Earth ◆ 宇宙人は友達か? ◆



地球外生命体はいるか? ────→  Yes, 沢山いるだろう
・その生命体と友達になれるか? ─→  No, ムリムリ   



生命とは、生き続け、増殖するものだ、 と初めの方で書きました。この定義は簡単なので、これくらいのことは いろんな星のいろんな環境で起こっていてもおかしくないと思います。 あちこちで起こっているでしょう。
それが起これば、続いてゆくものの中から変異が起き、変異の中で 競争・淘汰があって、より続きやすいものが残って行くでしょう。 これは進化のプロセスそのものですね。つまり、進化は地球だけでなく、 宇宙レベルで適用できる現象だということです。

ただし、「いろんな星のいろんな環境で」というところが曲者です。 地球では、水があり、大気があり、…などなどこの地球に特有の環境で 生物が発生し進化したわけですが、進化は、高温の溶岩の中でも、 低温のアンモニアの氷の中でも、希薄なガスの中でも起こり得ます。 そういうところでも生命は生まれ得るのです。
生命には様々な形が可能で、それは(地球上の生命しか見たことのない) 人類にとっては、予想もつかない「さま」をしているでしょう。 生命体を構成する組成、物理スケール、時間スケール、圧力や温度や密度、 パラメータは沢山あって、それらがすべて人類と同じか近いものなんて、 まれもまれ、ほとんどは全く違う条件のものでしょう。

何かの偶然で、人類が地球外生命体と出会ったとしても、そんな生物と いったいどうやって意思疎通すれば いいのでしょうか? まずそれが生物であると気付くことさえ少ないでしょう。
人間と鯨でさえ意思疎通できないというのに、人間←→サボテンよりも 遠く離れた生物、別の星で進化した、全く関連のない生物とどうやって 共通の話題を見つけるのでしょうか?( SF だと、向こうから超技術 テレパシーで話しかけてくることになっている。:-P)

スターウォーズやスタートレックのように、異星人と同じ空間に立って、 握手をかわし、音声で語り合い、共通の敵に立ち向かうなんてことは、 非現実的に思えます。



しかしそれでも「火星に生物はいるのか?」という話題はわくわくします。 お金が集まってロケットが飛んだりします。それはなぜでしょうか?
「人類は、宇宙にひとりぼっちじゃないのよ、素敵でしょ!」 そう思い描くと目頭が熱くなります。なぜでしょうか?

それは人間の心の問題と思います。 人間は、未踏の地域を旅してフロンティアを開拓することに惹かれるように できていて、そこに行けば問題が解決する、という可能性に期待して しまうようです。 (同時に恐怖も脳裏をよぎるが、期待が勝ります。) その理由は、僕たち自身が、そういうやり方で新しい土地に進出し、 適応して繁栄してきた生物(つまり人類)の子孫だからです。
月が夜空に輝いていれば行ってみたくなる。ものすごい努力をして行った。 何もなかった。
火星という場所に気がつけばそこに行ってみたくなる。今度こそ。 そこには友達がいて楽しく語り合え、人口問題 や食料問題やエネルギー問題が解決されるかも、ということを夢想してしまう のでしょう。 (宇宙人頼みの最たるものが、ウルトラマン。:-D)

「火星に生物発見!」というニュースがもし流れたとしたら「おぉ我が同胞よ そこにもいたか!」という響きを感じませんか? でも全然違う生物 なんですよ。
寂しいことや人口問題は人類自身の問題で、外に期待したって解決しないもの なのに。議論のすり替え、責任転換、他力本願ですね。

もしも、火星に生物が見つかったらどうするつもりなのでしょう? これはとても興味があります。
貴重な生物保護のため立ち入り禁止にして、何百年も進化をじっと見守る でしょうか? 食べられるものなら食べてみるでしょうか? 宇宙動物園を作って観光資源とするでしょうか? 人間を襲うようなら皆殺しにするでしょうか? (地球の生物を殺し絶滅させることは間接的に人間に悪影響が及びそうだけど、 火星生物なら関係無いから殺したって平気。)
いずれにしろ、結局は人間のために利用する方向にしか行かない と思うのです。


1998/07/14 T.Minewaki
2003/11/05 last modified T.Minewaki

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