乗鞍岳越えの飛騨の国

バイク・タンデム・ツーリング

1997年8月、グリーンウッド夫妻は鉄馬を繰って、信濃の国から乗鞍岳を越えて(飛騨越え)飛騨の国を走破した。

第1日

松本を出発し、乗鞍高原泊。(Hotel Serial No.67)まだ安房峠(あぼうとうげ)を貫通するトンネルが完工直前のため、渋滞で悪名高い乗鞍越えを決行した。乗鞍高原から位ヶ原を登る道は自動車が通れる道路では日本一高いところ (2,715m)である。

乗鞍岳を背に

独身時代、手術後の病み上がりに冬の乗鞍岳に スキーに出かけ朝日岳近くで滑落、命拾いしたことがある。この道沿いの冷泉小屋に泊まり、肩の小屋まで再度スキーを楽しんだようだ。コロナ観測所付近の渋 滞部は四輪の皆様のご理解のもと、パスさせてもらって難なく通過し、以後快適な飛騨の国めぐりを満喫することができた。渋滞は山頂の駐車場入り待ちのため で、飛騨側から登れば渋滞は少ないことがわかった。

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飛騨高山にて

羽田から小松空港に飛んだ折り、日本晴れにめぐまれ、信濃の国を眼下に一望することができた。この時、信濃の国は山国といわれながら、善光寺平、松本平など結構、平地があるのに比較し、飛騨の国はアルプスから西に向かい山襞が連続し、深山幽谷の地だなとかなり強い印象を持った。

第二日

高山泊。(Hotel Serial No.66) 飛騨高山から白川郷経由郡上八幡まで、対向車も来ない完全舗装のワインディングロードのライドを満喫した。特に、飛騨高山から下子鳥湖に抜ける清見村は、 道路沿いの各家は花いっぱいで、どこのガイドブックにも紹介されていないが、ヨーロッパアルプスの山村のように美しいところである。

国道360号にでてから天生峠(1,289m あもうとうげ)を越えたが、真夏の峠越えでエンジンがオーバーヒートしないか心配で何度か停車して冷却した。天生峠は高橋治の「風の盆恋歌」 に二人の道行きのルートとしてでてくる。鏡花が明治33年に発表した「高野聖」にも天生峠が 出て来るが、こちらは松本に抜ける信州と飛騨の境の峠となっている。鏡花は安房峠と混同したのではないかとも思う が、主人公の若き修行僧が参謀本部作成の地図をみているので小説的フィクションかもしれぬ。この小説には滝、魑魅魍魎、穣様がでてくる。滝は白川郷側にあ る中滝がモデルのようだ。穣様は鏡花が造形しえた究極の女性像だそうだが、芸者桃太郎、後に結婚する伊藤すずがモデルという。

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白川郷を遠望する丘の上で

天生峠からしばらく下って丘の上から遠望した白川郷は良かった。村の中に入ってしまえば観光客で混雑しておりほうほうの体で逃げ出した。

白川郷は2005年、「美しい村連合」に加入。

白川街道を南下するということは庄川沿いに上流に登るのだ。御母衣(みぼろ)ダムは初めてみるロックフィルダムだ。御母衣湖沿いに荘川村にいたる。更に南下すると蛭ヶ野という高原に出るが、ただ広く平でここが高原とは思えない。 しかも中央分水嶺とのこと。坂を下れば長良川の流域に入るので高原だったということが分かる程度だ。

バイクを停めて郡上八幡の町を散策するがめぼしいものはみつからなかった。

第三日

郡上八幡の高畑温泉 (Hotel Serial No.68) で一泊、東海道をタンデムできないのでここで解散。

1997年8月

Rev. January 1, 2011

追記

2017年9月の台風シーズンでもキャンセルなく山と温泉を確実に実行できるという趣旨の「新穂高ロープウェイ、平湯大滝、飛騨大鍾乳 洞、平湯、飛騨高山、白川郷」ドライブに山仲間がでかけた。

このときの帰路ルートは台風の豪雨をさけて東海道経由帰った。そのとき郡上八幡を通過した。このときも「郡上八幡城」は気が付かず、通過した。

ところが2019/7のNHKの番組で新しい郡上八幡城の美しい姿が目に入った。いつ完成したのだろうとしらべると。遠藤盛数が1559年に築 いたという。現在、天守台跡には昭和8年に大垣城を模して造られた天守閣・隅櫓・城門・塀が立つ。とあるので昔からあったのだ。


August 1, 2019


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