聞いてはいけなかった?

■ペンネーム「じゅんちゃん」さんからの投稿です。

 それは数日間の寝不足が続いた後の週末の午後2時過ぎ、昼寝をしているときにかかってきました。
 気持ちよ〜く寝ていたところを電話で起こされたので、少々機嫌が悪かったのですが、出てみると久々の電話勧誘だったので嬉しくなり、一気に目が覚めました。(笑)
 今回は、年のころは20代後半〜30代前半と思しき若い女性からでしたが、前回の「根性ないテレアポ2」とほぼ同じ内容ながら、あのときのオニイチャンとちがって、なかなかしっかりしたセールストークでした。
 
 ※の行は、そのとき私が内心思ったことです。
 
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相手 「○○(苗字)さんのお宅でしょうか?」
自分 「はい、そうです」
相手 「○○(名前)さんはいらっしゃいますか?」
自分 「私ですが、どちら様でしょうか?」
相手 「こちらグローバルと申しますが、4月にパンフレットをお送りさせていただいた件につきましてお電話させていただいておりますが、パンフレットはご覧になりましたでしょうか?」
 
 ※おっ、悪名高きグローバル! (^m^)
 
自分 「いいえ、届いておりませんが。ところでこちらからは資料請求などしておりませんが、どのようにしてこちらの住所や電話番号をご存知になったのでしょうか?」
相手 「『データバンク』さんからデータを買っております」
自分 「そうですか・・・」
相手 「今回お電話させていただきましたのは、旅行パンフレットを2〜3ヶ月に1度補充していただく簡単なお仕事のご案内なんですが、資格を取っていただいてからお仕事をお願いすることになります」
 
 ※来た来たーっ、資格商法!!
 
自分 「あのー、パンフレットの補充に何故資格が必要なのですか?」
相手 「それは権利収入の形をとらせていただいているからです」
自分 「権利収入とはどういうことですか?」
相手 「資格を取っていただいた方に代理店となっていただき、売り上げに応じた収入をお支払いするのです」
自分 「でも、パンフレットを置くだけでしたら、たんなるアルバイトでいいじゃないですか」
相手 「私どもは、資格をもった方としか代理店契約をしておりませんので」
自分 「そうですか。ところで、旅行パンフレットってどこの旅行会社のものですか?」
 
 ※前回のオニイチャンは、ここで返答できずガチャ切りしたんだよなぁ・・・
 
相手 「JTBとか近畿日本ツーリストとかH.I.S.とかの大手旅行会社です」
 
 ※あらー、進歩したじゃない!前回の教訓を生かして、FAQに加えたのかしら?
 
相手 「親会社からパンフレットを代理店の方にお送りし、それを補充していただくわけです」
自分 「えっ、親会社? では、その大手旅行会社からの直接の仕事ではないのですか?」
 
 ※わかっていても、ついついツッコミたくなる・・・
 
相手 「そうです」
自分 「そうすると資格というのは旅行業務に関した資格ということですか?」
相手 「はい、そうです。資格を取っていただくというと、みなさんお金の心配をされますが大丈夫なんですよ・・・」
 
 ※と、ここで相手の話をさえぎって
 
自分 「あっ、すみません。お宅の会社の電話番号を教えていただけますか?」
 
 ※我が家はナンバーディスプレイ対応電話機ではないのです
 
相手 「えっ、何故ですか? 別に怪しい勧誘をしているわけじゃないです」
 
 ※自分で「怪しい」なんて・・・(大爆)
 
自分 「怪しい勧誘なんて一言も言ってませんよ。でも、家族に相談するときに、どこの会社からの電話かということを言うときに必要ですから。で、何番ですか?」
相手 「・・・」
 
 ※数秒の沈黙の後、ガチャ切りされました!
 
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 まぁ、真っ当な会社ならすぐに教えますが、嫌がった上に教えたがらない理由に自ら「怪しい勧誘じゃない」と、自爆!・・・よくわかってらっしゃること(笑)
 今回はこれまでの勧誘電話より長持ち(?)したので、「根性ない」とタイトルにつけませんが、それでも、根性ないなー。
 だいたい、会社の電話番号を聞かれて教えられないなんて、怪しさ度100%じゃない!
 おかげで、またもや詳細まで聞き出せませんでした。(^^;;

■じゅんちゃんさんから三回目の投稿です。ありがとうございました。
 
■「怪しい勧誘」であるという自覚があるんでしょうね。テレアポ嬢本人の携帯番号じゃあるまいし、会社の電話番号なんて公になっているものなんだから、言い渋る理由なんて普通は無いですもんね。
 
■「旅行業務に関した資格」というのは、おそらく「旅行業務取扱管理者」でしょう。
 
 社団法人全国旅行業協会のサイトの国内旅行業務取扱管理者試験・よくある質問に、そのものズバリな「ある業者からの勧誘で・・・。(資格商法)」というQがあります。
 以下に、一部引用してみます。(赤字強調効果と改行を追加しました)

Q: ある業者の電話勧誘で、その業者が販売する教材を購入し、旅行業務取扱管理者を取得した場合、旅行会社より仕事の斡旋を受けることができると聞いたのですが・・・。
 
A: 近年、旅行管理者資格取得を謳う資格商法が横行しており、被害に巻き込まれたと思われる事例が当協会にも多数報告されております。
 ケースはさまざまですが、その一例として、旅行管理者を取得すれば、旅行に関する(在宅や名義貸しの)仕事を斡旋(外注)すると勧誘され、(合格祝金付、不合格時返金と謳うケースもあり)その教材費、受講費や登録料などを名目として高額費用を請求する金銭トラブルに巻き込まれたりするものが挙げられます。
 ちなみに、本資格は法的に名義貸しすることは不可能であり、また、旅行業者が在宅向けの旅行業務の全てまたは一部を斡旋外注するケースは実際にはまずないと思われ、仮に在宅で旅行業務を取り扱う場合においても、行政庁にて申請を行い、一連の審査を受け、(自宅を営業所とする)大臣または知事登録を取得する必要があります。

 さて、これを踏まえて、この業者が言う「旅行パンフレットを2〜3ヶ月に1度補充していただく簡単なお仕事」で収入を得る為の、ハードルを列挙していってみましょう♪
 
 1.  国内旅行業務取扱管理者試験に合格する
 平成16年度の全国平均合格率は、30.2%。合格者の殆どが、学生と、旅行業・宿泊業・運輸業・観光業従事者です。主婦を含むその他の立場の人は、全体の23.2%でしか過ぎません。「自宅でお仕事を」という人の割合は、もっと少ないでしょう。かなり狭き門です。
 2.  行政庁にて申請、一連の審査を受け、自宅を営業所とする大臣または知事登録を取得する
 審査の詳細は分からないのでコメントは控えますが、なにやら面倒くさそうです。
 3.  業者と代理店契約をする
 ここで新しい条件が出現しないことを祈りましょう。
 4.  自分の補充したパンフレットによる売り上げが出る
 自分の補充したパンフレットから契約者が出たことを、どうやって把握するのか。「あなたのパンフからのお客はいませんでした」と言われてしまうと確かめようがありません・・・。
 
 権利収入とやらへの道は、限りなく遠そうです。
 
 おお、そうだ、肝心なハードルを忘れていた。資格商法の「商法」たる所以を忘れてはいけませんな。
 
 0.  業者から教材を購入する
 
 ・・・そう、収支はイキナリ最初からマイナススタートなんですよね。皆さん、お気をつけください。

(2007.6.4追記)
■うにさんという、某旅行会社にパートナースタッフとしてフルタイムで勤めてらっしゃる方から、旅行業務取扱管理者資格商法の勧誘電話の報告と、旅行会社勤務の実態について投稿いただきました。「旅行業務取扱管理者商法の大嘘」を是非ご覧ください!

(2005.7.2)
(参考)
この他の、じゅんちゃんさんの投稿は以下の通りです。
無い職商法
根性ないテレアポ
根性ないテレアポ2