メモ

シリアル番号 表題 日付

1260

地球の内部構造

2009/12/07

 

深度(km) 名称  主要化学組成 火山岩  深成岩 流動性
6-40 大陸地殻 SiO2:64-66wt%、MgO:8wt% 、Mg/Si=0.18 流紋岩(rhyolite アルカリが少ないと石英粗面岩)神津島 花崗岩(granite) 60-100 剛体
6-40 大陸地殻 SiO2:63% デイサイト(dacite)雲仙岳 花崗閃緑岩(granodiorite) -
6-40 大陸地殻 SiO2:60% 安山岩(andesite)桜島、浅間山、利島、アンデス山脈 閃緑岩(diorit) -
6-40 海洋地殻 SiO2:54wt%、MgO:10wt%、Mg/Si=0.42 玄武岩(basalt)ハワイ、アイスランド、伊豆大島 ハンレイ岩(gabbro) 200-250 流動性
400 上部マントル SiO2:49wt%、MgO:42wt%Mg/Si=1.3 - カンラン石(periodite)、変性された蛇紋岩 剛体
670 遷移層(地震波不連続面)  - - ペロブスカイト 剛体
2700 下部マントル  Mg/Si<1.0 - ペロブスカイト 剛体
2900 D層(地震波不連続面) - - - 剛体
5,100  外核 - -

-

液体
6,400 内核 Fe、Ni、Si、K:100ppm - - 剛体

北海道の日高山脈の末端にあるアポイ岳、岩手県の早池峰山(はやちねさん)、尾瀬にそびえる至仏山や笠ヶ岳はカンラン石または蛇紋岩が上部マントルの岩が地表にでたもので、森林が発達せず、固有種「蛇紋岩植物」が生育する高山植物の宝庫として有名である。花の百名山となっている。

谷川岳は標高の高い部分が蛇紋岩や海洋地殻の玄武岩などからなり,標高の低い部分が鮮新世の花崗岩類でできてる。花崗岩類の分布域ではあまり岩石の露出が 多くないが、1,516m のラクダの背に近づくと,花崗岩類による接触変成作用を受けた蛇紋岩に変わり,登山道も急に険しくなる。

宇宙存在量(数パーセントに及ぶ有機物や水を含むC1コンドライトは太陽系を造った基本物質) SiO2:38wt% ,FeO:40wt% MgO:25wt%でMgO/SiO2=26/38=0.68  Mg/Si=1とすればMgO/SiO2=(24+16)/(28+2*16)=0.667で一致。

大陸地殻はMgO/SiO2=8/65=0.123 Mg/Si=0.18 大陸地殻は海洋地殻より比重は軽い。

海洋地殻はMgO/SiO2=10/54=0.278 Mg/Si=0.42 

海洋地殻は流動性があるためプレートの生成から消滅まで2億年かかる。これをウィルソン・サイクルという。

マントルの重さは地球の70%、核は30%(内核は核の13%)

上部マントルはMgO/SiO2=42/49=0.86。Mg/Si=1.3でSiが失われている。

パイロライトはMg/Si=1のC1コンドライトと同じ仮想的な岩石。玄武岩/カンラン岩重量比=1/4

ペロブスカイトは670km以下の高圧でSiO3Mgが相転移して出来た岩石で密度が高い。ペロブスカイト構造とは結晶構造の一種である。RMO3 という3元系から成る遷移金属酸化物などがこの結晶構造をとる。RとMは金属原子。元来ペロブスカイトとは CaTiO3(灰チタン石)のことを指し、この名前は発見者であるロシア人科学者 Perovsky にちなんで名づけられた。

YBa2Cu3O7-δ や Bi2Sr2Ca2Cu3O10 といった酸化物高温超伝導体は全て、ペロブスカイト構造を基礎とした結晶構造をしている。これらは固体酸化物型燃料電池や電解槽、アンモニア電解合成に使われる。

地熱はマントルに存在するU、Thの崩壊熱

内核の熱源:
@沈降に伴う重力エネルギー
A結晶化に伴う潜熱
B放射性Kの崩壊熱も@Aに加え外核の対流を生ずる熱源として寄与している。

U、Thは地殻とマントルにはC1コンドライトと同量あるため核に濃縮しているとは考えられない。しかしKは20%しかないので鉄が核に移動する過程で核 に溶解濃縮している可能性がある。 質量数40のカリウム(カリウム40)は放射性同位体である。半減期はおよそ12.5億年であるため、地球創生時にとりこまれたものが未だに自然界に残存 している(元を糺せば超新星爆発で核反応がおこって生成・放出されたものとされる)。大気中に存在するアルゴンの多くの部分は、このカリウム40の崩壊に より生成したものだと考えられている。また、大気中のアルゴン40の一部は宇宙線(太陽からの放射線)と反応することによりカリウム40となる。このため カリウム40は炭素14とともに常時生成されている。人体に含まれる量が多いため、人間の内部被曝源として、炭素14と並んで大きな部分を占める。

-大谷栄治 Journal of geography 114 3) 2005

2005年米国石油地質家協会(AAPG)研究会議に出席した中島敬史氏は上部マントル及び地殻深部において、上部マントルの主要構成岩であるカンラン岩が蛇紋岩化する過程で水素が 発生する。水素は、地殻深部に存在する熱水流体中の二酸化炭素と接触し、フィッシャー・トロプッシュ反応により炭化水素(油・ガス)が無機的に生成してい る。地殻深部で生成された炭化水素は熱水中に含まれ(hydrothermal hydrocarbon)、地殻を構成する結晶質基盤岩(花崗岩や片麻岩)中に発達した垂直方向の断裂やプレート境界を経由して上方移動し、基盤岩中で割 れ目が集中する部分に集積して「基盤岩油・ガス田」を形成する。また基盤岩中の断裂を経由して、堆積盆地内に滲出した炭化水素は、堆積層内に油・ガス田を 形成する。その結果、炭化水素が堆積盆地内に滲出する箇所では、油ガス胚胎層が垂直方向に幾重にも重なって分布する結果となる。また地殻深部で生成された 石油が堆積層内を通過する際、堆積盆地の底部に分布する有機物に富む泥質岩から、有機起源説の根拠としているバイオマーカーを取り込むのであろう。

Potter and Konnerup-Madsen(2003)は蛇紋岩化の反応例として「苦土カンラン石+鉄カンラン石+9H2O=蛇紋石+水滑石+磁鉄鉱+2H2O+ H2(水素)」や、「普通輝石+チタン磁鉄鉱+霞石+正長石=黒雲母+磁鉄鉱+エジリン輝石+チタン石+曹長石+4H2(水素)」を掲げている。

Rev. July 11, 2016

地球の代表的3岩石は

@かんらん岩:水をかけると水素を出す

A花崗岩:大陸地殻でカルシウム・リンが多い

B玄武岩:

ー丸山茂樹

Rev. February 24, 2011


トップ ページヘ