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【特別現地報告】

3 Days inh Seoul
ソウル6人旅の顛末


怒濤の2日目


(1999/05/24/08:00 UPLOAD)

ソウルの街から、今朝もアンニョンハセヨ〜!

今日は小雨です。窓からは高層ビルが建ち並ぶ風景。
雨に濡れたアスファルト。
さて、怒濤の2日目のようすのご報告です。


一行の生活習慣を考え、朝9時という
フツーは遅いがわれわれには早朝の時刻に集合し、朝食に向かいました。
もちろん、ソウルらしい朝ごはんが食べたい。
しかし、ガイドするはずの「謎のキム」がまたも責任放棄して、
「みんなで探す体験ってのも面白いじゃん」。
ミョンドン方面に向かい、中国大使館を警備する若い警察官のおにいさんに聞いてみた。

で、教えてくれた方向に店はあったが掃除中。
「入れるよ」と言われたが、日本語が多い雰囲気のため敬遠。
そのとき見つけたかの有名な「全州中央会館」。
ピビンパの名店が朝の8時半からやっているというので、急行!


いやあ、うまいっす。キムチも3種類。
もちろん、ビールによく合う。
お茶をオーダーした女性陣もグラスをもらってビールに転向。
パジョン(海鮮ネギ入りお好み焼き)も、うまい。
メインの石焼きピビンパを徹底的にかき回して、ひとくち。
ああ、至福の瞬間。

昨日の教訓にもとづき、「少なめに注文して様子を見る」ことにしたので、
6人でピビンパを3人前、パジョンを1人前、コムタンを1人前という変則的なオーダーにも、
変な顔はしたけど、いやな顔はせずに、ピビンパにつくスープも6人分持ってきてくれました。
これがまた酒飲みの荒れた胃と肝臓を癒してくれる逸品。
コムタンはさらに滋味あふれる牛肉スープ。

かくして朝から「飲む」「食べる」全開の人々が、ついにソウルの街に解き放たれたのであった。
(われわれはグレムリンか?)


ロッテデパートでは開店前から玄関で人の群れ。
もちろん参入して覗いてみれば、店員さんたちが体操をしている!
つづいてロッテの社歌でしょうか、いかにものメロディーに「ロッテ、ロッテ」のリフレイン。
そしていよいよドアをオープンする瞬間には「アイーダ」の勇壮な旋律が流れる。
いあはや、面白すぎます。

もちろん、すぐに地下に行ってキムチ売り場にて店員さんの「味見して」攻撃をすすんで受ける。
キムチはどこでも売っているけど、ここなら比べられるし、
包装もしっかりしているのでいいのじゃあないかしら。

ここからは自由行動、各自分散して午後1時にホテルのロビーに集合することに。


かくして「謎のキム」はひとりで博物館からイサンドン方面へ。
果たして残りの面々は、どこへ?

1時ちょうどにロビーに着けば、大きな荷物をいくつも抱えた「もっちゃん」を発見。
「みんな、昨日のところでビールを飲んでるよー」
むむっ、やられた。
しかも2.5リットル入のピッチャーをもう傾けている。

「なんでもある市場」
(フツーは「ナンデムンシジャン」と発音するが、ボクラはグレムリンなので。
ちなみにもうひとつ「とんでもない市場」というのがあるらしい。
フツーの人は「トンデムンシジャン」と言うそうだ)は、
すっごかったそうで、
「でもわかんないから、あんまり買わなかったよ」
って、さっきのあの大きな袋はなんなんだ!

と、そこに「もっちゃん」がハングルのTシャツに着替えて登場。
1枚が10,000ウォンのところを、2枚で15,000ウォンに値切ったとか
(要するに750円ってことか)。
「でも、きっともっと安いところがあるよ」って感じらしい。
客引きに腕を引っ張られてそりゃあもう大変さー、と興奮ぎみに語る面々であった。


さらに烏骨鶏(うこっけい)のサムゲタンの店へ。
6人で3人前にして腹八分目に抑えておく。
これがまた超美味。
思わず無口になる。
蟹を食ってるみたいな雰囲気。
しかしまあ、骨の真っ黒なこと。

コンビニでビールを買い、同時に氷も買って冷やしておく作戦。
さすがアルコール隊長の「仙人」、絶好調。
会計をした「ハマキチ」が、割り勘の精算で見事に桁を間違える。
ひとり4,000ウォン(400円)ずつなのに、
「400ウォン(約40円)ずつねー」
って徴集しはじめた。
それにしたがって払う方も払う方だが。
いくらなんでもひとり40円でロング缶と真露の紙パックは買えんでしょうに。


地下鉄に乗って、伝統芸能を見に行きました。
ソウルノリマダンっていうところです。
地下鉄で30分、チャムシル駅から歩いて10分、湖のそば。
実はそれしかわかっていないので、またもや道を聞く。
その人がわからないと、別の人に尋ねてバトンタッチしてくれるんですね。
(ちなみに、要するにロッテワールドの裏です)
なお、入場無料です。

やっと着いたらふつうの格好のおじさんおばさんが踊っている盆踊りの現場だった。
かなり愕然として、とにかく円形野外劇場のガラガラのところ、むきだしのコンクリートに腰をおろした。
「ああ、こんなところにみんなを連れて来てしまったあ〜」
と落胆しつつも、とにもかくにもビールを飲みはじめる。
ちなみに、他の連中はすでに歩きながらビールを飲みはじめてました。
まったくWalking Drinkerなんて許されるのだろうか?

で、実はメインイベントはこれからだったのでした。
田植え歌に始まる農作業や子どもの遊びにまつわる(のだと思う)歌と踊り。
つづいて、ついにサムルノリ
これが楽しい。
客席のノリが違う。
しかも高いステージを椅子席から見上げるのではなくて、
地面で歌い踊るのを周りを囲んで見ている
ので、祭りに参加しているような気がしてくる。

そしてフィナーレは客が飛び入りしてみんなで踊り狂う。
そう、さっき見たのはこの状態だったのですね。
飛び入りとは言いつつ、ドラを持ってきてますから確信犯ですね。
2,3歳の子どもを無理矢理踊らせる若い母親もいます。
あ、ついに泣き出しました。
今度はわれわれのつまみである辛いコーンスナック(韓国のカラムーチョ?)を
隣の坊やが奪っていきました。
罪の意識はないようです。なにしろ、1歳3カ月(推定)です。
あわてて返そうとするお母さんを押しとどめて、もちろんあげましたとも。


さらに、いけすのヒラメとアナゴを
その場でさばいてもらって刺身にし
アラはメウンタンという辛い鍋にしてもらうという作戦に出撃。

ところがなかなか見つからない。
しかも、やっとたどりついた、それらしい地下への入り口は閉まっているのだ。
呆然と立ちすくむわれわれを手招きするおばさん。
ゼーンブがハングルなので皆目わからないが、唯一
「フェ(刺身)」
という風に聞こえた響きを頼りのつなについていく。

そして。
いるいる、水槽にヒラメやらアナゴやら。
ヒラメを持たせてもらったら、筋肉質なヤツだった。
ヒラメが35,000ウォン、アナゴが20,000ウォン。
刺身とメウンタン。
市場のなかのお座敷スペースで食べられるようだ。
よし、決めようと思ったらかんじんのアルコール隊長の「仙人」がいない。
なんとプロの血が本格的市場にうずいたらしく、途中でひっかかっている。
しかし買ったのは韓国演歌のカセットテープだった。

ほんでもって、大盛り上がり。
お店の人は一見無愛想なんだけど、話しはじめるとホスピタリティそのもの。
「マッコルリが飲みたかったなあー」(そのとき、隣の客が飲んでいた分で品切れだった)とつぶやくと
なんとわざわざ出かけて買ってきてくれた。
その隣の客とも仲良くなっちゃって
「また韓国に来て下さい」って言っていただきました。

ご年配で日本語が上手だったので、たぶん間違いなく日帝支配時代の辛い経験があったはずです。
でも、とっても歓待してくれました。

ここは観光客Welcomeの市場ではないようで、われわれはかなり奇異な目で見られました。
写真を撮ろうした「仙人」なんか激しく怒られてしまったほど。
でも、ここが
「韓国への本当の入り口」
なのではないでしょうか。


というわけで、カッコヨク決めてみました。
実は他にも、

高麗人参グッズ格安購入および「ハマキチ」がアジア的ずうずうしさに目覚める。
ついにやってきた屋台の楽園、ソウルの若者と共に飲む。
ホテルに帰っても裏の屋台でまた飲もうとする人々。
Roo'Raの最新CDを買って喜ぶキムと、誰もその演歌歌手を知らないことを知って落ち込む「仙人」。
地下鉄で必ず席を譲られるが必ず固辞する「仙人」は老人扱いされるのが嫌いらしい。

などなどがあるのに、もう時間がな〜い!
ソウル滞在はもう今日だけ。
でも、午後3時半まで遊べるのだ。

それでは、続きは東京から送りします!

バッハッハァ〜イ!


ソウル6人旅の顛末・目次

一気呵成の1日目

怒濤の2日目

大団円の3日目

登場人物について知りたければ

オールスターキャスト



Text & Photography by Takashi Kaneyama 1999