画材とCG
一度も絵を描いた事が無い人は多分居ないと思います。 こういう画材を使って普通に絵を描く方法は(上手い下手は別にして)誰でも知っています。
パステルや油彩など慣れないと使うのが難しい画材もありますがどうやって絵を描けば良いかは大体分かるでしょう。
これらの現実の画材をコンピュータに置き換えたのがCG(コンピュータ・グラフィックス)です。
例えばこの写真を元にカッコイイ車を描こうとした場合 紙と絵の具でどうやって描けば良いのか分からない人はまず居ないでしょう。
これはペインターと言うCG作成用としては有名なソフトです。 画材で描くのと同じ感覚、同じ手法で絵を描くことが出来、画材シミュレータとも呼ばれています。
同種のソフトにはPhotoShop、PaintShop、GIMP、PIXIAなど多くのソフトがあります。 WindowsにもPaintと言う簡易ツールが入っています。 ※簡易ツールなので出来ることは限られていますが基本は同じです。
道具がコンピュータに変わっただけで、手法は絵の具で描く場合と何ら変わりません。 色の変更や合成が簡単に出来たり特殊な効果が簡単に付けられたりしますが、
コンピューターで絵を描くのであって、コンピュータが絵を描くのではないので 絵の下手な人がCGなら奇麗な絵が描けたりは…しません。
3DCGのアプローチ
普通は上記のように絵を描きますが、3DCGのアプローチはこれとは全く異なります。
3DCGの3Dは3-Dimension(3次元)を現しています。 3DCG的なアプローチは手順がジオラマ撮影に似ています。
まず、模型を作ります。 完成品のミニカーを買ってきても良いですし全てを手作りでも構いません。
色を塗ったりシールを貼ったりして一生懸命作ります。 出来るだけ本物っぽく見えるように詳細に緻密に丁寧に。
そして出来上がった模型をカメラで撮影します。
3DCGでは従来の絵を描く手法の延長のCGとは作成方法が全く異なります。 何でわざわざ模型…と思うかもしれませんが絵を描くよりは手軽に立体的に見えます。 あらゆる角度から撮影が出来ます。 一度作れば何度も使いまわしが出来ます。 ちょっとずつ構図を変えて撮影した画像をつなぎ合わせるとアニメーションが作れます。
方法論が違うので3DCGソフトは先に挙げたペインター等のCGソフトとは全く違う構成になっています。 ペインター等のCGソフトとは見た目も操作方法も異なります。 お絵かきと言うよりは製図用のCADソフトに近い構成になっています。
絵を描く画材と模型作りの道具が同じ訳は無いので似ていなくて当たり前です。 ※模型に色を塗る塗料は画材と似たようなものです。 3DCGでも色や模様を付ける部分はペインター等のCGソフトと似ています。 また、模型に貼るシールのような物はペインター等のCGソフトで作成します。
3次元データを元にコンピュータが絵を描くので比較的容易に綺麗な画像を得ることが出来ます。
※3DCGを説明するのにピッタリの表現が無くてプラモデル製作に似ているとかジオラマのようだとか色々な言い方をします。
※シャッターさえ押せれば誰でも写真家になれる訳では無いように、3DCGなら誰でも凄い作品が作れるという訳ではありません。
絵が下手でもある程度は大丈夫
3DCGでは形状を捉えて再現する事が出来れば形状は作れます。
工業製品では現物があれば寸法を測れば形状を知る事は出来ますので、 現物ソックリの形状を作る事は比較的容易に出来ます。
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ドールハウスの小物を再現。
小物の場合、定規で寸法を計るのが簡単なので再現も容易です。 |
図面があれば図面を元に形状を起こす事も出来ます。
図面を読むのにある程度の慣れが必要ですが、プラモデル等で図面と現物の両方がある場合にはより簡単です。
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こういう事は絵の上手い下手とは関係なく出来ます。 |
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原型の無いキャラクタや人物の場合は工業製品ほど簡単ではないですが
六角大王Superなどの人物作成をサポートする機能があるソフトでは大まかな外形やポーズ付けはソフトがサポートしてくれますので、バランスさえ気をつければ絵が下手でもソコソコの事は出来ます。
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