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1021

トランスファット

2006/01/10

冷えても固まらない植物油にニッケル触媒をつかって高圧下で水素を反応させてバターのように固まるようにしたものがマーガリンやショートニングである。酪農なしで植物油から安価にバターの代用品を作れるので日本で特に発達した。

しかしこれは欧米では、動脈硬化症、冠状動脈疾患などの循環器系の病気になったりボケたりすることがわかってきて禁止品になったが厚生省はマスコミが騒がないことをいいことにして、また食品業界に遠慮していまだになにも手を打っていない。

何十年と食べて悪い影響がでる程度だし、因果関係が明示されないので被害者は知らないまま死んでゆく。性ホルモンは脂肪酸を原料にして体内で合成される。最近の若者のセックス・レスにも影響しているのかもしれない。

自衛しか手はない。売っているパン、ケーキ、クッキー類は全て口にいれないこと。パンはバターで自分で焼くことにし、ケーキ、クッキー類は手土産にもらったものはたまにではあるのでいただくが、自分では怖くて買えない。外食産業での食事も危ない。


自然に存在する不飽和脂肪酸は、シス二重結合を含んでいる。このシス型脂肪酸をニッケルなどの金属触媒を用い、約260度の温度で部分的に水素添加するとシス結合のおよそ 約14%がトランス形状に変換され、融点が上がり、室温において固体を維持する性質を得る。これがマーガリンやショートニングである。

部分水素添加により作られた油は、自然により作られた油とは違い、すぐに腐ったり、嫌な臭いを出したりしなため、広く普及し加工食品に大量に使用されている。マーガリンを使わなくとも市販のパン、ケーキ、菓子、フレンチフライを作るときにマーガリンやショートニングが使われるので、結果として食べさせられている。マーガリンの脂肪が水素と結合しているのは部分的であるため、「高分子不飽和脂肪酸」という食品としてメーカーは販売しているのでしまつが悪い。やむを得ず、ケーキ、菓子は敬遠し、食パンはバターを使って自家製のトランスファット・フリー・パンを焼いて対処している。

トランス型脂肪はまた反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する と農水省はことさら強調する。だから安全というわけではないのだ。

トランス型脂肪を摂取すると細胞膜が弱くなってぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎になったり、ビタミンを過剰に消費したり、悪玉コレステロールといわれる低比重リポ蛋白質を増やし、善玉コレステロールの高比重リポ蛋白質を減らてして動脈硬化症、冠状動脈疾患などの循環器系の病気になったりボケたりする。

インド北部はギーという純正バターを食べているのでマーガリンや加工された高分子不飽和油脂の植物油を食べている南部より心臓病の死亡率は低い。ハーバード大学公衆衛生学部栄養課の調査ではマーガリンの摂取が心筋梗塞の危険性と結びついていることを示している。

トランス型脂肪の問題はここ15-20年前の間に知られることになった。 ヨーロッパにおいては食品規格で規定され、0.1%以上含有することを許可していない国もある。米国では30から50%もトランス型脂を含んでいるものがあ り、問題とされてトランス型の表示の義務付けの方向にある。

完全水素添加すれば二重結合が無くなるのでトランス型は出来ないが副生不純物や金属触媒の残留物の問題もあり、好ましくない。米国でTransfat freeというの新しいマーガリンが出てきているが詳細はわからない。

脂肪酸は加熱だけでもトランス型に変わる。 オリーブ油は必須脂肪酸はあまり含んでいないが、単不飽和脂肪酸を豊富に含んでおり、容易に酸化されたり、トランス型にならないため、加熱料理には最適である。

反対にサフラワー油やコーン油などは容易に酸化されてしまうため、加熱料理には使うことは避けるべきである。もし加熱されるとトランス型になるばかりでなく、過酸化脂質が作られ、体内に入り活性酸素の放出という事態になる。活性酸素はガンを初め 、高血圧、心臓病など多くの病気の原因となる。

Rev. July 7, 2010


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