保険のおばちゃん、おそるべし

■ペンネーム「IKE」さんからの投稿です。

 悪徳と言う訳ではないかもしれないですが、ファイナンシャルプランニング技能士の資格を取得した今の私から見ると、この会社のやり方には正直???でした。保険会社も不適切な転換契約や勧誘、保険金不払い等で問題になってますしね。
 しかし当時は何も分からなかったので保険のおばちゃんのなすがままでした。
 
 結婚して子供が生まれたのを期に、保険の勉強をして新しい保険に入り直し、〇〇生命を解約しました。
 
 
 入社して一年目に会社に来た××生命のおばちゃんに勧誘されてとりあえず保険に入りました。
 この頃は生命保険の事など何も分からず、とりあえず入っておけば良いだろう程度の感覚でした。内容も良く覚えていませんが、定期保険付終身保険で死亡保障が合計2,000万円程度、医療保障が恐らく日額5,000円だと思われます。
 保険料は合計で約1万円でした。
 
 その5年後位に・・・××生命のおばちゃんが現れて転換させられました。
 説明内容は良く覚えていませんが、多分死亡保障を2000万円→3000万円に上げる契約だったと思います。これも何も考えずにOKしました。
 保険料は1万3千円位になりました。
 
 そのまた2年後位に・・・当時会社の独身寮にいた私が食堂で食事をしていると、どこかのおばちゃんが入ってきました。
 
 お 「〇〇生命です。保険は入ってますか?」
 私 「入ってますよ」
 お 「どちらに入ってますか?」
 私 「××生命です」
 お 「××生命さんですかー、もし良かったら保険証券みせてもらえます?」
 私 「良いですよ」
 お 「ふんふん・・・」
 お 「今の保険も良い保険だけど、今度家の出した新商品はもっとお得ですよ。今度設計書作って来るんで考えてもらえる?」
 私 「いいですよ」
 
 と言う訳で、数日後会社で会う事になり、良く解らないまま〇〇生命と契約し、××生命を解約する事になりました。
 契約時の告知もホントいい加減な物で、合計3000万円もの死亡保障なのに健康診断すらありません。しっかり告知しないと保険金の支払いを拒否されるご時世なのにこれはまずいでしょう。
 後、予定利率についても何の説明もありませんでした。
 保険料自体は対して変わらず1万3千円程度でした。
 
 その約一年後・・・私が結婚すると聞きつけてまた現れました。死亡保障の増額と、良く解らないまま特約を付ける転換契約をさせられました。
 今思うとホントにアホらしいですが、当時の私には保険の仕組みなんて全く分からず、転換契約の意味すら理解できませんでした。この時もいい加減な告知だけでした。
 この時契約した保険の内容を簡単に現すと、死亡保障が4000万円程度で(保険料約9000円)、介護保障が1200万円(保険料約4000円)で、医療保障の保険料が3000円程度となっています。
 死亡保障の内、満期で戻って来る部分は21万円ぽっちで、しかも予定利率(割引率)も最低水準(1.65%)です。
 
 先ずこの種の保険についての説明ですが、国内生保が得意とする定期保険付終身保険という物です。このケースでは、21万円の終身保険をベースに掛け捨ての定期保険特約が3700万円付けられています。その他は特約のオンパレードで、介護保険、障害保険、医療保険等有りとあらゆる物が付けられて非常に手厚い保障となっています。また、更新型といって10年後にはその時の年齢で保険料が再計算されます。
 当然年齢が上がれば死亡や病気のリスクは上がりますので保険料は高くなります。
 ちなみに同じ保障を続けたら更新後の保険料がどうなるかというと、
 今    : 15446円
 10年後 : 25381円
 20年後 : 48628円
 30年後 : 101724円 
 と、恐ろしい事になります。
 
 また、このプランを作成するのに保険のおばちゃんは、私のライフプランを聞くでもなく、収入を把握する事もなく、適当に作ってきたみたいでした。
 予定利率についても、金利がどんどん下がっていた時期だったので転換すれば当然下がる事になるにも関わらず、一度も説明を受けた記憶がありません。
 また、利差配当についても5年ごとに配当があるかも知れないし、無いかもしれない程度で、内容についての説明は受けていません。
 
 この契約後、執拗なまでに転換を勧めるおばちゃんを見て何だか騙されている様な気がしてきました。
 そこで保険についてネットや本で勉強して、「やはり自分は騙されている」と思うようになりました。しかもこの商品の評判は非常に悪いものでした。
 また、保険のおばちゃんは歩合制らしく、死亡保障の額の大きい契約を取れば取るほど給料が上がるそうです。また、転換契約もポイントが高いそうです。
 
 そこで、こんな保険にお金を払うのは一刻も早く止めたいと思うようになり、保険のパンフレットを掻き集め、某外資系の会社と契約しました。
 因みに新しい契約ですが、死亡保障として積立利率変動終身保険に55歳払済で80歳まで保障がある定期保険特約を付けて、低減定期保険をこれとは別に契約しました。医療保険にかんしては普通の終身医療保険に入りました。
 
 次は今の保険の解約です。保険のおばちゃんに解約を申し入れると色々と面倒そうだし、支店に電話しても担当のおばちゃんをよこすと言いそうだったので、直接〇〇生命の支社に行く事にしました。
 
 支社では会社の決まりという事で、解約を考え直せないかと言われましたが、30分足らずで手続きは終了し、〇〇生命と手を切る事ができました。
 
 その数ヶ月後・・・
 昼休みに事務所に行くと、入社間もない総務の若い女性が〇〇生命の、しかも私を担当していたおばちゃんに勧誘を受けているではありませんか!
 ちょっと気になったので設計書を見せてもらいました。内容的にはまー予想通りというか・・・
 定期保険付終身保険で、死亡保障が1000万円、内殆どが定期保険。それに医療保険特約がついて、当然の様に10年更新型でした。
 話によると前回は死亡保障が2000万円のプランを持ってきたそうですが、保険料が高いと言ったら1000万円のプランを持ってきたそうです。
 
 ここでこの女性にちょっとアドバイスをしました。
「例えば今君が死んだらこの保険金は君の親に入るよね。俺の場合は俺が死んだら金銭的に家族が困るけど、君の場合は多分ご両親はお金に困らないんじゃない? だったら死亡保障は要らないんじゃない? 保険に入ったつもりで貯金した方が良いよ。後この保険10年更新型だから10年後に保険料倍位になるよ」
 
 この女性は契約するつもりだったそうですが、私の話を聞いて止めたそうです。
 しかし20歳の独身女性に対して2000万円の掛け捨て死亡保険勧めるとは・・・。

■IKEさんから7回目の投稿です。ありがとうございました。
 
■保険は・・・ねえ。結構ムチャをする外交員さんがおられますからねえ。
 
 うちも、以前に入っていた保険で、アイタタなことをされかけました。
 担当の方が変わったとかで挨拶に来られて、そのまま転換を勧められましてね。「今と同内容の保証でも保険料が安くなるのよ」と力説されたこともあって、新しい商品でプランを作ってもらいました。
 そんな訳なので、保険料が増えるようでは本末転倒だから、「毎月の保険料を今よりも安く」「保障内容も今ので充分だから」という事をお伝えして、出来上がってきたのは保険料マイナス数十円のプラン。お見事、といわんばかりの金額設定でした。
 で、問題が内容なんですよ。
 
 死亡保険額がドンと増えているんです。
 
「保険料据え置きだから、特約も少なめになっちゃって」って、死亡保険増えてますがな。
「またいつでも特約は追加できますしね」って、死亡保険増えてますがな。
 
 ここはツッコミどころだろう、と、その増えた死亡保険についてダンナが問いただしてみると、お姉さんは幾分死亡保険の額を減らしてきました。でも、まだ少し以前よりも多いので、「以前と同じ額にしてください」とお願いしたところ・・・
「それが、転換するにあたって、最低額があるんです」
 
 最低額って言っても、例えば元の金額の何パーセント増しといった風な具体的な数字も教えてもらえず、ただひたすら、「無理なんです」を繰り返されるばかりで、今ひとつ腑に落ちないまま、その日は契約を見送ることになりました。
 
 そして。次の日、留守中にポストに入っていた新しいプランでは、その「最低額」とやらから更に少しだけ安くなった(でも、今のよりはまだ少し高い)死亡保険の金額が。
 
 やはり、ツッコミどころだろう。
 
 と言うわけで、本社に電話して聞いてみましたよ。いや、もしも保険のお姉さんが無理をしているんだったら悪いしなー、とも思ったので。
 すると、本社の方曰く「そんな規定はありません」
「じゃ、最低額、って嘘なんですか」
「あ、いや、ただ、外交員さんは、保険料や保険の額が減る事を嫌う、ということがあるので・・・」(細かい言い回しは覚えてませんが、大筋こういう意味の事を仰いました・・・)
 
 結局、当初のこちらのお願いどおりの条件で転換契約し、ついでに同社で加入していた個人年金保険は解約いたしました。
 雉も鳴かねば打たれまいに、と。
 
■保険もですが、契約というものは、じっくりと隅々まで確認して結ぶべきですね。賢い消費者への道は、なかなか平坦とはいきません(苦笑)。

(2006.9.14)