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リモート操作の設定

私のLibrettoはパソコンデスクの下に設置してあります。操作する時は机の下に潜り込むことになり、タダでさえ使いにくいキーボードが輪をかけて使いにくくなります。そこで、最初にLinuxマシンをWindowsマシンからリモート操作するための設定を行います。

sambaの設定

samba とは、Linuxマシンのファイル・プリンタをWindowsからの共有するためのソフトです。これを設定すると、Linuxマシンのファイル編集をWindowsマシンからリモートで行えます。

swatの設定

sambaには、WWWブラウザ上で設定を行うswatというツールが付属しています。これを使えばWindowsマシンからリモート操作で設定できますので、最初にこれを使えるようにします。
root@mypc:~# echo swat 901/tcp >> /etc/services
root@mypc:~# echo swat stream tcp nowait.400 root /usr/sbin/swat swat >> /etc/inetd.conf
これは前にも使ったリダイレクトというやり方です。もちろんエディタで開いて追加してもかまいませんが、Linux上で慣れないエディタを使うよりこの方が簡単です。Ctrl+Alt+Delete で再起動したら、WindowsマシンからWWWブラウザで次のURLにアクセスしてください。
http://192.168.0.1:901/
うまくアクセスできればユーザー名とパスワードの入力ウィンドが開きます。ここで入力するのは、Linuxのユーザー名 "root"とパスワードです。

GLOBALSの設定

ここでは、LinuxマシンをWindowsマシンに見せかけるための設定を行います。

項目 説明 私の設定値
workgroup Windowsネットワークのワークグループ名 kita
netbios name Windowsネットワーク上で表示するパソコン名 libretto
server string ネットワークコンピュータで表示されるコメント Linux on Libretto
interfaces 接続に使用するネットワークデバイス名 eth0
security "SHARE"を選択すると個別にユーザー認証せず、全員ユーザーが"guest"としてログインします。自宅内ならこれで良いでしょう。 SHARE
encrypt passwords パスワードを暗号化するかどうかを選択します。Windows95 SP1以降、およびWindowsNT4 SP1以降は"yes"を選択します。 Yes
update encrypted 暗号化せずに入力されたパスワードをsamba側で暗号化するかどうかを選択します。上で"yes"を選択した場合、"no"を選択します。 No
guest account "guest"ユーザーのユーザー名を指定します。 nobody
hosts allow 接続を許可するホストを指定します。 192.168.0.

入力したら、"Commit Changes"をクリックします。

SHAREの設定

次はファイル共有の設定です。"Create Share"ボタンの横にある空欄に適当な共有名を入力し、"Create Share"をクリックします。

項目 説明 私の設定値
comment 共有フォルダに表示されるコメント。 なし
path 共有するディレクトリを指定します。Linuxマシンの全ディレクトリをWindowsから操作したいなら、"/"を指定します。 /
guest account "guest"ユーザーのユーザー名を指定します。Linuxマシンの全ディレクトリを操作したいなら、"root"を指定します。 root
writeable 書き込み許可の設定 Yes
guest ok "guest"ユーザーのアクセス可否を設定します。 Yes
hosts allow アクセスを許可するホストを指定します。 192.168.0.

私の設定は、あくまでも自宅内での使用を前提としています。それ以外の場合、使用環境に応じて適宜設定してください。入力したら、"Commit Changes"をクリックします。

プリンタの共有設定は後に回し、一旦ファイルの共有設定を有効にします。 "STATUS" を開いて "start smbd" と "start nmbd" を順にクリックします。これでsambaが起動し、WindowsマシンからLinuxマシンが見えるようになります。

Telnetサーバーの設定

Telnetとは、ネットワーク経由で他のマシンにログインする仕組みです。これを使えば、WindowsマシンからLinuxマシンを操作できるようになります。 Slackware の初期設定では、"root" ユーザーは telnet でログインできません。これはセキュリティ上の理由からですが、自宅用なら問題無いでしょう。ログインを可能にするには、/etc/securetty というファイルを編集します。ファイルの後半に
#ttyS0
#ttyS1
#ttyS2
  :
  :
という行が並んでいるので、先頭の"#"を全部消します。これで終わりです。早速Windows上からログインしてみます。DOSプロンプトを開き、次の様に入力してください。
C:\Windows> telnet 192.168.0.1
"TELNET" という別のウィンドが開くので、あとはいつも通りログインするだけです。
libretto login: root
Password:
Linux 2.2.16.
Last login: Sun Jul  1 22:56:26 +0900 2001 on pts/0 from nobuhiko.kita.
You have mail.
root@libretto:~#

アクセスの制限

インターネットに接続する前に、Linux マシンへのアクセスを制限しておきます。これをやらないと外部から Telnet でログインされる可能性があります。/etc/hosts.deny というファイルを開き、次の1行を追加します。
ALL: ALL
これで全てのアクセスが拒否されます。ただし、自宅内の Windows マシンまでアクセスを拒否されるので、反対にアクセスを許可する設定を行います。/etc/hosts.allow を開き、次の1行を追加します。
ALL: 192.168.0.
hosts.deny より hosts.allow が優先されるので、これで 192.168.0.* というアドレスからはアクセス可能になります。
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