Bon Voyage! HOMEMOVIE REPORT > 2000年10月

「あの子を探して」

チャン・イーモウ(張芸謀)監督、ウェイ・ミンジ(魏敏芝)、チャン・ホエクー(張慧科)、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン、フォン・ユイイン、リー・ファンファン

★★★★☆

代用教員、といってもわかる人はどれくらいいるのだろう? 私の小さなころは、まだそういう言い方が残っていたのだが(ああ、もちろん日本のハナシだ)。

中国の小さな村で、まだ13歳くらいの少女が小学校の先生になるという事態を、なんの予備知識もなしに観てたしかなリアリティをもって受け入れられるということが、そのまま中国の現状を物語ってはいないだろうか?

出演者のほとんどが素人で、このストーリーもほぼ実話であるそうなのだが、そういうこととはまったく関係なく、実に自然な流れでこれが映画であることすら忘れてしまう。

とくに、いなくなってしまうワルガキの「あの子」が、とってもいい顔をしている。追いかける「先生」の必死なのにどこかおかしい行動がまた泣かせる。バスでのキセル失敗や、チョーク1本を大事に大事に使う、そうした小さなエピソードをはじめ、こんなに泣かせてどーしてくれるのだ。

ある意味、あざといぐらいに巧みなのだが、それがいやらしくないのはやはり子ども達のおかげだろう。

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Text by (C) Takashi Kaneyama 2000-2001