葫芦(蘆)島港からは約105万人が引き揚げてきました。その葫芦(蘆)島港からの引き揚げの象徴的な写真集の中に「母親の骨箱を抱えた子供」を目にした中国人歴史画家・王希奇氏は自らの心の葛藤を乗り越え、「戦争ではいつの時代も弱者が苦しむ。彼らも戦争の被害者だ。」という強い思いのもとに油絵と墨絵の融合による独特の技法で引き揚げ船に乗る憔悴しきった数百人の姿を描き出しました。作品は縦3m横20mに及ぶ大作であり、作者の強烈な平和への願いが感じられます。また、芸術的にも優れた、見る価値のあるものです。
この作品の過去の国内での絵画作品展は、東京都(2017.9.28~10.5)、舞鶴市(2018.9.28~12.2)、仙台市(2019.10.1~10.6)で開催されました。高知での絵画作品展が終了すれば「一九四六」は中国へかえることになっています。
高知県の満蒙開拓団送出数は10482人(人口比 全国3位)で、約2000人が亡くなっています。引き揚げ75周年にあたる2021年、高知で絵画作品展を開くことは大きな意義があると考え、企画しました。