これまでの話題(2000年7月前半)

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2000年7月14日(金)〜15日(土)

「“ハサップって何?”」

今年に入ってコンサルティングの動きが活発です。この動きは二つに大別できると思います。一つは、何時までも縮み志向でははじまらないということで企業が動き出したこと、二つ目は勝ち組あるいは高業績企業が時代の波に乗ろうと更に積極的になってきた点です。この背景には、昨年の秋頃から景気の先行きに光明が見えてきた点があることは確かです。

以上は、asktakaの直感的な感想ですが、最近また違った動きがあります。この1週間でこれまでお付き合いがなかった何社かから、“「ハサップ」についてのコンサルティングはやているのか”という問い合わせがありました。それこそ、“「ハサップ」って何?”ということになりますが、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points(=危害分析・重要管理点))をこのように発音するようです。食品製造技術とはあまり縁がないasktakaの会社にまでこうした問い合わせがあるのですから、食品会社の危機感は相当高まっています。もっとも、雪印やそごう問題も含めて消費者パワーの強さをみせつけられた食品会社が、青くなるのもうなづけますが。

もともとは、「ハサップ」は1960年代に米国のアポロ計画の宇宙食製造の際の安全性確保を目的として開発された品質管理プログラムです。現在は93年にCODEX(FAO/WHO合同食品規格基準)が「ハサップ」のガイドラインを制定し、EU、米国を中心としてその推進が図られています。

日本では1995年(H7年)5月に食品衛生法が改正となり、厚生大臣が「ハサップ」に基づいた衛生管理方法を実施している工場に対して承認を与えることになりました。そして、承認された工場では法律で規定している製造基準の遵守や食品衛生管理者の設置義務などが免除されます。承認制度が適用される品目は政令で定められ、1996年(H8年)2月に乳・乳製品及び食肉製品が、1997年(H9年)4月には容器包装詰加圧加熱殺菌食品が定められました。

  なお、日本では承認の取得は食品メーカーの任意ですが、米国では水産物加工食品や食肉加工、EUでは輸入品も含めすべての食品が「ハサップ」の導入を義務付けられています。そのほか、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどでも水産食品や畜産食品を中心に導入が義務づけられているのが現状です。(上記は東京都立衛生研究所の資料を参考にしました)

ところで、「ハサップ」の導入を義務付けたからといって全ての問題が解決するわけではないと思います。ただ、お家の事情ならぬお国の事情があるとはいえ、どうして欧米並みの対応ができないのか不思議です。ことが食品だけに、先進諸国の日本としては世界標準を取り入れるのは当然だと思いますね。

それにしても、これほど問題が悪化するまで自己チェックができない企業体質は何とかならないものか。これが決して雪印だけの問題ではなく、食品メーカーに限ったことでもない、とasktakaは思っています。日本企業のお家芸といわれた現場の強さや現場の改善意欲が失われているとしたら、それこそ大問題です。すべての企業のトップは、今一度現場を見直し、現場の力を再生させるべきではないでしょうか。



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(21):『コア・コンピタンス経営』より」 でした。



2000年7月13日(木)

「今日の言葉(21):『コア・コンピタンス経営』より」

90年代の戦略思想に最も影響を与えたのは、ゲーリー・ハメルとC.K.プラハラードの共著『コア・コンピタンス経営(Competing for the Future)』(1994)であることは確かです。今更、コア・コンピタンスとは何ぞやという話をしようとは思いませんが、彼らの背景には次の言葉があったことに留意すべきだと思います。

「組織内で戦略を編み出す人々や理論家の大半、おそらく95パーセントは経済や技術の専門家であり、その共通点は戦略の機械論的な見方である。より広い視野を持って斬新な見方のできる神学者や人類学者がいてもいいのではなかろうか?」

また、彼らはダウンサイジングやリストラに関しても批判的で、それらを企業の「拒食症」と呼んでいます。つまり、

「企業は、改善よりも速く規模の縮小が進むと、今のビジネスを放棄することになる。改善はされても変化がないと、明日のビジネスを放棄することになる」

こうして過度のダウンサイジングを戒めているのです。

いずれにしてもハメルとプラハラードは、データに基づく分析重視の戦略や計画ではなく、ストラテジャイジング(戦略の練り方)そのものを問うています。それは、戦略的意図や戦略的設計であり、コア・コンピタンス(中核能力)であるわけです。

戦略といっても、極端な合理性を追求するアプローチと、その対極として戦略を固定させないで自在に変化する戦略的自由度を追求するアプローチがあります。ハメルとプラハラードはこの中間に位置しており、asktakaはウェル・バランストだなと思います。

asktakaは戦略コンサルタントも、かってマーシャル(ケインズの先生)が経済学者に必要な要素とした「クールヘッド・アンド・ウォームハート」、つまり“冷静な頭脳と暖かい心”が求められると思います。この逆では、asktakaは到底お付き合いしたくはありませんね。皆さんもそう思われませんか?



お知らせ:昨日の話題は「副都心の開発動向」 でした。



2000年7月12日(水)

「副都心の開発動向」

昨日は、asktakaの最近脱稿した原稿から「都心3区の開発動向」を抜粋してご紹介しました。都心3区とくれば副都心についても触れなければ方手落ちなので、今日は“副都心の開発動向”を取り上げました。昨日と同様に雑誌向けの文体のままで、原稿から転載します。

(以下原稿)7つの副都心でも開発計画が目白押しである。 臨海副都心では2001年までに計画中の物件が完成する。その後、2005年には都心部と臨海副都心を南北に結ぶ晴海通りの延伸、新交通システム・ゆりかごめの豊洲延伸などの基盤が整備される。

更に、最後の開発エリア、有明北地区は2005年には埋立工事が完成予定で、臨海副都心は全貌を現すことになる。

  その他、新宿、渋谷、池袋では図表3のようなプロジェクトが進行中だ。更に、上野・浅草、錦糸町・亀戸などの副都心でも新たな街づくりの動きや具体的な開発計画が進んでいる。

副都心の中で今後注目されるのは、大崎・品川地区である。2003年に品川駅に新幹線新駅が完成し、かってのターミナル機能が復活する。また、すでに京浜急行が羽田空港へ乗り入れ、空の玄関口としてアクセスの利便性が向上している。

こうして大崎・品川一帯は今後新たなビジネスゾーンとして都市機能の集積が期待される。(以上で原稿からの引用は終わり。なお、本稿の全体は、7月27日発売の『月刊レジャー産業資料』(8月号、綜合ユニコム)の巻頭論文として掲載されます)

こうして開発動向を概観すると、ビジョンがないのは企業だけではなく、街づくりも同様だと痛感します。大規模な開発というと、どこもかしこも金太郎飴のようです。オフィスと商業施設、美術館や音楽ホールなどの文化施設そしてホテルや住宅などを集めた複合施設が誕生するわけですが、本当に芸がないと思いますね。海外から有名な建築家を集めて競演させただけでは、魅力的な街は出来ません。

今、渋谷を中心にしてビットバレーのエリアが広がりつつあります。asktakaは都心・副都心の中で、こうしたITあるいはハイテク企業の集積を前面に出して、街づくりの視点から再開発を進める計画が見えてこない点が残念です。 それには米国のように、自治体が積極的に音頭をとってインフラ整備や優遇措置を講じる必要があると思います。ここは石原都知事に頑張ってもらって、都や区の財源確保の自由裁量の余地が拡大すれば、後は街づくりのビジョンが問題です。

ではどうするのか。asktakaは開発プランにはテーマ性が重要だと思います。開発ビジョンは、先ず、テーマを決めてそれを象徴する施設あるいは事業を核とすべきではないでしょうか。それがネットベンチャーであってもいいし、文化系施設の集積でもいいと思います。また、エンターテインメントの街やブランド街あるいは巨大な市場でもいいのです。要は、そうした施設を幅広く集めるのではなく、ある分野に集中して集積させることがポイントではないでしょうか。

もちろん思い切った集積にはリスクが伴いますが、中途半端に何でも集める式の大規模開発が多いだけに、こうした差異化が実現すればリスクは軽減されると思いますね。皆さんのアイデアはいかがですか?



お知らせ:昨日の話題は「都心3区の開発動向」 でした。



2000年7月10日(月)〜11日(火)

「都心3区の開発動向」

今日は、asktakaが先日書き上げた東京の都心の変貌についての原稿の中から、都心3区の主な開発の動きを紹介しましょう(以下は雑誌向けの文章なので、文体がいつもとは異なりますのでご了承ください)。

 先ず、六本木は21世紀の最初の10年で最も変化するエリアで、4つのプロジェクトが進行している。

 六本木6丁目地区は、21世紀の「文化都心」を目指した大規模再開発プロジェクトである。計画地はテレビ朝日の放送センターを含む11haの敷地を有し、2003年5月には総延床面積72万�屬鯆兇┐訛膩進9腑咼觀欧�誕生する。このプロジェクトは民間の再開発事業として国内で最大規模だ。  開発面積11haは東京ドーム8個分の広さをもち、総延床面積72万�峩�はちょうどゴルフ場が出来る面積である。街区は3つに分かれ、その概要は次の通り。

 北側のA街区は地下鉄日比谷線六本木駅と地下連絡通路で直結される店舗、学校などの複合棟だ。  そして、中央のB街区は美術館、劇場、ホテル、商業施設をはじめテレビ朝日の放送センター、オフィス棟などが集積する都市型複合ゾーンになっている。南側のC街区には849戸の住宅棟とオフィス棟などが計画されている。

 このエリアの建築デザインは、都心の新しい顔にふさわしく、世界的に著名な建築家が競演している。つまり、低層部の商業施設はわが国でもお馴染みの米国のジョン・ジャーディ、住宅棟は英国のテレンス・コンラン、オフィス棟は米国のK・P・F、そして放送センターは日本の槙文彦だ。  こうしたそうそうたる建築家の顔ぶれを見ても、このエリアが21世紀の新しい顔になるとは間違いなさそうだ。

次に、六本木1丁目西地区の再開発計画は、アークヒルズの南側に位置し、1丁目から3丁目にまたがる。旧住友会館を含む3.2haの敷地に、美術館と地下展示ギャラリー(A街区)及び住宅棟と2つのオフィス棟(B街区)を建設中だ。

オフィス棟は、2000年秋に開業する営団地下鉄南北線の六本木1丁目駅の駅前プラザと一体的に整備され、2002年の秋に完成予定だ。  なお、六本木1丁目西地区と隣接する3丁目地区では、三井不動産と日本サムスンが複合ビルを建設中である。事務所と住宅及び商業を複合させたビルで2003年秋の竣工を目指している。

 今年の5月に六本木の防衛庁が市谷に移転した。この跡地7.8haには住宅や文化施設などを建設する構想があり、来年の競争入札後の計画の具体化が楽しみだ。

 六本木と並んで注目されるのが汐留地区で、開発面積は30.7haの今世紀最後の大規模跡地開発だ。全体は11のブロックに分割され現在開発が進行中である。

 銀座に最も近いB街区は、三井不動産、アルダニ―インベストメント、松下電工の3社が落札し、業務・商業系の複合ゾーンとして建設中だ。汐留AMタワーと松下電工の東京本社ビルからなるこの街区では、低層商業施設棟を設置する他、情報通信基盤を整備した21世紀を代表する賃貸オフィスビルとなる。

その他の街区では、電通、資生堂、日本通運、共同通信社、トッパン・フォームズなどの本社ビルが建設される他、商業・文化交流施設、ホテル、住宅などの機能が複合化される。

  こうして汐留地区は21世紀のはじめには、就業人口約6万人、住民約4000人(2000戸)の新しい街への変貌する。  ところで、汐留の開発エリアは空から見ると鯨のような形をしている。ニューヨークのマンハッタンはビッグ・アップルと呼ばれているが、汐留を○○ホェールとでも呼んで一体的な開発ができれば、もっと魅力的な街になることだろう。

 新橋から虎ノ門にかけての環状2号線地区も21世紀には大きく生まれ変わる。新橋4丁目エリアでは、道路の敷地の上空を利用して建築物を建てる日本発の「立体道路」が建設される。そうなると、新橋4丁目から愛宕通り付近まで、緑の歩行空間と商業施設、業務施設が一体化した商業エリアが誕生する。汐留・新橋地区も21世紀に大きく変身する街であることは確かだ。

 東京駅周辺の大手町、丸の内、八重洲などは日本を代表するビジネスセンターである。現在この一帯で10以上の跡地利用や再開発が進行中だ。  丸の内側の主な計画は、図表2で示した新しい丸ビルや旧国鉄本社跡地再開発、仲通り開発以外に、三菱商事新本社ビル、東京サンケイビル、日本工業倶楽部会館、明治生命などがある。

一方、八重洲口側では、森トラストが八重洲北側の旧国鉄用地にオフィスや商業、宿泊、住居を複合させたビルを計画中である。また、南口側では日本パシフィックセンチュリーグループが、業務、商業、長期滞在型賃貸住宅などの大型複合ビルを建設中だ。将来的には、日本橋から八重洲にかけて都市機能の更新が促進され、丸の内側と連動した多機能ビジネスセンターとして再生される。

このように都心の主な開発計画は、2005年までにほとんどが完成する。六本木、汐留・新橋、東京駅周辺の3つの地域では、この4,5年がビジネスチャンスの山を迎えることになる。(以上で原稿からの引用は終わり)

都心が大きく変身しようとしていますが、副都心も開発計画が目白押しです。こうした動向を見ると、一極集中批判も地方の政治家の選挙民向けの虚しい遠吠えに聞こえるのは、asktakaだけでしょうか。まさか需要を無視した供給はありえませんからね。



お知らせ:昨日の話題は「雪印乳業の食中毒事件と荏原の汚染事故」 でした。



2000年7月8日(土)〜9日(日)

「雪印乳業の食中毒事件と荏原の汚染事故」

今回の雪印乳業の食中毒事件を見ると、今年の3月の荏原のダイオキシン汚染事故を思い起こしました。荏原の場合は、被害が少なかったし、事後の対策も比較的上首尾に行われたので、問題の沈静化も早かったと思います。ただ、今回の事件についても、3月31日付の今日の話題「荏原のダイオキシン汚染事故」で指摘した点が当てはまると思います。そこで、以下に引用してみましょう。

「環境保全メーカーを標榜する荏原製作所がダイオキシン汚染の発生源とは驚きました。この原因は、同社藤沢工場の場内廃棄物処理用焼却炉に付属する配水管の接続ミスによるとのことです。

こうした事故は事後対策が重要です。だが、往々にして日本企業は対応を誤ることが多いですね。その原因は、

1.情報開示意識の低さ

2.組織防衛意識の強さ

3.広報・PRが未熟

4.人本主義の行き過ぎで外部に対する関係の取り方が苦手

5.クレーム、事故などの問題こそ次の飛躍につながるという意識の欠如

等々が考えられます。」

こうした原因は、今回の雪印乳業にも共通すると思いますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?次に、今後の対策についても下記に再掲してみましょう。

「ところで、今回の荏原の件は、環境保全をテーマに事業を展開している会社が汚染事故を引き起こした点で今後の対応が注目されます。asktakaは、これを契機に荏原が環境関連メーカーとして一回り大きくなることを願ってやみません。それではどうすればよいのでしょうか?asktakaであれば、次のようなアクションをとると思います。

1.想定される被害者あるいは地域に対する素早くかつ手厚い補償
2.今回の問題が発生した原因と今後の対策を顧客や周辺住民に徹底公開
3.藤沢工場を世界でトップの環境対策モデル工場として変身させる
4.上記の点などを企業広告や広報などで積極的に世間に知らしめる」

この点も固有名詞などを読み替えれば、雪印乳業の行動指針になるはずです。

雪印乳業の場合、過去最大の食中毒事故ということもあり、社長辞任表明会見での「トップブランとしてのおごり」とする社長の発言で片付けられる問題ではないですね。分権化された組織ゆえに的確な情報がトップに上がりにくいとすれば、まさに構造的な問題です。

asktakaは、上記の4点に加えて、もう一度食品メーカーとしての価値観・哲学を再構築し、役員や社員に徹底させることが急務だと思います。この意味では、業績への影響を少なくするため、後任の社長に営業出身者を起用する点に、まだ問題意識の希薄さを感じます。

雪印乳業は連結売上で1兆2,000億円を超え、社員数は本体だけでも7,000人、グループ全体ではゆうに1万人を超えます。もちろん社員や目先の業績も大事ですが、もっと中長期的な視点で名実ともに“いい会社”に変身させるべきではないでしょうか。asktakaは、後任の社長人事にも企業の姿勢が現れていて、前途多難と感じるのですが、皆さんはどうお考えですか?



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(20):ヘンリー・ミンツバーグの言葉より」 でした。



2000年7月7日(金)

「今日の言葉(20):ヘンリー・ミンツバーグの言葉より」

最近翻訳も出た「戦略サファリ」の著者として知られるヘンリー・ミンツバーグを世界最高の経営思想家と評価する向きもあります。エクセレント・カンパニーのトム・ピーターズがその一人です。ミンツバーグはカナダのモントリオールにあるマギル大学の教授であるとともに、INSEAD(仏のビジネススクール)などの客員教授を務めています。今日はミンツバーグの出世作ともいえる『マネージャーの仕事(The Nature of Management Work)、1973』( 奥村・須貝訳、白桃書房、1993)の中から、エッセンスを紹介したいと思います。

ミンツバーグはマネジャーの仕事の特徴は次の6点に要約されると述べています。すなわち、

1.絶え間なく大量の仕事をこなす

2.雑多な、短い、細切れの仕事をする

3.特殊で型どおりでない現在の問題を好む

4.文書よりも口頭でのコミュニケーションを好む

5.社内・社外の人脈の範囲内で行動する

6.厳しい制約を課されているものの、仕事に対してある程度の支配力を発揮できる

この6点です。

ミンツバーグは、膨大な観察結果からこうした特徴を抽出したそうですが、このへんがマネジメント関連の方法論の真骨頂というところか。

こうした観察結果から、同教授はマネジャーの仕事の役割を次のように定義しています。

1.対人関係上の役割:会社の代表者、リーダー、連絡者
2.情報関係の役割:監視者、情報伝達者、スポークスマン
3.意思決定の役割:企業家、紛争処理者、資源配分者、交渉者

マネジメント関連の学者の間でも、過去の知識のみに頼ったケーススタディ や世間の流行を追う論説に対する反省もみられます。この点、ミンツバーグは企業経営の普遍的な実態を描き出したといえます。asktakaはマネジャーとは何かを考える際に、上記を参考にしています。

ところで、ミンツバーグは、戦略づくり、戦略発想について独自の概念を提唱しています。“創発戦略(Emergent Strategy)”や“草の根戦略立案(Grass-roots Strategy Making)”などです。ちなみに、創発とは、個々人の自由で自発的な行動が、自然に全体の秩序や構造を生み出すことをいいます。創発戦略は、これまでのトップダウン的な戦略のアンチテーゼとして提唱されたものです。

こうした草の根的な戦略の推進の鍵を握るのは、現場のマネジャーやチームのリーダーです。彼・彼女たちが自分の使命を考える場合、ミンツバーグの上記の話が基本になると思います。



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(19):ソニー盛田語録より」 でした。



2000年7月6日(木)

「今日の言葉(19):ソニー盛田語録より」

ソニーの故盛田氏は数々の名文句を残されました。asktakaも何回かお話を伺ったことがありますが、その中で英語のスピーチを1回だけ聞いたことがあります。学生時代に故大来佐武郎(元経企庁長官)氏の英語のスピーチを聞いて感心と安心をしましたが、盛田氏のスピーチも私たちの到達可能な水準としては秀逸でした。

今日は盛田氏の日本語の語録の中から次の言葉をご紹介したいと思います。

「自分を開発し、発展していくためには、他人と同じ考え、同じ行動をしてはならない。」

この“自分”の部分を“会社”に置き換えても、asktakaのいいたいところにぴったりです。6月15日付け「今日の話題」は台湾半導体産業に関連して述べましたが、日本企業は横並びの行動を廃し、独自の戦略ポジションを構築すべきだと思いますね。

ところで、盛田氏が「他人と同じ行動をしてはいけない」と述べたのは、「スペシャリストになれ」という日頃のお言葉と関係しています。同氏によると、スペシャリストとは専門知識をもつのみではなく、企業全体にどう生かして社会にいかに役立てるかという判断を行えなければいけないという。そのためには、専門分野の勉強とともにビジネスや社会についての幅広い知識が不可欠だといっているのです。

真のスペシャリストになるには、「他人と同じことをしちゃいけない」という精神は、現在のソニーの中にもまだ脈々と流れていると思います。かって複数の伝統企業の幹部から、ソニーは新興企業だからいろんなことができる、という話を聞いたことがあります。asktakaは、こうした伝統企業が苦悩している姿をみるにつけ、大企業になってもベンチャー魂を涵養できる企業は強いなぁ、と痛感する今日この頃であります。



お知らせ:昨日の話題は「今日の言葉(18):ドラッカーの『リーダーの条件』」 でした。



2000年7月4日(火)〜5日(水)

「今日の言葉(18):ドラッカーの『リーダーの条件』」

昨日日本の新しいリーダー(?)と閣僚が正式に決まりました。当面は現総理以下が行政の舵取りを行うことになるのですが、あまり国内外から信用されていない日本の政治家(屋)の方々に、ドラッカーのリーダーの条件を熟読してもらいたいと思います。

ドラッカーによると、一流のリーダーは下記の5点を自問自答し実践していたとのことです。つまり、

1.「何をしなければならないか」

2.「自分に何ができるか、何を行うべきか」

3.「組織の使命と目的、成果は何か」

4.「部下の多様性、強みをどう活用するか」

5.「正しいことよりも、人気取りに走っていないか」

この5点です。

asktakaが思うには、一国の宰相たるもの上記の5点を肝に銘じて、実践すべきです。最後の“人気取り”に関しては、低支持率 内閣ゆえに、少しは大目にみてもいいと思いますが。一方、任命されてから、これから「何をしなければいけないか」を学ばなくてはいけない閣僚では、いい仕事が出来るわけがないですね。せいぜい官僚の掌でさまようだけです。 政治主導という掛け声は、滞貨一掃内閣とあっては期待する方が無理かもしれませんね。

もちろん、ドラッカーの5つのリーダーの条件は、ビジネス界を念頭に置いたものです。まさかこのご時世に、「何をしなければならないか」が全く白紙な企業のトップは皆無だと信じています。しかし、「組織の使命と目的、成果は何か」「部下の多様性、強みをどう活用するか」あたりになると、まだ一流にはほど遠いのではないでしょうか。

asktakaはせめてビジネス界だけでも、一流のリーダーが数多く輩出することを願うばかりです。これからは、こうしたリーダーの層の厚さが日本インクあるいは企業組織全体のパワーを左右すると思うからです。さて、皆さんは上記の5つを絶えず自問自答していますか?



お知らせ:昨日の話題は「若者の夢」 でした。



2000年7月3日(月)

「若者の夢」

日本の若者には夢がない。海外の若者に比べて、このような結果が出ているそうです。土曜日の日経の「大機小機」に、日本青少年研究所の「21世紀の夢に関する調査」(99年4月)の結果が紹介されていました。この調査は、日本をはじめ米国、中国、韓国の中高生を対象に行われたものですが、概略を孫引きしてみましょう。

先ず、「人類にとって21世紀は希望のある社会になる」という問いに対して、肯定的に答えた人は、中国が89%と断然トップで、以下米国は64%、韓国は63%という順です。日本はなんと34%に過ぎません。嗚呼!

次に、「科学の進歩で、人類はより幸福になる」については、中国は84%、米国68%に対して、日本は35%です。一方、「犯罪や非行は今よりも少なくなる」に関しては、中国48%、米国30%に比べ日本は7%の低さです。

極めつけは、「将来なりたい職業」です。中国は法律家、先端技術者、米国は経営者、医師、スポーツ選手とまだ夢がありますね。しかし、日本は、公務員とアルバイトが上位だそうです。何だか気が抜けますね。

何せ“失われた10年”で、今の中高生は子供の頃からいい思いをしていません。このように子供達が夢を無くしたのは、大人達の責任が大です。とりわけ政治家と教育者に問題があるとする大機小機氏の意見に、asktakaは概ね賛成です。

考えてみれば、政治家や教育者が夢を語ることができなくなって久しいですね。政治家は小粒になったというか、まともな優秀な人間が政治家を目指さなくなったといってもいいでしょう。第2の人生としては別でしょうが。教育者についても同様です。失礼を省みずにいえば、特に中学までの教師のレベルは低いですね。皆さんの周りをみても小中学校時代トップクラスの連中で、小中学校の教師になった人がいるでしょうか。そのうえ、これまで日教組というおかしな組織が教育の現場を台無しにしてきましたからね。

もちろん少年時代に勉強ができなくても、人物識見ともに優れた政治家や教育者が例外的に存在することは否定しません。しかしながら、彼・彼女達が夢を与えられなくなった事実は、しっかり受け止める必要があると思います。

ところで、日本の中高生が望む公務員とアルバイトという“職業”は、世相をよく表していると思います。雇用不安の中での安定志向と130万人といわれるフリーターの出現そのものですから。

子供の世界にも、大人と同様にマスコミやネットを通じて自由に情報が入る今日、日本全体の元気のなさが敏感に子供に伝わっても無理がありません。 子供達が夢をもてるような日本にするには、憧れの対象になりうる経営者や技術者、各種専門家、宇宙飛行士、医者、スポーツ選手などが数多く輩出することが不可欠です。

この意味では、こうした職業が真に報われるシステムを作った米国を見習うべきではないでしょうか。もう平均値が優れていることを誇るだけでは世界市場では勝負になりません。asktakaは、出る杭を徹底的に優遇する社会を構築すべきだと思います。そうすれば、何も政治家や教育者に頼らなくても、自ずと子供達の夢は育まれると思うのです。皆さんはいかがお考えでしょうか?



お知らせ:昨日の話題は「株主総会が終わって」 でした。



2000年7月1日(土)〜2日(日)

「株主総会が終わって」

相変わらず株主総会が一日に集中する現象が続いています。警察庁の調べによると、6月29日に3月決算の上場企業など2161社が株主総会を開きました。上場企業だけでも半数以上がこの日に集中したわけです。だが、一部では“株主総会改革”が進んでいることも確かです。

先日の日経本誌(6月28日付け朝刊)の報道によると、今回の総会では定款を変更する動きが目立ったそうです。その変更内容は、IT分野などへの新分野進出をにらんで事業目的の変更と取締役の人数や呼称の変更など取締役会の改革とに大別されます。新聞記事から主な内容を拾ってみましょう。

新分野進出に関して、トヨタ自動車はネットを使った商品販売、証券業、投資顧問業などを追加。日立製作所やNTTドコモなどもほぼ同様です。またソニーは今回新たに投資事業を加えたそうです。それから、三菱化学、オリックスは発電・電気の供給事業、、三菱重工業は電気供給と廃棄物処理事業、新日本製鉄はガス供給事業と廃棄物処理・再生事業を追加しています。また、日立製作所や阪急百貨店は居宅介護サービス事業を加えています。この他シャープや旭化成など情報通信サービス、IT関連事業を追加した企業は数多いのです。

こうしてみると、各企業はIT分野、金融や電気・ガスなどの規制緩和分野、産業廃棄物や介護などの成長分野へ事業領域をシフトしていることが分かります。askatakaはこれまで株主総会情報にあまり注目していませんでした。しかし、今後は経営説明に重点がおかれるので、格好の企業戦略情報として着目したいと実感しました。

一方、取締役会に改革については、日本航空、NKK及び興亜火災海上保険は取締役数を削減。更に、興亜火災や日商岩井は任期を2年から1年にしました。また、日産自動車が株主総会の議長をこれまでの「社長」から「会長または社長」とし、ソニーは取締役から社長などの役付き呼称を削除しました。これは企業統治を徹底させ、“監視”と“業務執行”を峻別しようというものです。その他、富士通や日立、三菱商事など役員や社員にストックオプションを付与する動きも盛んです。

このような定款の変更に加えて、今回はトップ主導の株主総会を行ったケースも増えてきたそうです。従来のように総会屋や社員株主により「異議なし」「議事進行」で30分以内に終わることなく、トップが前面に出て丁寧に株主に説明する企業も増えつつあります。

また、カゴメや東京エレクトロンなどのように、米国と同様にインターネットを使って実況する企業も出てきました。それから、総会後に株主懇談会を開催し、ざっくばらんに株主と話し合いの場をもつ企業も増加しているという。

いずれにしても、日本企業は確かに変化していることを感じます。問題は、株主重視の掛け声に魂が入るか、改革のスピードが伴うか、そして 政府が改革を実効あるものにするための法的整備(連結納税、株式分割、ストックオプション関連など)を迅速化すること、この3点です。来年の株主総会が楽しみですね。



お知らせ:昨日の話題は「アジアの星〜50人の変革のリーダー」 でした。



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