■  ◆ 生命のはなし (1) ◆

あたたかいご飯の上にカツオブシをパラパラと落すと、 カツオブシが身悶えするかのようにウゴウゴと動きます。
「おぉー 生きてる、生きてる。」
などと思ってしまいますが、そんなことはありません。

僕らは みんな生きています。 ミミズだって オケラだって アメンボだって みんなみんな生きてます。 ゾウリムシだって ダンゴムシだって 乳酸菌だって 納豆菌だって 生きています。



「生きている」とは?

このように、私たちは普通、直観的にその物の 生/死 を判断できますが、 「生きている」とはいったいなんでしょう? つまり、次のことに答えて下さい。

  ・あるものを「生きている」と判断するための最低の条件
  ・「生き物」がする最低限のこと

単純で明解な定義、となると結構難しいものです。
でも、「生きること」は、もともとはとても単純なものです。
結局のところ、次のようなものだと僕は思います。

  ・生き続けるもの ( 状態を保つもの )
  ・増殖するもの ( 自分のコピーを作るもの )

生きるとは何か、という質問に「生き続ける」という答えはパラドクスです。 でも、地球上で、どういうきっかけで「命のタネ」ができたかは、はるか昔の ことなので良くわからない、ということで後回しにします。

大事なことは、「続いていくこと」です。自分が死ぬ前に、コピーを作って、 世代が1つ進んだ時に、だいたい前と同じ状態にあることです。

とにかく、そのできてしまった「命のタネ」は、生き続け、コピーを作ることが できました。そのあとは、「2001 年宇宙の旅」で骨から宇宙船まで ワンカットで進むように、もう一直線です。 コピーを繰り返してきただけで、現在のように生命に満ち溢れた世界に なってしまったわけです。


1993/05/24 T.Minewaki
2000/02/27 last modified T.Minewaki

2: 人間は機械だ!
生命のよもやま話
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