Bon Voyage! HOME > PRIVATE DIARY > 1999年5月上旬

迷狂私酔の日々



5月1日(土・祝)

メーデーだ。しかしもはや完全に死語だな。そして私は今日も仕事だったりする。いやはや、こんなことは最近は珍しいんだが。んでもって、やっぱり現場ではとんでもない変更があったりして。ふう。実は、お台場方面はまったく初めてなのだが、すばやく帰ることにする。

しかし、ようやくPB G3でグレ電からの接続に成功する。なにしろ横着なので、電話ブースのなかで接続設定を書き込んでやったのであった。それくらい、作っておけよな>自分。まあ、ブースはガラガラだったので、ゆっくりやった。電話番号もDNSアドレスもユーザIDも暗記しているからやれることなんだが(←ちょっと自慢してる)。

ついでに作業環境も保存しようとして、自宅での環境設定を消してしまう。つまり、上書きしてしまったのだ。アホや。で、回復しようとしたが、AppleTalkやファイル共有はちゃんと接続していないとダメなのであった。ということで、帰ってから設定し直すことにした。

ところで話は変わるが、ヤマハのXGの音源は、歌詞を入れて設定すると歌を歌うのだ。ちゃんと人の声で。デモは「北酒場」だったが、細川たかしに聞こえたのだ。もちろん、女声にだって変えられる。問題は、XG音源での限定仕様だってことだな。で、ブレスコントロールと、XGのソフト音源を買うことを決意する。今持っているヤマハから出ているJAZZのMIDIがGM音源で聞くとまったくダメなのだ。なにしろ、ベースもギターもなぜかピアノ系の音色で再現されてしまうので、困っていたのだ。しかし、お金がないぞ。

PB G3を持ち歩くと激しく疲れるので、セルフの軽食でPBを広げる。日記を書くことにした。なにしろイベント中とは思えない人口密度の低さで余裕だな。とにかく、天気は抜群にいいぞ。わっはっは。ああ、しかし早く帰らねば。

雑用をこなし、某所にてノルマンディー帰りの方の写真を見せていただき、結局Jリーグは全然見なかった。京都、惜しかった。これで京都と山形が入れ替えになったらなんか変な気持ち。それより、両方ともJ2、って可能性もあるのか。

5月2日(日)

日記を思い出しながら書く。いやあ、溜めたなあ。

久しぶりに水道橋にて天皇賞の勝負。マチカネフクキタルとローゼンカバリーだと250倍は堅いぞ。ウフフ。

秋葉原では、海外からの通信用グッズを探す。電源アダプタ、モジュラージャックアダプタ(韓国の4ピン対応のみ。ほとんどはRJ11なのでいらないらしいが)、電圧トランス、モデムセーバー、中継コネクタ、巻き取り式モジュラー延長コード、モジュラーY型端子のアダプタ、ドライバーセットなど。

あとは、海外からFTPできるプロバイダとWEBスペースだけだ。たぶん、IBMのネットパスポートにするとは思うが、ここはCGIはカウンターも不可なんだよな。どこかから借りるか。しかも、月に3000円出さないとWEBスペースをくれないケチ。GEOCITIESでやる手かなあ。ASAHI-NETが2900円で150時間まで(!)という太っ腹なだけに、ダブルで払うのが悔しいなあ。とりあえず、韓国からは日本まで国際電話するか。その方が 3000円もかからないだろう。

しかし、午後の1時から5時半までほっつき歩いたのは、ほとんど関係ないところだった。6500円の時計を1000円で買ったりとか。いやね、アラーム付きでシンプルなアナログで時差もわかる腕時計が欲しかったもんで。さらに、中古CDとか、Adobe Publishing editionの値段比べとか、オーディオやOA用椅子や照明やヤマハのXGソフト音源や、いろいろ見ていたのであった。秋葉原は久しぶりだったので。いやあ疲れた。実は、またもやPB G3をかついでいたのだ。なんか苦行に近い。だって、今日もやっぱり使わなかったから。用事はほとんどPalm3で済むのに。そういえば、「こさぴーの秋葉G3マップ」がバージョンアップしてさらに使いやすくなった。これは秀逸。

で、予定に入れていた買い物も映画もやめてまっすぐ帰ったのが7時だった。どうも腰と足の裏が痛い。横になっても痛い。明日はマッサージにでも行くか。

あ、天皇賞はどうなったんだろう? 明日の朝刊が楽しみだ。

フィオレンティーナ対ペルージャ

ペルージャはオリーヴェとテデスコが出られないのが、なんとも辛い。フィオレンティーナは中盤のオリヴェイラ、ルイ・コスタが危険だ。トップのバティとエジムンドはもちろんとして。しかもホームで抜群に強いフィオとアウェイでいまだに勝てないペルージャということで、トトカルチョ的には、ほとんど確定みたいなもんだが。

ルイ・コスタの鋭い突破からのセンタリングをなんとか跳ね返してからのカウンター、中田からペトラッキへの素晴らしいタイミングのスルーパスだったが、トリチェッリに阻まれた。う〜ん、惜しい。基本的にはフィオに攻められては守り、跳ね返しては拾われ、シュートはかろうじて防ぐ、という苦しい展開。ああ、バティが抜け出したがマッザンティーニがいい飛び出しでナイスセーブ。

ペルージャもチャンスをつくるが、いまいち。ラパイッチのフリーキックからの流れでペトラッキがいいミドルを打つが。

バティのシュートはバー。さらに、厳しいマークをかいくぐってバティがあげたボールに対して、コロンネッロがオリヴェイラが倒すがノーファウル。しかし結局、ハインリヒに深くえぐられてバティに左足で決められる。さらにPKをいったんマッザンティーニがはじいたものの、ルイ・コスタが落ち着いて入れて2-0。

後半、中田が胸でトラップしてハーフボレーを反転して左足でシュートもはずれる。ラパイッチのフリーキックはいいバウンドだったがトルドがコーナーキックに逃れる。そこまではいいのだが、その次に大ピンチ。エジムンドと至近距離で1対1になってマッザンティーニが足でボールを奪ってクリア、さらにこぼれも拾われて今度はルイ・コスタに迫られるがなんとか止めて流れて遠くへ蹴り出す。このへんのゴール前ってのは、どうボールが転がるかに左右される運次第って感じ。いやはや。

やっとめぐってきたチャンス、中田のシュートはGK正面。こんなもんなのかなあ。フィオは、頑張ればチャンピオンズ・リーグという目標があるわけだし。サポーターは熱狂的で怖いくらいだし。選手は揃っているし。

ボスコフ監督がレッドカードで退場。直後のフリーキックからリーパのヘッドはバウンドしてバーの上。でもって、ルイ・コスタ、エジムンド、オリヴェイラがダイレクトでパスを回して最後はルイ・コスタがきれいなシュートを決めて3-0。実に気持ちのいい得点シーンではあった。実は、私はずっと腰が痛いので、もう寝ようかなと思ってしまった。だって、ペルージャにどうしても勝とうという気持ちが見えないんだもん。

え? なに? バティが一発レッドカードで退場? コロンネッロを振り切るときに肘打ちしたのが見事に顔に決まったみたいだ。これは痛い。たぶん、暴力行為を取られると少なくとも次節とその次は出場停止だろう。得点王争いもこれでまたわからなくなった。

フリーキックからのマトレカーノのシュートは枠の上。そうしたらエジムンドをエリア内で止めてPKを取られた。どっちかというと、エジムンドの転び上手というところか。審判はどうも性急な傾向があるようだ。で、エジムンドは余裕のハーフループみたいなシュートで4-0。

あれあれ。カヴィエデスが胸でトラップ、そのまま左足を振り抜いて1点を返す。DFに当たって方向が変わったみたいだが、技術の高さと勝負強さを見せた。ラパイッチが退いてフリーキックの担当は中田。ポジション争いのカヴィエデスとブッキ(ソリアーノに代わって投入)は若いだけに、とにかくアピールに必死。あれ、キックはストラーダ? どうして強引に自己主張しないのかなあ。とにかく、終盤になってペルージャが攻めてフィオが守ってカウンターという展開。このリードで1人足りないとすれば、まあ当然か。あ、審判がハンドを見のがした。この審判はイタリアのテレビでさんざん悪口言われるだろうな。ま、たしかにひどいが。

しかし、ゴール前での危険な予感という点ではフィオレンティーナの方が3枚以上は上手だな。スタジアムがホームで盛り上がるってのがあるにしても。と書いていたら、ロスタイムには自陣で奪われてエジムンドをフリーにしてしまって5点目。あ〜あ。ということで5-1で大敗。どうも肝心なところで耐えきれない。

つづくミラン対サンプは、ごめん、寝るわ。ちいと体が辛いので。では。

5月3日(月・祝)

なぜか早起き。どのくらい早起きかというと、買ったばかりの時計にセットしたアラームが7時に鳴るはるか前。でもって、やっととりかかるWEBの更新。すみません、遅くなりました。とりあえずこのdiaryとmovie、それに世界ユース決勝の観戦記。

お、朝刊だ。天皇賞でローゼンカバリーは6着、マチカネフクキタルは7着。スペシャルウィークとメジロブライトか。4.1倍なんて買えないよな。

あ、そうだった。fuminaにニュースがあったのだ。

5月4日(火・法定休日)

昨日ずーっと休んでいたのに、却って風邪が悪化したらしく、のどがむちゃくちゃ痛い。相変わらず背中も腰も痛い。かといって、休日診療に行く程でもない。どうしたのかな? 変な姿勢で(寝転がってひじまくらのまま)PB G3に向かって作業していたのが悪いのだろうか? 早起きし過ぎて、窓を開けたまま昼寝したのがよくなかったのだろうか?

予報が雨だったので自重していたら、なかなか降らない。日中はネットサーフィンしていて、やっぱり小降りのままなので6時過ぎに買い物に出かけた。自転車はやめてバスにするところが大人の慎重さというものである。しかし、その私の目の前をすーっとバスが通過していった。走って追いつく距離ではない。だいたい、バス通りに出てもいないのだ。ようやくバス停に着いて時刻表を見る。さて、今日は祭日なんだろうか? たぶんそうだろう。で、日祭日の時刻表は逆側なので車道に降りないと見られない。こんな狭い道では傘をさしては車の邪魔だろうと、わざわざ傘を閉じて時刻表を見に降りるあたりが、大人の分別というものである。どれどれ? あれ? どれだ? なんと、「回数券はたつみやで発売しています」という紙が邪魔で時刻がわからない。正確に言うと、分はあるが、時の方が見えない。しょうがないので、最終はだいたい21時台だから、と数えて確かめた。なんてバス会社だ。たつみやは、とっくに某チェーン店に代わり、そのチェーン店も撤退していまは動物病院に改装中なのだ。値上げのときにはすばやく張り替えるのに。だいたいだな、路線がふたつしかないのに、なんで時刻表が表裏になるんだ。平日と土曜日と日祭日で計6枚だろう。要領よくやれば表側だけにちゃんとおさまるだろうが!

いかん、いかん、いい大人ともあろうものが興奮してしまった。とりあえず、ほどなくやってきたガラガラのバスに乗り、運転手に怒りをぶつけることもなく、しかし、今度は写真を撮って投書してやろうと心に誓ってやがて駅についた。

そして買い物を済ませ、ついでに史奈のCDを探し、スーパーで牛乳やらお肉やらキウィやらを買って帰る、そんな平和な夕方になるはずであった。ああ、しかし運命はこんな温和な私のささやかな幸せを翻弄するのである。

買い物はなんということはなかった。店員が「ウェストは大丈夫ですか?」と2回も繰り返したのが気にはなったが。本人がOKなんだからいいのだ。私だって気にしているんだから。少なくとも、現在の状態よりも太ることはない、という予測(あるいは希望または決意もしかしたら幻想)のもとに判断しているのだ。決して、過去の事例から「そんなはずはない」などとあからさまに言ってはいけない。こういう余裕のある判断力、異なる意見も視野に入れる懐の深さ(不可さではない)こそ、大人のものである

史奈のシングルCDは、もはや私の持っていないものが少なくなったこともあって、掘り出し物はなかった。単に、1週間前にも来たばっかりだ、ということもあるが。ここで、さらにいろいろなジャンルを探し回るのはエネルギーのあり余る若者のやることだ。大人は、目的を果たしたら静かに去るのみ。決して、「もう疲れたんだろう」とか「荷物が重いんだろう」とか言ってはいけない。

スーパーに行く前に、バス停の時間を確かめておくのが大人の計画性というものである。なにしろ、1時間に3本だったり、平日の5時にはもう終わってしまったりする路線なのだ。今はまだ7時25分か。なら、8時13分と33分があるな。

地下に向かう前に、そうだ、都美術館のワシントン・ナショナル・ギャラリー展の前売券を買っておこう。事前の準備こそ大人の心得。と、カウンターを見れば「キリンカップ日本代表対ベルギー代表S席2枚あります」という掲示。そうだ、買い忘れていたのだ、これを。それにしてもこんなところでねえ。金券ショップじゃないのだから当然、定価の6000円、2枚セットが条件なので12000円。

魅入られたように私はいつのまにかチケット2枚を握りしめていた。実は前から2列目という、私にとってはあまりいい席ではないのだが、たまにはフィールドの音とか匂いとかを味わうのもいいだろう。う〜ん、と陶然として私は気づいた。この日って平日だよね? 会社から千駄ヶ谷の国立競技場までは1時間半はかかる。最短時間で行くためには1時間に3本しかない特急をつかまえないといけない。果たして私はこの日、早退できるのだろうか?

地下ではなんということもなく、例によって「30%引き」「店長おすすめ」「2個で100円」というものばっかり買った。なお、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展の前売券は売り切れていた。私よりも目端の利く人間が多いのだ。人は、損得だけで動くものではない。大人(ここは、「たいじん」と訓んでいただきたい。なお「訓む」は「よむ」という読みですからね。ああ、ややこしい。いや待て、「たいじん」は音読みだから「訓む」を当てるのはおかしいか。でも、いったん書いたのを消すのはもったいないしな。いいことにしよっと)の悟りというものは、数百円くらいでは動じないのだ「それにしては、十数円の違いにこだわって買い物しているではないか」という指摘は却下。

休日というのにがら空きのレジを通過しながら日本の景気の行方を案じるのが大人の大局観というものである。私ひとりの利のみ求めず、公共の益を大切にしてこそ、社会の構成員たる資格を得る。さあ、ちょうど8時5分だ。外では雨が少しずつ強くなっていた。バスが来るまで、ワイン売り場でも冷やかしてみようかと思ったのが、誤算のはじまりだった。

気づいたのは8時12分だった。慌ててバス停に行く。このバス停に止まるのは私の乗る1路線しかない。しかも、始発である駅からひとつ目(実は歩いても5分はかからない)なので、ほとんどバスは遅れないのだ。しかし、しかし、バスは来ない。雨は降る。ああ、きっと時間よりも早く着いたバスを逃したんだ。発時刻を5分過ぎた時点でそう判断した私は駅まで歩き出した。どうせ次のバスに乗るなら始発の方が座れるし、なにしろ駅前のバス停には屋根がある。なんで最初から駅前のバス停に行かないかというと、荷物が重いからだ。このへんの手順ができているのが大人の知恵というものである。

そうして1分ほど歩いていく私の横を、見慣れたバスが通り過ぎていった。なんということか、単にバスは遅れていただけだったのだ。ときに人間の知恵を上回る試練を神はお与えになる。ふたつの大きな荷物を持ち、傘をさす私を次に襲った悪魔の手とは、台風なみの突風とそれにあおられた雨だった。水滴が真横から、あるいは下から刺すように襲いかかってくる。砂漠を行くモーセか、アルプスを象と越えたハンニバルか、はたまたダンケルクから撤退する英軍か。艱難辛苦を耐え忍び、ひたすら足を交互に前に運ぶことを繰り返す。

とにかく駅前のバス停に着き、風に耐え、雨に耐え、女子高生の会話に耳をすまし(だって、すんごい大声なんだもん)、またもや遅れたバスにイの一番に乗り込み(そりゃそうだ)、無事に帰還したときにはユーゴで捕虜になった米兵の気持ちを思い遣ったものだ。こういうグローバルな感覚こそ、現代人に必要なのだ

なお、「結局はもっと早くでかけていればよかったんじゃん」という意見はあまりにも妥当なので却下。人間がいつも最善の判断を下す動物ではない、という事実を直視しなければならない。ところで、「要するに自分のドジを美辞麗句で飾っただけではないか」という異議は、その通りだが認めるとアホみたいなので却下。「あまりにもつまらない日だったのをどうしてこんなに引き延ばせるのか?」という賛辞(惨事ではない。ましてや産児とか撒痔とか蚕爺ではない)については、きちんと聞く耳を持っているので、メールを送られたい。ただし、その創作の秘密は明かせないのであしからず。

5月5日(水・祝) その1

なぜかまたも早起き。6時前には起きて朝刊を待っていたりして。メールチェックとネットサーフィン。例のトラックパッドに触っちゃう問題に関して、PadOffを使わずに、コンパネのトラックパッド設定でクリックをオフにしちゃう方法もあるらしい。これだと、カーソルは動かせるのでウィンドウの移動や拡大はそのままキーを押すことなくできてしまう。いまこれをそうやって書いているのだが、いまのところ誤入力はない。これなら、ずっとこれでもいいのじゃないか? 本当はトラックパッド設定を開きっ放しにするとかエイリアスをポップアップウィンドウにしておくとかするらしいが。

何もすることがないわけではないが、ぼーっとする幸せ。今日はよく晴れそうだし、出かけるか。とりあえず、このdiaryだけでも更新しておこう。

5月5日(水・祝) その2

陽射しの強いことよ。というわけで、久しぶりの国立。すっご〜い人、人、人。で、なんと席を間違えちゃった。赤面。でも、あれは間違える可能性高いよなあ、負け惜しみにしか聞こえないけど。

鹿島磐田。間違いなく現在の日本サッカーの頂点を争う2強だろう。連敗で必死の形相の鹿島に対し、イランでアウェイながらアジアナンバー1を獲得して帰ってきた磐田。試合前、妙に鹿島の応援団が静かで「抗議の応援自粛か?」と勘ぐったが、スターター発表のころからテンションが上がって雰囲気が盛り上がった。よしよし。磐田サポは「We are Asian Champions.」と見せびらかして鹿島を挑発しておった。まあ、鹿島は国立で全南に完敗してのアジアのカップウィナーの3位だから、悔しいわな。

試合は凄かった。例によって私はどっちつかずの応援だったが、「青と赤の対決」だと、本能的に青を応援しちゃうんだよね。フランスとかイタリアとかさ。それにしても鹿島の気迫はすごかった。中盤の速く厳しいチェックで磐田得意の素早いパス回しを分断し、面白いようにボールを奪ってはゴールを攻め立てる。私は、ずーっと鹿島の中盤が間延びする傾向が気になっていたのだが、今日はバックラインを大胆に上げ、中山や高原の飛び出しを封じてしかもパスの出所も執拗な追い回しで自由にさせない。

磐田は、とくにマンマークをつけずにいつものようにマークを受け渡し。福西って、意外に(といったら失礼か)ボールタッチが柔らかくてうまい。けっこう視野も広いし、これで正確なロングパスやサイドチェンジがあればいいボランチだ。さらに名波、奥、藤田も精力的な守備で対抗する。

疲れを考えて省エネ気味の磐田に対し、明らかに顔色が変わっている鹿島の方が圧倒的にチャンスが多い。なんど悲鳴とため息が交錯したことか。GK大神の早い飛び出しやらクロスバーやらシュートミスに助けられたものの、阿部のクロスに後方から斜めに飛び込んできた小笠原のヘディングがついにネットを揺らした。

後半に入っても鹿島の優勢は変わらない。しかし、なぜか追加点が入らない。それは鹿島の決定力の不足というよりは、磐田が四面楚歌の地で体得した「耐える力」のような感じがした。まるで見えないバリアーのように、ボールはゴールからはじき返されていく。

結局、後半39分に名波のこれしかないというフリーキックが右上隅に決まって同点。そのフリーキックを獲得したファウルは、この試合で初めてといっていい磐田らしい鮮やかなパス交換からだった。ここまでの鹿島の集中力とスタミナは素晴らしかったが、わずかな隙を衝いた磐田の突破力もすごみがあった。

延長に入っても、鹿島の勢いは減速しない。勝ち点3を逃してもなお、あくなき勝利への執着。私は、どこかで見たようなデジャヴュに襲われ、すぐに思い出した。1986年メキシコのワールドカップ、準々決勝のフランス対ブラジルの延長戦だ。どうしようもなく疲れているはずなのに、全身全霊でゴールに向かってボールを鮮やかに運び、ぎりぎりのところでディフェンスが跳ね返し、逆に攻め込んでいく繰り返し。

こういう試合というのは、勝負は神さまのさじ加減でしかない。最後は服部のクロスをせりかった中山が落として藤田がGK高桑の眼前でボールをゴールに押し込んで終わったが、私にとっては勝ち負けよりも大切な何かの存在をかいま見ることができた貴重な体験だった。

5万1千人を越える有料入場者数。3連敗でもなお、選手を鼓舞した鹿島のサポーターたち。おそらく、試合内容は今シーズンのJリーグでも随一だろうし、日本サッカーにとっても歴史的名試合のひとつに数えられるのではないだろうか。

最後に高桑へ。あやまることはない。胸を張って、素晴らしいゲームを自分の誇りにしよう。でも、キックはもっと練習しような。本当の自信は練習と経験によって作られる。さあ、また頑張ろうぜ。

5月6日(木)

会社に行って、手帳(えー、紙のヤツね)を忘れたことに気づいた。実は、まだスケジュール管理はPalm3に移行していない上に、頻繁に連絡する人は名刺を手帳にはさんでいるという原始的なシステムなので、まったく身動きが取れない。とりあえず、アポは何にもなかったはずなんだが。ああ、困った。どうしようもないから早く帰るか。

ところでJ2は意外なことに新潟とか大分とか大宮が飛び出して大混戦。札幌もフロンターレ川崎も出遅れ、かろうじてFC東京が追い上げて首位に踊りだし、わが山形は4位で虎視眈々。3強(一般的見解)とか4強(私的見解)どころではない。ちなみに、大分の監督は昨シーズンまで山形の監督だった石崎さんである。しかしだな、こうしてチーム名をあげるだけで実にいいよねえ。北海道から九州まで、あなたの近所やら出身地やらおばあちゃんの里とか大学時代を過ごしたところとか、どこかにゆかりのチームがあるでしょ? あとは四国とか金沢とか鳥取とか沖縄にできると楽しいなあ。選手は大変だけど。問題は東京だな。ここは「東京」じゃなくて「浅草」とか「渋谷」とか「杉並」とか「多摩」とか、もっと身近なエリアにしてくれるとさらにいいんだけど。

5月7日(金)

やっと「シン・レッド・ライン」を観た。いくら平日とはいえ、各列に数人しかいないガラガラというのが悲しい。しかし、そんな状態なのに、わざわざ私の目の前を5回も横切ったバカがいる。上映後に入って、中央の席に行くのはいいとしよう。それから、彼はトイレなのか電話なのか2往復もしたのだ。そういうことなら席を移れよな、こんだけ空いているのに。ただでさえ哲学的セリフと凝った映像に神経を集中しているのに、5回も中断させられたらたまったもんじゃない。

5月8日(土)

お買い物の点検日。けっこうシビアに迫る。が、けっこう笑えるくらい商売がアホだったりする。こんなんで乗せられるヒトが果たしているのだろうか?

Jリーグでは磐田と浦和が3-2の乱戦。最後は奥のすばらしいループ気味のミドルで磐田が勝利。派手ではあったが、中山がはずし続けたのが気になる。鹿島は富山で福岡と。もちろん、みんなが待っている富山のヒーロー柳沢のゴールは最後の最後に決まってひと安心。横浜と市原、城と川口が負傷欠場したためにユ・サンチョルのワントップで臨んだ横浜が圧勝。

しかし、そんなことより女子バスケットで日本が台湾に逆転で勝ってシドニーまであと1勝にこぎつけた。そして、ラグビーのパシフィックリム選手権では日本がトンガに予想外の大勝利。快勝とか完勝とは言いにくいが。それにしても広瀬のキックはもはや人間技ではない。さすがに自分のトライ後のゴールは息が上がったのかはずしたが(それでもポストに当てた)、得点のほとんどは広瀬のキックで、完全にゲームを支配した。トンガはラックでオーバーザトップを繰り返し取られてはPGを決められ、点を離されてからはラフプレーと単調な突進で自滅した。トライも「ハンドオフでなくてパンチだった」というラインジャッジの指摘で取り消しになってしまうほど。もしも主審があれほど厳格にトンガの反則を取らなかったら、あのモールの迫力、ボールハンドリングの巧みさ、強烈なハンドオフと突進を日本は止められずに惨敗したのではなかったか。

さて、これでSOは広瀬で決まりなのだろうが、私は岩渕のトリッキーなチャンスメイクも観てみたい。

5月9日(日)

日本対韓国、女子バスケットの決勝で勝った方がシドニー・オリンピック行き。一時は16ポイント差だったが、終盤残り2分余には逆転に成功する。

バスケットは比較的実力が点差に反映するスポーツとはいえ、このレベルではもはや執念とか精神力が支配する。ああ、それにしても惜しかった。スリーポイントがリングをはじく。守備がファウルをとられる。運とかツキを呼び込むのも力のうちか。結局3点差で敗北、2位。シドニーは遠く消えた。呆然とする日本、泣いて喜ぶ韓国。勝負は残酷に見えるが、人生はもっと残酷だからなあ。

ユヴェントス対ミラン。前半、ユーヴェが攻め込む。ジダンはいないが、コンテ、ディ・リーヴィオ、アンリらがなかなかよい。いい試合なのだが、睡魔との妥協の末、仮眠に入ったのであった。

ペルージャ対バーリ。勝った方はセリエA残留がほぼ確定するだけに、真剣な試合になる、はずが・・・。いや、ホームのペルージャは攻めても単調で得点の予感がなく、アウェイのバーリは守って守ってカウンターにかける。中田もいいシュートを再三放つのだが。どうしてこうなるのかなあ。一瞬の隙に決められた1点をはねかえせずにホームで敗北。次はアウェイでウディネーゼ、最終戦はホームだが相手は優勝がかかったミラン。

えへん。実はほとんど半分は眠っていたのでよく観てません。すまんこってす。で、ミランもラツィオも勝ったので、このまま最終戦までスクデット争いがもつれこむのは必至。残る2試合、ラツィオの相手はホームで負けていないフィオレンティーナと、チャンピオンズリーグへの切符をかけるパルマ。ミランはB落ち確定のエンポリと残留瀬戸際のペルージャ。ペルージャのガウチ会長はロマニスタであるだけに、ラツィオを優勝させたくない一心でミランを勝たせるのではないかとの風説もあったが、さすがにAとBとでは経営からいってもダメージが大きく、なんかものすごい一戦になるだろう。

さて、それで私の大問題とは、そんな大決戦、セリエA最終戦の5月23日(日)をソウルで迎えるということである。

5月10日(月)

昨日の結婚披露宴では、なんとサンバやら梅津和時というびっくりがあったそうだ。<戎>のたくちゃんとジコチューH田と共演したとはまたうらやましい。


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