伊豆

天城山

wakwak山歩会は2002年1月14日-15日にかけて冬山登山の対象として雪が降りにくい天城山登山を企画した。ついでに爪木崎に行き、海岸沿いに咲く水仙の大群落を観賞しようというわけである。

天城山は、白田山(1,197m小岳 or 戸塚山)を中央火口丘とし、万二郎岳・万三郎岳 ・噴火口である八丁池などを外輪山とする山の総称で、万三郎岳(1,406m)は 「伊豆の山々」の最高峰。百名山の一つである。

天城山はフォッサマグナの中央部を、南北に貫く火山の列の南端に位置する。北から妙高山、草津白根山、浅間山、八ヶ岳、富士山、箱根山、天城山である。フォッサマグナの圧縮によってできた断層にマグマが貫入して、地表に染み出やすかったと考えられている。天城山は、流紋岩質の山で伊豆七島の新島、式根島、神津島の親類である。 かっては成層火山であったが15万年前に大爆裂で山体上部が吹き飛んだという。

 
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天城山の西端に川端康成の小説で有名な天城峠がある。

冬の空気が澄んだ日にはグリーンウッド家のテラスからは箱根山、天城山、大島の三原山がよく見える。

相模湾越しにみる天城山(万二郎岳、万三郎岳) 2005/12/27撮影

左手前に大室山と小室山が一直線上に重なって、右の海上には初島が見える

このなかで天城山は伊豆の踊り子を連想する位の智識しか持ち合わせていなかった。

 

第1日目 

9:20 に伊豆急 伊豆高原駅に集合した。車で伊豆高原ゴルフ場に移動し、ゴルフ場前の登山者専用駐車場に駐車。日本百名山の一つのためか、駐車場は無料で立派。凍結防止のためかトイレは施錠されていて使えない。

10:00に登山開始。四辻から万二郎岳をめざす。正月の不摂生で体は重い。とはいえ万二郎岳の山頂にはあっけなく到着。出発地点がすでにかなり高度があるためであろう。山頂という実感のわかないものであった。

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万二郎岳山頂で

万三郎岳にむかって縦走を開始。途中、馬の背という広い山頂を越え、もう一つのピークを越えてようやく12:30に伊豆の最高峰万三郎岳山頂に到着。山頂は樹木に覆われて眺望を妨げている。南斜面はブナ林である。南斜面の方が勾配が急である。これから南側が旧火口であっただろうと推察できる。しかし南側の外輪山は今は無く火口底とおぼしきところは海に向かって開いている。伊豆半島が乗ったプレートの動きに従いホットスポットが取り残されて東南の外輪山を吹き飛ばしてしまったのであろうか。最高地点万三郎岳山頂で昼食。

山頂の360度パノラマ

13:30下山開始。帰路は涸れ沢に向かって北斜面のうっすらと雪の残る道を下る。軽アイゼンを持っていたが、装着せずに用心して下山。100メートルも下ると雪もなくなった。

涸れ沢から四辻に向かって斜面をトラバースする。いくつもの沢を渡り、幹がつるつるのヒメシャラの林を横切る。

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ヒメシャラの林で

15:30駐車場に到着。1万6,000歩であった。登山路はおおむね凍結しており。当日は気温が高く、表面だけ解けてぬかるみになっていた。車で大川温泉の瑞光園に移動しここで1泊。(Hotel Serial No.210) 深田久弥によれば、戦前は天城山の5万分の一の地図は軍事機密とかで市販されていなかったそうであるが、今では軍事施設の痕跡も見つからない。

9:20 伊豆急 伊豆高原駅集合 → 伊豆高原ゴルフ場 → 万二郎岳 →万三郎岳 → 伊豆高原ゴルフ場 → 大川温泉 瑞光園泊

 

第2日目

お目当ては爪木崎の自生水仙である。1999年にもここを訪れたが今回は水仙の自生地に直接車を乗りつけず、手前の駐車場に車を置き海岸の遊歩道を灯台方向に散策した。爪木崎の柱状節理は見事なものだ。普段は風の強いところだか当日は風も弱く快適な散策を楽しめた。休日でもないのに観光客は多い。帰路は西伊豆経由で帰った。雲見と松崎の間の断崖絶壁のドライブは何時きても迫力がある。熱海峠から箱根峠は霧であった。

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水仙自生地

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爪木崎の柱状節理

瑞光園 → 爪木崎(水仙)  → 下田 → 妻良 → 雲見 → 松崎 → 堂ヶ島 → 土肥 → 修善寺 → 函南 → 熱海峠 →箱根峠 → 小田原駅 解散

January 14-15, 2002

Rev. April 17, 2010


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