桜の咲き乱れる中で春のセミナー
討論会の様子
地方自治に関する討論会
桜が満開に開いた4月8-9日、協会の年次会員総会兼春のセミナー「ホイスコーレ宗像」が福岡県宗像市の正助ふるさと村で行われました。

最初の討論会「地方自治と住民参加(地域づくり、教育、環境問題等をめぐって)」では、武富泰毅さん(佐賀市議)、武本久美子さん(福岡フリースクール研究会)、砂川次郎さん(滋賀県志賀町議)、駄田井正さん(久留米大学経済学部長)の提言をいただき、そのあとみなで話をするというスタイルで進みました。みなさん会員でもあります。

武富さんは、佐賀という保守的な地でもそれなりに真剣に問題を考えている首長や議員、行政マンはおり、その人たちと共同でユニークな試みはできることを報告し、武本さんは産業廃棄物問題から市政に関心をもつようになり、市民派議員の辻本さんと共同していろいろ取り組んでいること、砂川さんは、滋賀町議会の保守性、一人でもゲリラ的に議員になり、あるいは住民監査請求などの行動をすることの必要性、そして駄田井さんは、みずいろの自転車の例などを挙げて、合理性で政策を立てることにより、具体的な解決法が見つかることなどをお話しました。

協会の会合にかかせないコーヒーと紅茶、そしてケーキの時間を経て、討論の時間に移りました。

発言中にもいろいろ多方面から質問が出て、あっち飛びこっちとびの内容になり、まとまりようがなかったのですが、内容はともあれ、誰もが気兼ねせずに自由に自分の意見をいえるという意味では、ホイスコーレのゼミの雰囲気ではありました。市民の会合でもふつうは遠慮や気兼ねがあって、発言者は決まってしまいがちですが、協会の会合ではそういうものがなく、その意味では初めて参加された人はめんくらったことでしょう。

成果としては、普通の人が議員になることは時代の要請でもあり求められていること、審議会やさまざまな公聴会あるいは政策の提起など、地方自治にかかわることはそんなにむずかしいものではなく、わりと自分でもできそうかなと思えたことではないでしょうか。
夕食をみなで語り合いながら
夕食はみなですき焼きをつつきますが、ここでお酒も入り、すでに多くは交流会モードに突入。宴会気分のみんなを無理やり追い立てて、李さんのコンサートに移ります。

李陽雨さんは、やさしい自作の詩とメロディーで、在日としての自分の思いや親の気持ち、先祖の地(李さんは韓国をこのように呼ぶ)の自然やそれに寄せる思いを歌います。風邪を二度ひいたとかで、いつもよりは声にかすれがありましたが、伸びやかな歌声はさすがで、あたたかでじんわりくるその唄に、参加者の眼に涙も浮かびました。最後はアカペラで「ヨイトマケの唄」。何ともいえない感動で終りました。

その後はいつもの交流会。頼んでいた酒屋が配達を忘れるというドジで、時間に間に合わないとハラハラしましたが、李さんのコンサートが長引いたせいで、何とかつきました。熱唱を終えてホッとした李さんなのに、私は時間を引き伸ばすためにアンコールを要求。でもおかげで「私の子どもたちに」が聴けたのはよかったかも。

品のないというか、問題発言や素顔丸出しの九州の交流会ですので、東京からわざわざ来られた坂本卓二さんはちょっとびっくりされたかもしれませんね。でもグルントヴィ協会のセミナーといえば、このクレイジーな雰囲気が売りになってます。それはわいわいがやがやの討論会も同じですね。今年は若い人の参加が多いということで、いつもになく中高年のおじさんたちはよろこんでいました。
さわやかに熱唱する李さん
翌朝は、9時半より会員総会。話すことがありすぎて、時間が足りませんでした。2000年は、唐津ホイスコーレ、清和セミナー、そして来年のProject2001と大きな企画があります。みなさんのご協力をお願いします。

混乱のまま、JetteとMartinのお話に移ります。まず私が質問のきっかけをつくるためにデンマークのスライドを見せて、そのあと質問をしました。あちらの学校に日本で見るような校門や壁がないこと、デンマークから来る人にとって、日本の寺や観光地はきれいだけれども、それよりも日本人の日常生活を見たいと思っていること、一見同じようだけど微妙な違いがあること(デンマークでは白菜はサラダにしか使わないが日本では煮ることなど、Jetteの父、Ryホイスコーレのコック長Peterも来ているので料理の話が例に出ました)など、興味ある話題が出ました。

9日の午前のプログラムは小さな部屋しか使えず、ぎっしりと満席でしたが、それがかえってにぎわいというか、盛り上がっている雰囲気を与えてくれました。静かだった冬を終えて、何かこう、春なんだな〜という気分。協会の春のセミナーは、季節の行事としてそういう気分を与えてくれる節目となっています。

その後は、鎮国寺へ花見。参加者が予想以上に多く、また一般客もすごく多くてたいへんでした。

今回は人数が多かったので、東京から来た伊藤さおりさんと佐名木教子さん、それに福島勇さんにスタッフとしてのサポートをお願いしましたが、それでも対応しきれないほどでした。交通の手配、宿泊や食事、酒やお茶のお世話、それにもりだくさんのプログラムが加わるとスタッフがいてもなかなかたいへんです。あっさり事務的にできなくはないのですが、わきあいあいの楽しい雰囲気が協会のセミナーの売りなので、それを守るためにおろそかにはできない部分と心得ています。

スタッフとしてご協力いただいた伊藤さん、佐名木さん、福島さんには心より感謝します。

これが終ると九州は初夏の日差しが始まります。
次は5月28日(日)に関西の会がある予定です。