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クローン研究は何を目指すのか
〜最先端の研究者・若山輝彦〜


NHK 教育TV ETV2003 2003/03/24(月) 22:00-22:45 放映

 再生医学の最先端、クローン研究で世界が注目する新進気鋭の 日本人学者がいる。
 若山照彦、35歳。去年秋、6年間のアメリカでの研究生活を経て帰国。 世界最大級の再生医学の拠点として日本政府が70億円を投じて設立した 理化学研究所・発生再生科学総合研究センターに迎えられた。 国内外の著名な学者240人が集まる同センターのチームリーダーを務める。… ( 番組HPより)

ここから MINEW のコメント:

昨年末から今年にかけて 「クローン人間誕生!」 (ただし未確認)のニュースがあり、先々週は渋谷の駅前で 宗教団体ラエリアンの「クローン人間に Yes!」キャンペーンに遭遇しました。 クローン人間を現実のものとして考えざるを得ないこのごろ、 実に興味深い番組でした。

世界で初めてマウスのクローン作成に成功し、その後も積極的に クローンマウス作成に取り組む若山氏の語る言葉は、経験を重ねた者の 説得力をもって響きます。

「クローンマウスの誕生成功率は作成胚のうち2%にすぎない」
「誕生してもマウスに奇形が多い、原因は不明」

この2つの実験的事実は、クローン技術がいかに未熟なものであるか ということを示しています。 このことから推測すれば、クローン人間が誕生したとしても おそらく異常を持った個体であるだろうこと、1人の誕生の陰に 誕生しなかったクローン人間胚が多数存在するだろうことが伺われます。
それでも、クローン人間を望んだ親は納得し満足しているのでしょうか?
クローン人間の作成者は、それが本当にクローンであるかどうかと共に、 その作成過程がどのようなものであったのか、成長に伴ってどういう障害が 起きたかを明らかにする説明義務があるのではないでしょうか。 誕生したかどうかそのものよりも、その前後過程について良く考えれば、 倫理的に見過ごすことのできないポイントが多数存在するような気がします。

クローン人間?
米科学者グループ、クローンの問題点を指摘 / Yahoo! News 2001/03/26
クローン人間作り 信者使い米で開始 / 新聞記事 2000/09/22
2003/02/24 T.Minewaki

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