これまでの話題(2000年7月後半)

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2000年7月31日(月)

「今日の言葉(26):“GMの新CEO”の言葉」


米国の巨大企業が動いています。Fortune 500のトップ、つまり世界最大の企業GMも新CEOの下で、大きく舵を切りはじめました。今日は6月1日に47歳でGMの最年少CEOに就任した、リチャード・ワゴナー・ジュニア(Richard G. Wagoner, Jr.)の言葉をご紹介します(Frobes誌より)。

「前任者のジャック・スミスがCEOに就任したとき、GMは7つの事業本部制を敷いていた。我々は2000年末までに製造・販売・設計部門を基本的に一元化する予定だ。なぜ、もっと早期にスリム化しなかったのか、と批判する人がいるかもしれない。だが、GMは巨大企業だ。あまり急ぎすぎると、組織が崩壊する危険があった」

「最大の顧客基盤を維持しつづけることは重要だ。例えば、技術開発などのコストをより広範に分散できる。特にインターネット時代には、顧客の数が多ければ、それだけ多くのアイデアが顧客から提案され、車を通じてより多くの機能とサービスをユーザーに提供できる。だから、世界最大の規模をもつことには、それだけのメリットがある」

ワゴナーの最初の発言からは、米国の大企業が事業部制を見直し、機能別に集約しようとしていることが分かります。こうした流れは、7月に合併したエクソン・モービル・ゼネラル石油・東燃の組織にも現れています。つまり、4社の合併によって、マーケティング新会社と総務・人事・経理などの管理部門を集約した新会社を設立しました。いずれも有限会社というのも注目すべきですが。

このような機能別に分ける話は、ビジネス・プロセスを見直し抜本的にコストを削減することを狙ったもので。また、フロント(現場)とバックオフィス(間接部門)を分けて、シェアードサービスを導入する動きとも関連しています。 それから、ワゴナーの指摘する、顧客の数やシェアがもたらす好循環は、ネット時代の収穫逓増型ビジネスの本質を示していると思います。

日本の大企業のトップも、ワゴナーの“だが、GMは巨大企業だ。あまり急ぎすぎると、組織が崩壊する危険があった”という言葉にだけ注目して安心しないでいただきたいですね。トップ自らがノートパソコンを駆使して、PalmPilot(WorkPad)をPDAとして活用し、Eビジネスを視野に入れて変身をはじめた巨大企業の決断こそ見習うべきだと思います。



お知らせ:昨日の話題は「米小売業にみる機敏な対応」 でした。



2000年7月29日(土)〜30日(日)

「米小売業にみる機敏な対応」

米国経済の先行きが微妙になってきました。4-6月のGDPの伸びが1-3月の5.5%から3%台半ばまで下落しそうです。この原因はGDPの3分の2を占める個人消費が、金利上昇や天候不順の影響で大幅に減速するからです。

Asktakaは、こうした景気の先行きを睨み、米国の小売業大手がすでにリストラに着手した点に注目したいと思います。7月28日の日経朝刊では、次の各社の動きが出ていました。

1.ディスカウント業界2期のKマートは70店舗の閉鎖を発表

2.家電専門店大手のサーキット・シティ・ストアーズは大型家電から撤退

3.カジュアル衣料最大手のGapは商品構成の見直しに着手

閉店や撤退などを決断するには、これまでの業績悪化と改善の見通しを計りにかけたことは当然です。しかし、景気の過熱が懸念される段階で、先手を打つ機敏さはさすがですね。業態こそ違いますが、日本の流通大手もこうした機敏さを見習っていれば問題が悪化しなかったのにと思うのは、Asktakaだけではないでしょう。

ところで、日経の報道では、“米小売業、リストラ着手”という見出しになっていました。こうした見出しは記者が書くのではなく、整理部が読者にアピールするように付けるのです。もちろん、記事の中からキーワードを拾って見出しとするようですが、どうも日本では“リストラ”は人減らしと同意語と捉えられている節がありますね。しかし、本来はRestructuringなので、人減らしや縮小均衡を目指すだけではなく、低迷する事業を成長分野へシフトさせることが求められます。

日経の記事もこうした観点からみると、リストラを縮小面しかとらえていませんね。でもAsktakaはジャーナリストが勘違いしたって何とも思いません。だが、企業のトップや幹部が勘違いしているケースが多い点が気になるところです。

もはや右肩上がりの成長神話を前提にした戦略を描く企業は少ないと思います。ですが、思い切った変身を遂げた企業が少ないのも事実です。特に、消費動向が直接業績に影響する小売業の場合、環境に合わせて機敏にかつ大胆に事業構造を変えることが不可欠です。

小売業界を見ると、チェーンストア理論やフランチャイズ・システム、SPA(製造小売を行うアパレルブランド)など、ほとんどが米国からの導入か物まねです。しかし、形だけは見習っても肝心のマネジメントが日本流ではねぇ(ただセブンイレブン・ジャパンのように“システム改善”は得意で、逆に米国のお手本になっていますが)。今後、流通外資の日本進出が本格化することは間違いなく、このままでは日本の流通大手は何社が生き残れるのでしょうか。

この点では、ファーストリテイリング(ユニクロ)は、マネジメントも米国流なので生き残る可能性は高いと思います。Bobsonで学んだジャスコの社長も真に力を発揮できるのか、今後に注目したいですね。



お知らせ:昨日の話題は「意思決定とIT技術」 でした。



2000年7月28日(金)

「意思決定とIT技術」

皆さんはアップル社のリサ(Lisa)という機種をご存知でしょうか?リサは80年代前半に約1万ドル(当時日本円で約200万円)で売り出された、Mac(マッキントッシュ)の原型となったパソコンです。

リサはトップやマネジャーが自ら経営管理用にパソコンを使えるように、現在のアイコンやマウスを備えた最初のマシーンです。Asktakaは日本にはじめて持ち込まれたリサを使って遊んでいましたから、Apple�兇畔造鵑撚�かしいパソコンでもあるわけです。

唐突にリサの話題を持ち出したのは、エグゼクティブ用の意思決定にかかわるITの話をしたかったからです。Asktakaには、こと意思決定ツールとしてITを見た場合、必ずしも進歩していないと思うからです。むしろ精緻になりすぎて、本来の趣旨から後退している感もあります。

もともと意思決定のためのマネジメント・ツールは、意思決定支援システム、つまりDSS(Decision Support Syetem)や MISなど永い歴史があります。こうした大型コンピュータを使ったシステムは、データベース構築に時間と金がかかりすぎる点が導入を妨げた一因だといわれてきました。

しかし、いうまでもなく、問題の本質は、トップ・マネジメントが何を意思決定し、そのためのデータや情報として何をどの範囲で必要か、という点につきます。この意味では、真の戦略的な意思決定というものが、年あるいは月に何回行われるのか。そうした意思決定に必要な情報は、そもそもデーターベース化して蓄積される性質の情報なのかどうかが、問われることになります。

かって意思決定支援に関するシステムや概念が竜頭蛇尾に終わったのは、上述した意思決定の中身の問題と、ややもするとDSSといわれるソフトが単なる財務分析に過ぎなかった点があげられると思います。

Asktakaはかっての上司であるYさんが、“戦略的判断をするには2桁の数字で十分だ”と口癖のようにいっていたことを思い起こします。そして、ハーバード・ビジネス・スクールがケース・スタディを主体に未来のエグゼクティブをトレーニングしている点に注目すべきです。つまり、意思決定や経営判断を行うのに十二分な情報があるとは限らず、少ない情報の中でどう判断するかが重要なのです。

最近、ITを企業経営にどう取り入れるかの議論が盛んです。Asktakaは、企業のIT化は目的さえ明確であれば大賛成です。しかし、意思決定にかかわる分野はかってのDSSやMISの二の舞になることを恐れています。変わるべきは、トップの意思決定の中身とその方法なのですが、これが旧態依然では、単なるシミュレーションの玩具にしかなりえないのではないかと愚考しているのです。皆さんの会社では、トップの意思決定にどのようなITツールが使われているのでしょうか?



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(25):“エンロン社のCEO”の言葉」 でした。



2000年7月26日(水)〜27日(木)

「今日の言葉(25):“エンロン社のCEO”の言葉」


この欄でも何回か話題にしていますが、エンロン社(Enron)は米国最大の天然ガス、電力会社です。また、フォーチュン誌の"America's Most Admired Companies:AMAC(米国で最も賞賛される企業)"において、同社は“最も革新的な経営をする企業”として評価されています。今日は会長兼CEO のケン・レイ(Ken Lay)の言葉をご紹介しましょう。

「わが社が成功したのは、一つには起業家精神にあふれる多くの人材が育ったおかげなのだ。これには、新しく雇った人材が重要な役割を果たしている。われわれはまず、結果追求型で頭の切れる、創造的で、行動的な人材を採用した。次に、業績を上げた者に会社の成功の分け前を与える報奨制度を導入した」

「CEOの仕事は指導力を発揮することだ。それには社員を活気づける説得力のあるビジョンをもたなければならない」

「経営幹部を評価する際には、必ず管理能力よりも指導力を重視している。もちろん、どちらの能力も必要だが、私が求めているのは、組織の動かし方を把握し、みんなを奮い立たせる魅力的なビジョンを示せる人間なのだ」

それから、公益企業のほとんどが規制緩和に反対している中で、レイは規制撤廃を求めています。そして、エンロン社は自由化分野の事業展開を積極化しています。だが、規制分野と自由競争を前提とする事業分野の統合は簡単ではありません。レイはこうした事業の統合を実現する方法は、この二つの分野の間で人を異動することだと述べています。つまり、「わが社では、海外赴任を含めて社員の異動を頻繁に行っている」のです。最後は、次の言葉で締めくくりましょう。

「われわれが力を入れてきたのは、社員たちが300億ドル規模の大会社にいながらも、起業家のように行動する環境を整えることなのだ」「つまり、巨大な組織を細かく分割してさまざまなチームに分け、各チームが一つの小さな会社のように動けるように、個々の単位の中に必要なものをすべてそろえればよいのだ」

もうあまり説明の必要はないと思います。キーワードは、“起業家精神”“指導力”“ビジョン”“人事異動(異分野間)”“チーム”、この5つではないでしょうか。大企業が変身するための基本はこの5つにあると思いますが、皆さんはいかがお考えですか?



お知らせ:昨日の話題は「昨日の日経夕刊」 でした。



2000年7月25日(火)

「昨日の日経夕刊」

今日は趣向を変えて、昨晩の日経夕刊からいくつかのトピックスを拾って感想を述べることにします。

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昨日の日経の夕刊のトップは、独テレコムが米国の携帯電話会社「ボイスストリーム」を買収するという話でした。実はこの会社はNTTドコモが15−20%の出資を考えていた会社です。ドコモは対米戦略の要としてボイスストリームと出資交渉を続けていただけに、戦略の見直しは必至である、と報道されていました。なお、ボイスストリームの大株主は香港携帯電話会社を傘下にもつハチソン・ワンポアです。

Asktakaは、この問題は、日本企業の戦略的マネジメント能力の欠如を象徴的に示していると思います。つまり、それは世界の競合の戦略に対する読みが甘い、経営手法の幅が狭い、後手で小出し式の対応、この三点に要約されるのではないでしょうか。

この機会に、5兆5,000億円(500億ドル強)と自社株式を支払って、ボイスストリームを買収する独テレコムの戦略的意図と買収手法をよく研究すべきですね。

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次に目に付いたのが、秋葉原をIT産業拠点にするという記事です。東京都と千代田区は、電気街として知名度が高い秋葉原に民間主導のIT産業の拠点を整備する構想をまとめたそうです。秋葉原駅周辺の神田市場跡地や国鉄清算事業団用地など、約8.7ヘクタールを開発するというものです。

先般、都心・副都心の開発に関連して、次のように述べました。

「今、渋谷を中心にしてビットバレーのエリアが広がりつつあります。Asktakaは都心・副都心の中で、こうしたITあるいはハイテク企業の集積を前面に出して、街づくりの視点から再開発を進める計画が見えてこない点が残念です。それには米国のように、自治体が積極的に音頭をとってインフラ整備や優遇措置を講じる必要があると思います。ここは石原都知事に頑張ってもらって、都や区の財源確保の自由裁量の余地が拡大すれば、後は街づくりのビジョンが問題です」(7月12日付け今日の話題「副都心の開発動向」より)

うん、この調子で実現に向けて頑張ってもらいたいものですね。但し、スピードと「後手で小出し」だけは注意してほしいと思います。

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夕刊の一面の下に「鐘」というコラムがあります。昨日は沖縄の話題で、沖縄サミットで沖縄の思いがどこまで各国首脳に届いたか、“国境にとらわれない多彩なサミット”を沖縄自らが開催すべきではないかという内容でした。その方が琉球王国の世界の掛け橋になるという「万国津梁(しんりょう)」の精神に則ったものだというのです。

その前に、沖縄県民130万人、消費支出水準は家計調査で見て全国水準の 約3分の2、観光入込み年間456万人(99年、96年は346万人)という沖縄の現実を直視すべきだと思います。つまり、沖縄は、人口は日本の約1%で、主たる産業を観光と基地に依存する島国経済なのです。

この沖縄の姿を各国首脳はどう見たのでしょうか。コラムで引用されていた「沖縄人は日本というチャンネルを通じなくても世界と往来する能力をもっている」(大城立裕著「休息のエネルギー」)という言葉を、首脳は感じることはできたのか。

Asktakaは、沖縄の可能性と限界を真摯に考えるいい機会だと思います。皆さんの心にある沖縄はどんなイメージでしょうか?



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(24):“ジョンソン&ジョンソンCEO”の言葉」 でした。



2000年7月24日(月)

「今日の言葉(24):“ジョンソン&ジョンソンCEO”の言葉」

ジョンソン&ジョンソン社は安定成長を続けている優良企業です。今日は同社の会長兼CEO、ラルフ・ラーセン(Ralph S. Larsen)の言葉をご紹介します。Asktakaは、同氏の言葉には、今後の企業組織を運営する際の多くのヒントが隠されていると思います。

「わが社は200億(275億)ドル規模の大企業ではなく、170(190)の小さな企業だと思っている(括弧内は99年末の数字)」

「ジョンソン&ジョンソンの社内では、上から命令してもうまくいかない。命令しても結局は疲れるだけなのだ。社員を一見、思い通りに動かせたとしても、意欲が伴わなければどうしょうもない」

「われわれは常に、この規範(同社の信条“会社は顧客に対して責任を負うべきだ”等)に基づいて行動している。この複雑な世の中で、ジョンソン&ジョンソンが分権体制を基本に会社を運営していくには、どうしても規範が必要になる。全体を一つにまとめる規範があるからこそ、170から180もある部門を運営していけるのだ」

今、私たちは、ピラミッド型の組織からフラットな分権的な組織への移行を模索しています。しかし、組織の形を作ったとしても、そういった組織を運営する際の、基本的な考え方を見失いがちです。ラーセンは分権的な組織運営には、企業の哲学や信条(Credo)が不可欠で、こうした価値観の共有化が重要だと述べているのです。

最近感じるのですが、日本企業は、このような哲学や信条、価値観に対する認識が年々希薄になっているのではないでしょうか。ややもすると、これまでは哲学だ価値観だというと、何だか胡散臭さが伴いました。しかし、これからはもっと明るく、高らかに社内外に価値観を語るべきではないでしょうか。Asktakaは、これが一層分権化した組織を束ねる基本であり、日本のトップの説明下手を解消する一つの方法だと思うのです。皆さんはどうお考えですか?



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(23):“サウスウエスト航空のCEO”の言葉」 でした。



2000年7月23日(日)

「今日の言葉(23):“サウスウエスト航空のCEO”の言葉」


最近あるクライアントの方との雑談の中でサウスウエスト航空の話題が出ました。この何年かで、企業のトップや幹部の方々との会話の中で、何度も同社が話題になっています。それも流通・サービス業はもちろんメーカーまで、業種を超えて関心を持っている点が注目されます。

サウスウエスト航空は、フォーチュン誌の"America's Most Admired Companies:AMAC(米国で最も賞賛される企業)"でも6位にランクされる優良企業です。同社は1時間前後の短距離路線市場にターゲットにして、格安運賃と優れた顧客サービスで急成長しているので、欧米で話題になっています。 日本でも97年に「破天荒!〜サウスウエスト航空−驚愕の経営」(日経BP社)という書名の翻訳本が出版されたので、すでに読まれた方もいらっしゃると思います。

Asktakaは翻訳本が出てすぐに購入して一通り目を通しましたが、先日再度購入して読み返しました(すでに近所の教会のフリマーケットに出したか、どこかに埋もれているのか見つからないので・笑)。今日はこの本の中から、CEOのハーブ・ケレハー(Herb Kelleher)の社員に向けた次の言葉をご紹介しましょう。

「諸君が孫に囲まれて暮らすようになったとき、孫たちにこんな話ができるようになってほしい。“サウスウエスト航空の従業員として働いたことは、私の人生で体験した最も素晴らしい出来事の一つだった”。そして、私は諸君の口からこんな言葉が出てくるのを聞きたいと思っている。“サウスウエスト航空のおかげで私は豊かな充実した人生を送ることできた。そこで働いたおかげでで、自分一人の力でやるよりよりも、はるかに人間的に成長することができた”」

「そして、もし同じことが諸君の孫たちにも起こったら、それこそ私がサウスウエスト航空とその将来に対して成すことのできた最大の貢献と言えるだろう」

ハーブの言葉は、レイオフやリストラとは無縁で、かっての家族主義的な日本企業のトップの言葉を聞くようですね。

しかし、マネジメントの中身は大違いです。リーダーシップとそれに基づく夢や価値観の共有、そして目標をもって、従来の因習を打破し他社とは違うやり方で改革を進める、こうしたマネジメントがあってはじめて上述した言葉があるのです。

日本企業も企業規模の大小を問わず、サウスウエスト航空から学ぶことは多いと思います。Asktakaは皆さんの夏休みの読書計画の中に、是非この本を加えることをお薦めします。



お知らせ:昨日の話題は「Fortune 500」 でした。



2000年7月21日(金)〜22日(土)

「Fortune 500」

早いもので、もうFortune 500が発表される時期になりました。これは世界の売上高上位500社のランキングで、もちろん税引き後利益や総資産、株主資本、従業員数等も示されています。なお数字は連結で、金融機関の売上高は業務利益です。

例年、上位の顔ぶれはあまりかわりません。つまり、Top 20は下記の通りです。

1位:GM
2位:ウォルマート
3位:エクソン・モービル
4位:フォード
5位:ダイムラー・クライスラー(独)
6位:三井物産
7位:三菱商事
8位:トヨタ
9位:GE
10位:伊藤忠
11位:ロイヤル・ダッチ・シェル(英・オランダ)
12位:住友商事
13位:NTT
14位:丸紅
15位:AXA(仏)
16位:IBM
17位:BP AMOCO(英)
18位:シティコープ
19位:フォルクスワーゲン(独)
20位:日本生命

上位20社中、日本企業は8社と最も多く、次いで米国企業が7社、ドイツが2社となっています。もっとも日本の場合、総合商社が5社顔を出していますからこれを無視すると、21位から25位に日立と松下電器がいますから、 日本勢は5社ということになります。

いずれにしても、トップのGMの連結売上高は1,766億ドル(18兆円強)、税引き後利益は60億ドル(約6,300億円)、社員数は39万人です。一方、商社を除くと日本のトップはトヨタ自動車で、連結売上高は1,158億ドル、税引き後利益で37億ドル、社員数21万人です。asktakaは、この2社のほぼ3:2の規模の差が米国と日本の経済力の差を表していると思います。

次にTop 500を国別に見ると、下記の表の通りです。


国別Fortune Top 500企業数
順位国(企業数)構成比(%)
1 米国(179) 35.8
2 日本(107) 21.4
3 英国(38) 7.6
4 フランス(37) 7.4
4 ドイツ(37) 7.4
6 カナダ(12) 2.4
6 韓国(12) 2.4
8 スイス(11) 2.2
9 中国(10) 2.0
9 イタリア(10) 2.0
11 オランダ(8) 1.6
12 オーストラリア(7) 1.4
13 スペイン(5) 1.0
− その他(27) 5.4


上記を見ても、米国は500社中約3分の1強を占め、日本は2割強を占めているので、ほぼ3:2といえます。なお、G7だけで500社の84%を占めていますから、サミット参加国の経済的影響力は大だと再認識しました。

今、沖縄サミットでITを含めて様々な宣言がなされようとしています。経済的影響力が全てだとは思いませんが、これを背景にして、是非平和と長期的経済の安定のために影響力を行使してほしいですね。

ところで、今年のTop 500の業績が売上高で対前年比10.6%増、税引き後利益で25.7%と好調だったのは(本年3月あるいは99年12月決算)、米国企業の好調さと日本企業の業績回復によるところが大きいのです。

日本の政治家には期待していませんが、日本の生きる道はやはり“商人国家”であることを認識して、企業トップの踏ん張りに期待しています。そうすれば自ずと、G8における日本の発言力は高まろうというものです。ちょっと甘いかな。でも激励の意味もありますから、許してくださいね。



お知らせ:昨日の話題は「民事再生法の立法の理念」 でした。



2000年7月19日(水)〜20日(木)

「民事再生法の立法の理念」

そごうが民事再生法を申請したことで、この4月に施行された同法に対する議論が活発になっています。民事再生法の当初の狙いは、中小企業の経営再建による成長分野に向けた事業転換を促すことにあったそうです。それがそごうのような大企業が申請したことにより、ちょと待てよ、という話になったようです。

そもそも倒産法制の拡充を図った同法ですが、メリットとデメリットが合い半ばなのが現状です。メリットは、会社更生法や商法上の和議法などとは違って、再生のスピードを重視している点にあります。そのため民事再生法は、破産の恐れがある時点で申請できるのです。会社更生法では、申請日の数日前に裁判所と事前相談をする必要があるし、和議法では申請時に和議条件(再建計画)を提示することが求められます。ところが、民事再生法では申請後3ヵ月後から5ヵ月後に再建計画を提出すればよいのです。

更に、民事再生法では経営者が申請後も残留できるという利点があります(38条)。更正法では、経営者が申請時点で総退陣することになっていますから、トップ層の人材が少ない中小企業の再建には一定の意味があります。しかし、人材の豊富な大企業の場合、倒産の責任をもつべきトップが居座るには“倫理の欠如(モラルハザード)”という批判は免れません。

また、民事再生法では、中小企業ではほとんどの経営者が会社に債務保証していることから、経営者個人も適用申請できるようになっていいます。これまでのように、会社倒産=経営者個人破産という図式を回避できる仕組みはできたのです。

一方、デメリットとして、倒産企業への融資制度の不備があげられます。米国では、倒産を申請した企業に対する運転資金などの融資は最優先債権とされ、焦げ付きの心配が少なく銀行が融資しやすくなっています。しかし、日本の法制では優先債権とはされず、運転資金にもこと欠くことになります。こうした有様では、いくら申請しやすくなったといっても、再建させる気があるのかどうか疑わしくなりますね。

いずれにしても、いくら民事再生法を申請しても、再建の道は厳しいことに変わりはありません。居残った経営者の質と努力及び本業の強さがなければ再建は困難です。もちろん、Asktakaは、大事なのは社員を一丸となって再建に向かわせるトップのリーダーシップだと思います。もしトップにこれがあれば倒産しなかったといわれれば、反論の余地はありません。居座ったトップにリーダーシップ及び経営手腕が欠けていれば、再建を目指すには再建請負人あるいは経営のプロの出馬が不可欠ですね。

こここで、議論されるべきは民事再生法の立法の理念ではなく、再建を可能にする手段の選択肢を広げることではないでしょうか。倒産法制は企業を再建させることを目的としていることに変わりはないでしょうからね(もちろん債権者の保護も)。Asktakaは、日本にとって起業家を輩出する上で必要なのは、倒産から再生した企業(経営者)の事例を増やすことだと思っています。

大企業も民事再生法を利用するには上述したメリットがあるからで、むしろ利用を促進して更正法と一本化したっていいではありませんか。そして再建しやすい法整備を更に進めるべきではないでしょうか。それにしても、倒産企業への融資の最優先債権化を妨害したのは、銀行関係者ですかね。この点のことの真相をご存知の方は是非ご教示くださいね。



お知らせ:昨日の話題は「技術革新の法則が意味するもの」 でした。



2000年7月18日(火)

「技術革新の法則が意味するもの」

ITなどの技術革新にはいくつかの法則なるものが存在します。今日は皆さんもご存知の法則と、それらから生じる新たな経済法則について述べててみたいと思います。

1.メットカーフの法則

インターネットの基本技術を開発した技術評論家ボブ・メットカーフによるもので、「ネットワークの価値は、そのネットワークにつながれている端末数、つまりユーザー数の2乗に比例して拡大する」という法則をいう。

2.ギルダーの法則

ハイテク評論家で経済学者のジョージ・ギルダーが予測したもので、「通信網の帯域幅(通信速度)は半年で二倍になる」という法則です。

3.ムーアの法則

インテルの前会長ゴードン・ムーアが最初に唱えた経験則で、「半導体チップの集約度(能力)は18ヵ月で2倍に向上する」というものです。

ところで、これらの法則が新たな経済法則を生み出しているという点は案外認識されていません。メットカ−フの法則は、インターネットの価値が利用者の伸びを指数的に上回ることを示していますが、これは収穫逓増の法則につながります。問題はこうした法則を認識して、いかにユーザーを確保するかですが、この点は顧客の固定化(ロックイン)とかいくつかの方法が知られています。

ギルダーの法則は、サービス化が一層進展することを意味します。いわばサービス化の法則とでもいいましょうか。通信速度が半年で二倍になると、5年間では1000倍以上になり、現在の家庭での64Kなどの数十キロビット(Kb/s)での接続が数十メガビット(Mb/s)になるということです。もっとも企業内LANではすでにギガバイトの通信速度を実現していますが、将来はテラバイトの世界に突入します。このことは何を意味するのか。いくら通信速度が速くなっても、そこに流れるコンテンツがなければ意味がありません。次世代の広帯域サービスの時代を迎えて、コンテンツを含めたサービスの拡充が求められるのです。

最後のムーアの法則に従えば、将来的には現在のノートパソコンの機能は、腕時計程度にまで小型化されることになります。実際インテルでは2010年には、そうした小型化が可能だとみているそうです。ということは、現在のパソコンで入手している情報が一層身近になるわけです。また従来人手に頼っていた仕事がますます情報機器に代替されることになると思います。

そうなると、経済学で言う情報の完全性が実現し、消費者は一物一価の世界に住むことになります。価格で勝負できなければ、企業は何で勝負するのか、いくつかの答えは見えていますね。

更に、情報伝達や取引コストの低下は、企業組織へ大きく影響を与えることになるでしょう。ネットワークによって社内も外部も情報伝達や取引コストが変わらなければ、自社で全ての機能を持つ経済的理由はなくなります。今後、企業の組織構造も様変わりし、外部との提携やアウトソーシングがますます進むことになるでしょう。

技術革新の法則が支配する現代社会では、必然的に上記のように経済の法則も変化します。IT企業、伝統企業を問わず、また企業規模に関わらず、新たな経済法則の影響から逃れることはできません。皆さんの会社では、どのように対応されているのでしょうね?



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(22):『エクセレント・カンパニー』より」 でした。



2000年7月17日(月)

「今日の言葉(22):『エクセレント・カンパニー』より」

20世紀に最も売れたビジネス書・経営書といえばこの本しかないでしょう。トム・ピーターズとロバート・ウォータマンの共著『エクセレント・カンパニー(In Search of Excellence)』(1982)がそれです。これまでに世界中で約600万部も売ったそうですから驚きです。

この本がこれほどまでに売れた原因に関して、多くの論評がなされています。だが、Asktakaは、基本的なことがらを明快に示した点が多くの読者をひきつけた理由だと思います。ゲーリー・ハメルの言葉を借りれば、“しばしば成功が、平凡なことを並外れてうまくやってのけることによってもたらされるものだということを、世のマネジャーに気付かせた”からです。それは次の8つで、“エクセレント・カンパニー”の特性として現在でも通用するものです。

1.行動の重視

2.顧客に密着する

3.自主性と起業家精神

4.人を通じての生産性の向上

5.価値観に基づく実践

6.基軸から離れない

7.単純な組織、小さな本社

8.厳しさと穏やかさの両面を同時にもつ

もっとも、エクセレント・カンパニーとして取り上げられた何社かは、すでに84年の時点で優良企業の座から滑り落ちています。調査対象企業の選定に疑問が投げかけられたりしましたが、Asktakaは栄枯衰退は世の常と考えるしかないと思います。

それよりも、今この8つを改めて眺めてみると、これを実現した企業は強いなと思います。皆さんの会社はこの8つのうちいくつ当てはまるでしょうか。 うちは大企業だからという言い訳は通用しませんよ。米国の優良大企業を調査した結果導き出された結論ですからね。



お知らせ:昨日の話題は「顧客から学ぶ」 でした。



2000年7月16日(日)

「顧客から学ぶ」

先般「経営の常識を疑え!(その2)」の中で、“「顧客に聞け」という顧客至上マーケティング”を槍玉にあげました。確かに、現在の顧客を大事にするあまり、成長する潜在的需要を見失っては、企業の将来は危ぶまれます。しかし、顧客とのコラボレーション(協働)を原則とするサービス業においては、特に顧客から学ぶ点は多いのです。経営コンサルティングに関しても同様で、顧客の協力、協働がなければよりよい成果はえられません。

Asktakaはもともと理論経済学をやっていて、演繹的なアプローチに馴染みがありました。ところがマネジメントやビジネスについての方法論は、帰納的なアプローチが主体です。つまり、個々の企業や産業の事例を一般化しようとするものです。そのため、企業の実態を知らなければお話になりません。

どうも日本の経営学者のいうことが一般にピンとこないのは、企業の実態を知らないからだと思います。米国のビジネススクールの先生は、週1回程度企業のコンサルティングを行っていたりして企業の実態に詳しいですね。asktakaがエグゼクティブ・プログラムに参加すると、何人かの先生は具体的な日本企業の情報を集めようとします。事前にいってくれればいいですが、asktakaが全ての日本企業の事情を知っているわけではないので、冷や汗ものです。

一方、経営コンサルタントは、個々の企業の実態はよく知っています。知っていますが、守秘義務もありますから、よほど抽象化しないと表に出せません。そのため、問題発見や問題解決のノウハウ本が多くなりますね。トム・ピーターズなどが書いた「エクセレントカンパニー」は、確か2年以上かけて調査した上で執筆していると記憶しています。学者のように時間があり余っていないコンサルタントが、よくこうした大著を書いたもんだと感心したものでした(もちろんM社のリサーチスタッフの協力があったのです)。

話はやや横道にそれましたが、コンサルタントが企業の実態を知るということは、そこから学ぶということにつながります。この意味で、Akstakaはクライアントから多くのことを学んで、それを一般化して他の企業に応用するか(帰納法)、一般的な法則として概念化してそれを個々の企業で検証しながら(つまり学びながら)その企業や業界の法則(演繹的)にしようとしているのです。

ところで、企業のトップや幹部は、世界のベスト・プラクティス企業を意識しています。最近Asktakaはそれぞれ別のクライアントから注目すべき3社を教わりました。Enron社、Southwest Airlines社、Home Depot社の3社です。もっともEnron社については、Asktakaがこの欄でも何回か紹介していますし、ある会社にそのように仕掛けたのですが。

ちなみに、この3社はいずれもFortune誌の"America's Most Admired Companies(AMAC)"として取り上げられていて、今年の2月22日付の「今日の話題」の中で言及しています(詳しくはこちら)。

このようにAsktakaにとってクライアント企業は学ぶべき対象でもあるわけです。Asktakaは30歳を少し過ぎた頃から、日本人の書いたものは大体見出しを読めば分かるなどと生意気なことをいって、当時の上司(コンサル会社の社長)であったYさんを喜ばせていました。今でもこの思いは変わらず、日本語の書物は購入して目次を見るか辞書的に使っています。顧客こそ生きたテキストであり、あとは主に欧米の論文や書物に目を通しています。

さて、皆さんは顧客から何を学ぶことができるでしょうか。もっとも、学ぶだけじゃ学生や学者と同じですから、学んだことを整理して具体的な施策に結びつけることが出来なければ意味がないですよ。



お知らせ:昨日の話題は「“ハサップって何?”」 でした。



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