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1044

ジアシルグリセロール(Dyacylglycerol)またはジグリセリド

2006/06/11

一般の食用油は脂肪酸が3つグリセリンと結合したトリアシルグリセロールが主成分だが脂肪酸が2つだけしかついていないジアシルグリセロールを80%含む食料油は消化吸収された後、トリアシルグリセロールに再合成されにくいため血中中性脂肪が上昇しにくい、脂肪が燃焼しやすい「という売り文句で花王が「健康エコナ」日清が「日清オイリオ」という商品名で商品化した。

トリアシルグリセロールは食用油を加熱・加水分解して再結合した加工油で天然のものではない。厚生省が発がん性追加試験を要求。

トランス型二重結合脂肪酸を使ったマーガリンやショートニングは戦前に開発され、20年前には製油メーカーは高リノール酸オイルを競い合った。人類は過去これ程多量のリノール酸を摂取した経験はなかった。その後、高リノール酸オイルを5年以上摂取すると明らかに発ガン率が上昇することが分かった。リノール酸は絶対に必要な必須脂肪酸だが酸化しやすいので取り過ぎは禁物。都合が悪くなると製油メーカーはオレイン酸に看板を塗り替えてそ知らぬ顔。そしてまた、自然界に少量しか存在しないジアシルグリセロール(ジグリセリド)や中鎖脂肪酸を食卓に持ち込んで、私達を未知の領域に誘い込もうとしている。

ただの脂肪の塊(かたまり)と思われていた体の脂肪組織が、実は巨大な内分泌器管(ホルモンを分泌)でもあることが分かったのは近年のこと。糖尿病や食欲、体重などに影響を与えるホルモンが脂肪細胞で作られていて、新しいホルモンが次から次へと発見されてメタボリックシンドロームとの関連が理解されるようになってきた。

アディポサイエンスと呼ばれるこの分野からジアシルグリセロールを見れば不吉な予感がする。たとえばジアシルグリセロールは血中の遊離脂肪酸を増やすという。遊離脂肪酸は脾臓ベータ細胞のインシュリン分泌を刺激し、脾臓ベータ細胞を疲弊させ、肝臓の糖新生を高めるため、血糖上昇に関与する。

5000年の歴史を持つオリーブオイルに勝るオイルはない。


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