西上州、信州

荒船山・鼻曲山

かねてよりグリーンウッド氏は長野県と群馬県の境にある荒船山(1,423m)という山に登りたいと思っていたが、2005年11月1日に念願がかない、wakwak山歩会の第59回 目の定例登山として実現した。

ちょうど1月前にも妙義荒船林道から荒船山を遠望したが、ようやくその願望が実現したのである。

妙義荒船林道よりのぞむ荒船山 2005年10月2日撮影

地球温暖化のためか今年は雨が多く、3ヶ月の山歩きのブランクの後でかつ2005年10月26日から31日にかけての6日間の四国ツーリング直後の11月1日のため、体調が不安であったが、好天に恵まれ、折りからの紅葉を満喫しつつ艫岩(ともいわ)の上に立つことができた。

Wakwak山歩会としてはわざわざ神奈川県から出かけるのであるから、1泊2日としてもう一つと軽井沢の東の県境にある鼻曲山(1,655m) も制覇しようと目論んだ。荒船山を展望できる山荘あらふねに一泊の後、旧碓氷峠から鼻曲山にかけて縦走した。初谷温泉(しょやおんせん)泊も検討したが、コストを理由に山荘あらふねを選択した。2食付で7,500円。

第一日

グリーンウッド氏は鎌倉の自宅からの出発は避けて、ツーリングを長野で止め、そこから参加した。他の3名はいつもの通り、小田急線開成駅7:30集合して車で出発した。小海線中込駅で11:30集合は予定通りだった。 富岡街道を内山峠に向かう。道はやがて谷間に入るが、右手の山は海ノ口城で初陣の武田晴信に討ち取られた平賀源心入道の本城、平賀城があったところだ。内山峠の駐車場は(1,060m)満杯であった。昼食を摂った後、12:25出発。紅葉の雑木林の中、いくつもの小ピークを巻きながら14:15に艫岩(1,330m)の上に立った。登り歩数は5,857歩であった。そこからの北側の眺望はすばらしく噴煙を上げる浅間山はもとより 、明日登頂予定の鼻曲山もその全容を遠望することができた。

艫岩上より明日の目的地、鼻曲山を望む 左枠外にある浅間山の噴煙が鼻曲山方向にたなびいている

日没も間際で時間がないので行塚山にはゆかず14:45帰路につく。夕日に赤く染まる艫岩が紅葉を赤く染めて見事だった。

艫岩とは船の艫の当たり、艫より2km南にある行塚山(1,423m)を舳先にみたてて荒船山という名がついたという。艫の標高差は150mでコニーデ(円錐状成層)火山のカルデラ壁とのこと。舳先に当たる行塚山は溶岩の流動性が低いトロイデ(釣鐘状)型火山であると説明版にあった。登る途中でみた艫岩は火山礫が火山灰で固められた礫岩のように見受けられた。したがってロッククライミングには適さない岩盤だ。

地震雲と夕日に染まる荒船山

16:10内山峠Pに帰着。我々が最後の下山者であった。標高差270m。総歩数は12,752歩であった。車で内山牧場内にある山荘あらふねに移動。(Hotel Serial No.332)

途中振り返ると荒船山が夕日の中に赤く染まり、その上に10本ほどの絹雲が南北方向に並んで現れていた。雲の形で地震予知をするという話が2005/10にとある民放で放映されたことを話すと、この番組を見たクリさんも、もしや数日以内に地震が発生するのではと話したものである。その3日後、長野に滞在中に夜中に地震を感じた。震源地がどこか分からなかったが、案外地震雲というのもあるのではと思ったものだ。

第二日

8:00山荘あらふね出発。妙義荒船林道から朝霧の中に浮かぶ荒船山を見る。荒船山の右手には兜岩山(1,368m)そしてその右手はるか遠方に御座山おぐらやま2,112m)が見える。山頂付近を通過する柏崎原発と大菩薩嶺にある揚水発電所を結ぶ100万ボルトの巨大送電鉄塔が見えるのでそれと分かる。

妙義荒船林道から朝霧のなかに浮かぶ荒船山、兜岩山、御座山

妙義荒船林道は有料のはずだが、9:00前に料金所を通過するとゲートは上がっており無料である。発地のローソンでおにぎりを仕入れて旧碓井峠の無料駐車場(1,190m)に一番乗りをする。

9:45出発。一の字山(1,396m)までは緩やかな登りである。紅葉した明るい雑木林の中の登りで周りの景色は見えない。1,419mの無名のピークを過ぎて1,340mの鞍部に下り、再度急坂を登って留夫山(1,591m)山頂に達する。1,440mの鞍部に下り、1,600mの無名のピークに登り、1,560mの鞍部に下り、1,602mの金山に登り、1,560mの鞍部に下ってここで昼食とする。鼻曲がり山の山頂である大天狗(1,658m)に到達したのは13:45で総歩数は12,000歩であった。5つのピークの総 登り標高差は780m、総下り標高差は312m、正味標高差468mであった。

旧碓氷峠→鼻曲山→長日向は青コース

旧碓氷峠から登って来たのは我々4名と単独行の須坂の男性だけであったが長日向(ながひなた1,170m)から登ってきて旧碓氷峠に下る大勢のおばさんが参加しているガイド付大パーティー2組みと出会った。鼻曲山から 鼻曲山山頂までの標高差はアップダウン無しの488mなので旧碓井峠に下る方が楽である。チャーターしたバスを使えるのでこのようなことができる。自家用車組みは楽ではない。鼻曲山から霧積温泉に下るルートもあった。コンによれば霧積温泉は明治の雰囲気がのこっていて魅力的という。

大天狗は眺望はさほどでないが、隣の小天狗からの360度の眺望はすばらしかった。今まで縦走してきた旧碓氷峠から留夫山経由の尾根は幾つものピークを重なって見える。その左遠方に妙義山の鋸状の姿が、右には軽井沢のスキー場の人口雪が白くみえる。東側には角落山(1,430m)の特徴ある3つの峰が並び、御座山へとつながる巨大送電鉄塔が立ち並んでいる。北には浅間隠山(1,757m)がどっしりと構えている。来年はこの山に登ろうということになった。西側には浅間山(2,568m)が噴煙をたなびかせている。

小天狗より留夫山など登ってきた尾根を見る

小天狗より浅間隠れ山を望む

あとはただ長日向に向かって下るだけである。15:15長日向着。総歩数18,392歩。下り落差488m。ちょうど上手い具合に15:31長日向発の軽井沢行きのバスに乗れた。 バス代金400円。1時間に1本である。旧軽井沢でタクシーに乗り換え旧碓氷峠に戻る。タクシー代は1,118円であった。

November 06, 2005

Rev. February 25, 2007


トップページへ