わんだふる 中国四川山群 (5)

  1.プロローグ 
  2.中国四川省成都(セイト)へ向けて出発 : 7月16日(日) 
  3.日隆(リーロン)へ : 7月17日(月) 
  4.日隆(リーロン)での高所順応 : 7月18日(火) 
  5.いざ、ベースキャンプ(老牛園子(ラオニューエンツー(3,600m)))へ : 7月19日(水) 
  6.ベースキャンプでの高所順応(大海子(ターハイツー)、花海子(ホワハイツー)) : 7月20日(木) 
  7.アタックキャンプC1(4,300m)へ : 7月21日(金) 
  8.大姑娘山(タークーニャンサン(5,025m))登頂へ : 7月22日(土) 
  9.日隆(リーロン)へ : 7月23日(日) 
  10.日隆(リーロン)から成都(セイト)、そして帰国 : 7月24日(月)、25日(火)
     *トレッキング留意事項(感想)* 
 
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8.大姑娘山(タークーニャンサン(5,025m))登頂へ : 7月22日(土)

 今日はいよいよクライマックス、大姑娘山(タークーニャンサン(5,025m))に登頂する日である。登頂後はベースキャンプまで戻るので、起床は4時であった。空は曇り空というか、上は濃い霧に覆われていたが、風はほとんどなく、寒さもそれほど感じなかった。真夜中は雨が上がって星空だったのにと思うと、ちょっとがっかりした気持ちになった。でも、下痢も止まり、酸素吸収、脈拍チェックもOK、腰痛の気配もないということで、体調は万全である??
 5時に全員(ツアーリーダー1名とメンバー1人が欠けている)テント前の広場に集合した。今日は朝食はなしで、携行食で間に合わせることになっている。まだ暗いので、皆ヘッドライトを装着している。標高差は700mほどなので、空気の酸素濃度の影響が出なければ、登れる高さであるが。シェルパのリーダーを先頭に、山頂に向けて出発。ゆっくりと歩みを進め、一歩一歩高度を上げていった。最初は昨日登った緩やかなガレ場を登る。5時30分、1回目の休憩(4,450m)。まだ、暗い。6時、2回目の休憩(4,600m)。空はやや明るくなったが、上のほうは濃い霧に覆われていた。小休止を繰り返しながら、ゆっくりとしたペースで高度を上げていく。6時35分、3回目の休憩(4,700m)。日差しはないが、空は大分明るくなった。あと少しでコル(鞍部)である。やや斜度がきつくなってきたが、日本の山に比べればだんぜん緩やかである。空気の薄さを除けば、ペースがゆったりなので苦しいことはない。6時55分、ようやくコルに到着し、4回目の小休憩となる(4,800m)。コルではやや霧が薄れて明るくなり、日隆(リーロン)の村やキャンプとは反対側の山々が少し見えた。でも、四姑娘山(スークーニャンサン(6,250m))は雲に隠れてまったく見えなかった。どうも今日の天気では四姑娘山(スークーニャンサン)を見ることは出来そうもないと思った。

ようやく明るくなったコル コルからC1を望む コルから山頂への登り 山頂は霧の中
 コルからは、右に90度折れて、山頂へ向かう。最初はやや広々としたガレ場であったが、尾根を巻くような形のやや急な登りになった。さすがに体力不足か、最後部で付いていくのがやっとであった。7時20分、5回目の休憩(標高4900m)。そこには小さな雪田があった。山頂は霧の中である。いよいよ最後の登りである。心持ちか空気が薄いようで、深呼吸を何度も繰り返したが、特に苦しいということはない。足はなんとか一歩一歩動いてくれる。しばらく登ると、霧の中にうっすらと山頂が見えてきた。どうも我々以外に先着者がいるようである。ちょうど8時、とうとう大姑娘山(タークーニャンサン(5,025m)の山頂に着いた。万歳!!皆歓声を挙げたり、握手をしたりして、お互いの健闘を称え、喜んだ。

山頂が見える 大姑娘山登頂万歳!! 山頂で一休み
 山頂の周りは、時々霧が時々切れて、辺りが見えることがあるのだが、周りの山はうっすらと見えるだけであった。これがちょっと残念であった。山頂のケルンをバックに写真を撮ってから、30分ほど休憩をした。風もなく、寒いということはないので、岩の上に腰掛け、おやつを食べ、お湯を飲んで、登頂の喜びにゆったりと浸った。我ながらよくがんばったものですね。出発するときの不安などはすべて吹っ飛んでしまった。いやはや、大変なことですね。ちなみに、山頂で酸素吸収と脈拍を測定してもらったのだが、朝の測定値をやや下回ったぐらいで、まったく問題はなかった。
 休憩後、8時35分、アタックキャンプに向けて下山を始めた。もちろん登りに比べて足取りは軽い。でも、下りの方が滑りやすいので、注意が必要だ。気をつけながら、一歩一歩下った。8時50分、登り時の5回目の休憩地(標高4,900m)。9時20分、登り時の3回目の休憩地(4,700m)。登るときは暗くてよくわからなかったが、この辺りから珍しい高山植物があちこちで見られるようになった。シェルパのリーダーはさっさと下っていくのだが、こちらはこれを逃したら二度と来れないので、写真を撮りまくってしまった。花の名前はほとんど分からないが、その一部を掲載する。

青紫の花 ホソバエイランタイLike 蘚苔類? 蘚苔類?と赤い花?
花or実? 黄色の花 黄色の花 白い花
青い花 白い花 見飽きた?ブルーポピー
 写真を撮ったりしながら、ようやく10時10分、アタックキャンプC1(4,300m)に到着した。振り返っても大姑娘山(タークーニャンサン)は見えなかったが、登頂できたという喜びがひしひしと心の中に湧いてくるようであった。とにかく、やったのだ!!
 ダイニングテントでは、ティーとスイカのサービスがあった。こんなところでスイカとはと驚いたが、それはとても美味しかった。グレイト!その後、中国人スタッフが用意してくれた朝食を兼ねた昼食(メン)を食べた。これものどに通りやすく、とても美味しかった。

 食後は、登るときと同じように、テント内の荷物をダッフルバッグに入れて、馬に運んでもらうようにお願いした。ちょっと、小雨がぱらついたりしたが、天気は心配ないようである。11時20分、ベースキャンプに向けて、全員元気よく?出発した。当然、皆の足取りは更に軽くなったようである。それに再びお花畑の中のトレッキングである。登りのときはアタックキャンプまでがんばろうという緊張した気持ちがあったが、下りなので気楽である。そのためか、登るときは、遅れたりしては迷惑が掛かると思って写真を撮るのを少し遠慮していたが、今度はきれいな花があるとすぐに歓声を挙げて写真を撮った。いやはや、きれいな花がたくさんあって、困ってしまうくらいであった。その一部を掲載しておく。
ウスユキソウLike トラノオLike ソバナLike 紫色の花
シオガマLike グンナイフーローLike 黄サクラソウLike シオガマLike
 11時50分、登り時の4回目の休憩地(4,050m)。12時20分、登り時の2回目の休憩地(3,850m)。このあたりにくると、花の写真に夢中な人と、どんどん先に進む人とで、かなりの間隔が生じるほどであった。ツアーリーダーもあきらめたのか?、写真グループに早く歩くようにと指示するようなことはなかった。ごめんなさい!
 12時45分、登り時の1回目の休憩地(3,710m)。そして、昨日出発したベースキャンプには13時10分に到着した。キャンプにいた多くのスタッフが皆を拍手で迎えてくれた。その中には、登頂できなかった仲間とツアーリーダーもおり、皆の検討を祝福してくれた。本当にツアーリーダー(2名)や中国の現地ガイド、シェルパのリーダー(2名)、それに多くの中国人のスタッフのお陰で登頂できたのだと、うれしさがこみ上げてくるようであった。

 ベースキャンプは薄曇であったが、穏やかな天気であった。ただちにダイニングテントに入って、コーヒーとあのおいしいスイカのサービスを受けた。久し振りのコーヒーもうまかったが、スイカはなんと言っても疲れた体に合うのか、おいしかった。スイカを再発見した気分であった。そこで、皆でしばらく今回の成果をピーチク・パーチクと語り合った。その後今後の日程を聞いてから、夕食まで解散となった。それぞれ、ザックと馬に運んでもらった荷物をテントに収めた後、まずはお湯をもらって、体を拭いてさっぱりとした。その後は、何をしていたのかはよく覚えていないが、きっと満足感に浸って、のんびりとテント村の周りで過ごしたのだろう。

 18時、夕食となった。もう食後の健康チェックはないし、利尿促進剤のダイアロックも飲まなくてよい。もちろん下痢止めは不要である(家内もずっと続いていた下痢も、下に降りたら止まったとのことであった)。夕方から雨がぱらつき始めた。そのため、食後はすぐにテントに入り、ぐっすりと寝入ってしまった。夜はかなり雨が降っていたようだ。

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