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Talking about WINE by T.Yone, the fake-chef

偽シェフヨネのワイン漫談


第36回「レシピ探検隊−2」| 第37回「頒布会」| 第38回「レシピ探検隊−3」| 第39回「農薬」
第40回「まとめ-1」


偽シェフヨネのワイン漫談 第36回「レシピ探検隊−2」

前々回の「1」では、素材そのものより「ソース」で赤/白が決まると書きました。「肉は赤・魚は白」という基本認識がちょっとゆらぎます。もう少しゆるがせてみると、先日偶然にも甘エビ(前菜として食べていた。メインは何だったっけな)とNabbiolo d'Alba(95)が合うことを発見しました。このイタリアの赤ワインはきれいなピンク系の軽量級で、油ののったエビとマッチングしました。不思議です。

また、どうしてもワインに合わない料理もあります。そのひとつがカレー料理です(インド料理をイメージしてください)。あの辛さはワインのデリケートな味わいを破壊してしまいます。とうてい太刀打ちできません。「フランス人はあんな辛いものを食べない」のでワインと合うわけがない、という乱暴な理屈も何やら本当らしく聞こえます。(ガイドブックには合わせられるワインのリストが表示されてはいますが)

実感として言うと、白より赤のほうが応用範囲が広いと思います。赤ワインのほうがバラエティに富んでいるからでしょう。白もおいしいものはすこぶる感動しますが、濃い味わいの料理だと無力です。そんなにしてまでおいしい白をムダにしなくてもよい、とぼくは考えています。

 (C)T.YONE 1998


偽シェフ・ヨネのワイン漫談 第37回「頒布会」

「適当に買って飲みなさいと言われてもちょっと」という人には頒布会という手もある。ワインに対する理解が底上げされてきて、複数の会社が競争している状態なので、頒布会の質自体も向上して「このネダンでこんなものしか来ないのか」という不満はそれほどない。

適当なものが定期的に届くし、付加価値的にいろいろと付いてきて面白い、ということがメリット。もちろん単品で購入するよりは高い。ただウィスキーやブランデーのように「希望小売価格」なるものがワインにはないため、目安となるネダンがなかなかつかみにくい。同じ銘柄の同一年が必ずしも流通しているとは限らないのでショップでも確認できないことが多い。だから「飲んだことのない」ものがラインナップにたくさん入っていて、毎月の金額自体に納得さえすれば利用して損はない。

かなりまんべんなく各地のものを届けてくれるので「これしか飲まない」と決めうちしている人には余計なものを買うことになるが、あちこち飲んでみたいという向きは、毎月ワクワクしながら待つという時間の使い方も一興かもしれない。

ちなみに私はかつていろいろとお世話になり、それ以来はまり込んで今に至っています。因縁です。

(C)T.YONE 1998


偽シェフヨネのワイン漫談 第38回「レシピ探検隊−3」

嗅覚は人それぞれ差があります。また、どういったにおいに敏感かというのも個人差があります。食べ物というのは豊富な香りを発しています。それを調理すればひとつの料理の中に様々な香りが封じ込められることになります。あたたかい料理からたちのぼる美味しそうな香りは本当に良いものです。

しかし、どの料理にどのワインをあわせるかという大命題を考える場合、香りのことを落とすわけにはいきません。サーモンにかけたレモン、冷や奴の上のショウガ、焼き魚のスダチ、刺身に付けあわされた大葉、サラダの中のセロリ、前回のカレー風味、沢庵、米酢、山椒などなど。ワインには絶対あわないというのではなく、慎重なチョイスが求められるということです。

特に白ワインの場合ブーケがデリケートなため注意が必要です。赤はそれほどではありません。だからオリーブ(オイルも)やニンニク(日本の大蒜は匂いが強い)やオレガノなどもOKなのです。あ、それから女性の方に注意。いくらドレスアップしても(そうされると大変うれしい)レストランへは香水(トワレも)厳禁。香り音痴になってしまってワインを味あうことが難しくなります。 

(C)T.YONE 1998


偽シェフヨネのワイン漫談 第39回「農薬」

葡萄の木も植物なので虫がつく。虫がつくと収穫に影響してくるので農薬をまきたくなる。これは他の農作物と同じ。農薬はいくら洗い流しても微量は残留するので、その葡萄の実を使って作られたワインにも農薬のかけらくらいは入っている恐れがある。有名シャトーも無名ブランドもまず使ってないところはなく、所によっては盛大に散布する。

家庭で食べる野菜・米は低農薬にけっこうこだわっている人も、こと酒に関しては無頓着である。環境ホルモンのことをわざわざ言い出さなくても、オーガニックワインのほうが安心できる。カリフォルニアやイタリア産のものが入ってきてますが、なかなか扱っている店にでっくわさないのが難です。もちろん低農薬栽培の葡萄を使ったワインが他のものと味が画期的に違っているということはありません。同じです。価格は少し高め。安心料として払うかどうかはあなたの価値観次第です。

また、農薬とは別に通常のワインには酸化防止剤が添加されています。たいてい「亜硫酸塩」と表示されています。文字通りワインの品質劣化を防止するためですが、これも入れない主義のワイナリーが出てきています。カラダに悪いものは極力排除です。これは国産で入手できます。

 (C)T.YONE 1998


偽シェフヨネのワイン漫談 第40回「まとめ-1」

さてそろそろまとめてみましょう。え? まだ出てきていない国があるって? カリフォルニアは宿題にします。AOCシステムに安住せず、常にいい葡萄を作っていこうとしているのがカリフォルニアです。だから葡萄の品種とワイナリーがキーとなります。

1:再三言っているように「まず飲むこと」です。こういう人をよく見かけますね。「×××というお店今度行ってみない?」と誘うと「×××はちょっと私の好みの味じゃないから」で、「行ったことあるの?」と問うと「ううん、友達かそう言ってたから」これで納得する人は幸せです。おいしい店は足で探す=実際に行ってみるしかないのと同様、ワインも飲んでみないとわかりません。1本1本の積み重ねがあなたに知識と教養を授けてくれるのです。だからワイン通に磨きをかけるために、今日も一本買って帰りましょう。

2:バラバラといろんな種類を飲んでみると自分の好みがだんだんわかってきます。「このあいだ飲んだアレがおいしかったのよ、何だったっけ?」とならないようにメモをつけることをおすすめします。ラベルをはがして(一晩湯につける。ダメな場合は市販のラベルはがし)スクラップしたり、PCソフトで入力したりでしょうね。味もメモっておきましょう(つづく)。

(C)T.YONE 1998


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