ユビキタス・コンピューティング

友人のまえじま氏にユピキタス・コンピュ−ティングについてどう思うか聞かれた。以下はグリーンウッド氏の回答。

ユピキタス・コンピュ−ティングですか?バクとした質問ですね。

ある意味で日本は今ではユピキタス・コンピュ−ティングの普及は世界一のレベルにあるのではないでしょうか。携帯メールがそれです。完備した公共交通網がこれを後押ししてますね。おしゃべりは禁止ですからこれしか時間つぶしはできません。昔は漫画でしたが、最近はすっかりこれにはまっている人、特に女性が多いですね。デートしながら、互いに背中合わせに立ってその模様を逐一友人?にメールしている人々もいますよ。最近ではパソコン入力も親指入力するデバイスが売りに出されたとか。夫婦の少なくなった会話をこれでするとかいうこともあるかも。

ユピキタス・コンピュ−ティングとは直接関係ありませんが刺客として立候補した某女性候補の不倫相手がパソコンメールを妻に読まれて離婚されたとか週刊誌にでていましたね。だいたい受信・発信簿に証拠を残しておくなど脇が甘いですね。記録はメモリーチップにでもコピーして、PC内記録の抹消くらいの配慮をしなければ不倫する資格もないでしょう。これは携帯メールでも同じ。デジタル・デバイドの時代ですね。

私はGPS搭載の携帯電話を使う海山での遭難救助信号受付サービスに加入しております。海岸沿いの海は沖合い20km位は 電波がとどきますが、深山では使えないと思ったほうがよいでしょう。

ジープ・ラングラーに搭載したカーネビゲーションシステム

GPSといえば車のナビゲーションシステムも東京都内の杉並や練馬の住宅地に住む知人を訪ねるときなど便利ですよね。 電話番号帳に電話番号を登録しているお宅に行くときは、その電話番号を入力するだけで、案内してくれます。電話番号を登録していなくともxx丁目ーyyy番地ーzzz号まで入力すれば番地毎に家屋の型まで特定してくれます。全国の市街地図を買ったと同じ情報量がDVDに入っていることになります。というわけでジープ・ラングラーの車検時にETC機器とナビ両方とも搭載 しました。 勝手知った道はルート案内は頼まない方がいいですが、それでも渋滞情報がリアルタイムで表示され便利です。

ジープのフロントグラスが垂直に近いにも関わらず、クライスラーがGPSアンテナを室内のダッシュボード上に設置し てしまいました。見通しのわるいところでは6つみえるはずのうちの4つの人工衛星の電波を捉えることができず位置がわからなくなるときがあります。

地図はDVDで供給されるので、ついでにDVD映画鑑賞できるようにし、透明なTV-FM多重アンテナ (上の写真の左上隅に見えます)をフロントグラスに張ってテレビ放送も見れるようにしようということのようですが、これは希望していなかった余計な機能で迷惑な感じです。Stradaというパナソニックの機種ですが、日本のメーカーは不要な機能を付けすぎます。これにまだ後方を撮影するカメラも追加できるようですが、バックミラーで十分です。

電子化が遅れていた銀行カードもようやくICチップが採用されましたし、バイオメトリックスを採用しはじめましたね。新しいもの好きですから早速銀行カードはこれに切り替えました。クレディット・カード一体型ですから各種あったカードは一つをのぞきすべて解約してしまいました。銀行ではもうハンコもパスワードも通帳も役にたちません。手の血管のパターンだけが頼みです。問題は本人が死んでしまったときどうするかで、結局配偶者にもカードを持たせてその手の血管のパターンで死後の継続をすることになるので、なにか複雑な気持ちになります。

高速道路代金もIC搭載のETCカードになりましたね。民営化のおかげで割引がでてきてこのところ爆発的に普及してしまいました。ETC専用ゲートをノンストップで通過できることがなによりです。ETCゲートとの通信アンテナはフロントグラスのバックミラーの支持金具の直上に貼り付けてありました。 (上の写真の中央上)1995年のトスカーナの旅で三菱重工システムを見てから10年の遅れでやっと普及したようです。ETC車載器もナビゲーションシステムに統合されてエンジンスタートすればカードを挿入しろ、止めれば忘れず持って帰れと結構うるさく指示してくれます。

ジープ・ラングラーに搭載したETC車載器

IC搭載のJRのSUICAカードもポケットが硬貨で穴があくことから解放してくれました。

トロン開発者の坂村健氏はICチップを商品のタグに使うとかいうことも提案されていますが、どこまで普及するのか。私は在職中、プレファブした配管スプールを仮置きするときこのICチップで管理することを構想しましたが、実現できないうちに会社を離れることになりました。今どうなっているのやら。

パソコンを世界中持ち歩いてSOHOしながら生計を立てるというのも可能ですね。身内でこれを実行しているものがおります。

携帯は国によって規格が異なるので、アナログモデムはやはり必要です。私はパームのPDA(ソニーのクリエ)とCFカード型のアナログモデムで海外旅行中のメールの送発信をしてます。

iPodもユピキタス・コンピュ−ティングではないでしょうか?7,000曲内臓ですから手持ちのCDがすべて収納できます。これを世界中どこにでも持ち歩きできます。そして車やホテルのオーディオセットにFM電波を飛ばし、自宅の音楽環境を再現できます。

DVDプレーヤー付きのノートと旅の間観たいDVDを車に積んで旅に出るということもユピキタス・コンピュ−ティングということになるのですかね。良質の音も楽しむならついでにBOSE acoustic wave music systemのようなポータブル ・オーディオ・セットも車に投げ込んでおかなければなりませんね。以上最近急速に普及したユピキタス・コンピュ−ティングについての感想でした。

September 7, 2005


この文を書いてから4年経過した。まえじまさんも他界してしまった。そして携帯電話上でインターネットをフルに使いこなせるスマートフォンが世界を席捲しつつある。アップルがiPhone、マイクロソフトがWindowMobileOS、そしてグーグルがアンドロイドOSを開発し、台湾メーカーがこれらを搭載したスマートフォンを続々と登場させている。日本メーカーはiModeとともに安眠をむさぼっている間に浦島太郎になってしまったようだ。唯一、東芝がWindowMobileOS搭載のT-01Aを発売予定なだけだ。

Rev. June 10, 2009


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