Bon Voyage! HOMEMOVIE REPORT > 2000年3月

「スリーピー・ホロウ」

ティム・バートン監督、ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、ミランダ・リチャードソン、マイケル・ガンボン、クリストファー・リー

★★★☆

異形の者の悲哀。ティム・バートンの世界へようこそ。

首のない騎士が大暴れし、ジョニー・デップは謎解きし、クリスティーナ・リッチの目は相変わらず異様に大きい。

荒涼とした画面の色合いとやけに白い俳優のメイクがあいまってなかなか無気味。

う〜ん、言うこと他にないのか? この映画、嫌いじゃないしむしろ好きだし面白かったんだけど、なんかコメントする気にさせてくれない。

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「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」

ダニエル・マイリックとエドゥアルド・サンチェスの共同監督、ヘザー・ドナヒュー、マイケル・C.ウィリアムズ、ジョショア・レナード

★★

そうか、こういう手があったのか。これならどんな下手なカメラワークも、肝心のところが映っていなくても、却って真実味が増すものなあ。

つまり、魔女伝説のある森で消息を絶った大学生たちの残したフィルムが発見されたという設定なのである。で、価値があるのはその設定だけ。ある意味、この稚拙さは貴重であって、今後もカルト的人気を博すだろう。

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「マグノリア」

ポール・トーマス・アンダーソン監督、ジェレミー・ブラックマン、トム・クルーズ、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H.メイシー、ジュリアン・ムーア、ジョン・C.ライリー、ジェイソン・ロバーズ、メローラ・ウォルターズ

★★★★

ジェレミー・ブラックマン (スタンリー・スペクター)クイズ番組のスター天才少年
マイケル・ボウエン (リック・スペクター)天才少年に寄生する父
トム・クルーズ (フランク・マッキー)女を落とす方法のカリスマ。番組プロデューサーの息子
メリンダ・ディロン (ローズ・ゲイター) 番組司会者の妻
フィリップ・ベイカー・ホール (ジミー・ゲイター)番組司会者
フィリップ・シーモア・ホフマン (フィル・パルマ) 看護士で、瀕死のプロデューサーを介護
ウィリアム・H.メイシー (ドニー・スミス)元天才少年
ジュリアン・ムーア (リンダ・パートリッジ)プロデューサーの若き妻
ジョン・C.ライリー (ジム・カーリング)誠実だが間抜けな警官。司会者の娘と恋に落ちる
ジェイソン・ロバーズ (アール・パートリッジ)クイズ番組のプロデューサーでいまや瀕死
メローラ・ウォルターズ(クローディア・ウィルソン・ゲイター)番組司会者の娘。コカインまみれ

という人々の人生が交錯して行くのだが、こんな複雑な人間関係を作りつつ、それぞれをキチンと描くのは立派。しかし、本当に大切なことはそこから先のことだ。いかにも病める現代アメリカを象徴するような展開から、信じられないようなものが天から降ってきて、それがまるで最後の審判のようにそれぞれの人生をあるいは罰し、あるいは祝福し、あるいは終わらせ、あるいは許し・・。

こういう不思議な、しかも爽快なカタルシスを感じさせる映画は初めてだ。泣けるわけでも元気になるわけでもないが、明日から人生に立ち向かう気持ちが少し変わる・・かもしれない。

ちなみにこの映画のサントラCDは絶品。監督も、エイミーの歌に惚れてこの映画を作ったらしい。

さらにちなみに、最後の妙チキリンな雨は、実例があるそうです。竜巻きかなんかで池や沼から吸い上げられちゃったんですかね。

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Text by (C) Takashi Kaneyama 2000-2001