夜光虫

 



2013/7/2撮影

朝、気がつくと目の前の海が真っ赤である。赤潮であるが例年の経験からすれば夜美しく光るのでこれは夜光虫であろう。(夜、波で光ることを確認)夜光虫は 大型で軽く、海水面付近に多 く分布する。そのため風の影響を受けやすい。見る間に南風で浜に打ち寄せられる。浜に出てサンプルをとるとかすかに赤色の小さなふわふわしたものが沢山浮 かび上がってくる。

脱線

顕微鏡の手持ちもないので以降ネットで調べる。夜光虫は動物分類学では渦(うず)鞭毛虫門に分類され葉緑体は持たず、専ら他の生物を捕食する従属栄養性 の生物であるとい う。原生生物としては非常に大きく、巨大 な液胞(或いは水嚢; pusulen)で満たされた細胞は直径1〜2mmに達する。外形はほぼ球形でリンゴのような形状。くぼんだ部分の細胞質から1本の触手 (tentacle)が伸び る。細胞内に共生藻として緑藻の仲間を保持している場合もあるが、緑藻の葉緑体は消滅しており、光合成産物の宿主への還流は無い。細胞は触手を用いて他の 原生生物や藻類を捕食する。発光はホタルと同じルシフェリン-ルシフェラーゼ反応による。発光エネルギーはATPから得る。一般に発光バクテリアは、互いに存在を認識するためにオートイン デューサーと呼ばれる伝達物質を産生している。このオートインデューサーは、バクテリアが増殖している間に、培地(海水中)に蓄積する。そして、オートイ ンデュサーがある濃度を超えると、バクテリアは菌体数が増えたことを察知し、ルシフェラーゼの誘導が起こって発光するようなる。このように、ある能力を発 揮する際に、密度依存性がある機構をクオラムセンシングと呼ぶ。

夜光虫サンプル

夜光虫と異なり、通常の赤潮は珪藻類で光合成するクロロフィルを持つ。赤色はカロテノイドだという。

ホタルの同期発光と原発

さてホタルは同期して発光する。裏山の広町緑地のホタルも同期する。なぜなのか?同期現象は「蔵本・シバシンスキー方程式」と呼ばれるカオス・乱流を記述する非線形偏微分方程式で記述できるとスティーブン・ストロガッツは書いている。といわれても分からない。

わたしに一番腑に落ちるのはマーク・ブキャナンの 本にコメントした故前島さんの「たとへ、昆虫と云えども、そこそこ個体差があって、殆どのホタルは隣の隣位までしか見えないのに、中にはとんでもなく遠く まで見 えるホタル(非規則的な弧を張ったホタル)が居る可能性は、十分考えられます」というコメントだ。この目の良く見えるホタルはネットワークのハブのような ものでスケールフリーの世界が出来上がる。荻林氏のいうミクロ・マ クロ・リンクだ。原発事故もべき分布になるのはスケールフリーだから。では原発事故 のハブとはなにかとなるが多分電源システムだろう。だからここがやられるとアウト。規制委員会は非常電源を用意せよとはいうが、電源を失っても問題ないよ うにプラントを直せとは要求していない。不可能だからだ。だから事故確率は変わらない。日本の原発は安全だと安倍某が地球規模でセールスしているが実質は フランスのアレバの設計で電源設備が特にすぐれているとはいえな い。ボーイング787の電源設備はフランスの大手電機会社タレスの設計だが、バッテリーを燃してしまうなど怪しい。安全性は昔とおなじままだ。


July 3, 2013


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