境川

瞽女淵より町田まで

サイクリング

2017/11/14 境川源流の草戸山は歩いて制覇した、河口から遊行寺まではウォーキングで、遊行寺から瞽女淵までは折り畳み自転車ブロンプトンで制覇してある。しかし瞽女淵より上流は未踏査。

2018/6/24、 境川の瞽女淵より町田に至る境川の片道31.7kmのサイクリングロードをロードバイクDe Rosaで往復し、ウォーキングの対象として適地であるかどうか下調査しようと思い立った。

ロードバイクは折り畳み自転車より軽い重量の7kgのため、往復65kmは可能と踏んだ。それに分解して運ぶ袋が無い。ただロードバイクは前傾姿勢で視野も狭く、スピードが出るので事前準備が必要だ。1日かけて準備したが、 28−30日は強風で中止。順延した。

スタート地点の江ノ島の付け根にある境川の河口までは国道134号線の車道を西に向かえばよ い。2018/6/29江ノ電に乗るため、鎌倉高校前の踏切に向かうと眼前の江ノ島の灯台が消えている。たまたま強い南風に吹かれた雲が灯台を隠したよう だ。ここに住んで40年、海から多量のガスが湧きあがった経験はあるが、丁度江ノ島上空のかかる雲の発生ははじめての経験だ。

江ノ島 2018/6/29

このコースで難しいのは藤沢縦断である。以前、瞽女淵まで行ったときは、うかつにも車で知っ ていた藤沢橋までを国道467号線を北上し、藤沢駅地下道を通って東海道線を横断したが、自動車に悩まされた。今回は河口から自転車専用の土手道を東海道線にぶつかるまで北上する。しかしなぜか 此処には東海道線をくぐる立体交差は用意されていない。右折して線路に沿って東200mにある最初の踏切を渡って、境川の岸に戻り、川に 沿って北上することにした。自動車では走らぬコースのため、未知の領域だ。

東海道線をくぐる地点の少し下流の境川には東から柏尾川が合流している。境川の東側の津という谷を流れる神戸川(ごうどがわ)には大きなウナギが生息しているのを目撃したことがあるが柏尾川にもウナギが生息しているという。しかし境川はどうだろうか?遊行寺より上流には沢山の堰があってウナギの遡上を妨害しているから、難しいのかもしれない。

2018/6/29に藤沢に出かけたついでに徒歩でこのコースを歩いてみた。この道は生活に自転車を使っているママチャリ愛用者には常識らしく、俄然、沢山の自転車に遭遇する。


東海道線の踏切

境川の岸に戻り、川に沿って北上する道はどうも腰越や深沢から出発する鎌倉時代の鎌倉街道だった道のようだ。右手は遊行寺のある大鋸(だいきり)という高台になっており、境川がその麓を削っている。

右手の高台は大鋸

大鋸の裾の船久保町には庚申供養塔が並んでいる。藤沢橋に近づくと船玉神社の前にくるが、昔はこのあたりまで江ノ島から船が出入りしていたという。鎌倉三代将軍源実朝が船を造らせたとき材木はここから切り出したと伝えられる。大鋸には大鋸引き(おおがひき)という職人達が住んで船大工や玉縄城の御用をつとめていた。大鋸の山に登れば藤稲荷大明神という藤沢宿最古の稲荷があるという。

遊行寺に着いたついでに1418年に「上杉禅秀の乱」で戦死した敵・御方(みかた)供養塔を訪問。時宗は敵・味方を区別しないで両者を平等に扱っている。鎌倉の円覚寺も九段の靖国神社の様に敵味方峻別はしていない。


敵・御方供養塔

供養塔の前に小栗判官墓所入口とい石柱が建っている。小栗といえば説経節で有名。奥に向かうと遊行寺の裏手に長生院小栗堂というものがあった。フィクションの世界が現物として展示されている。

2018/6/30になるとようやく南風は穏やかになった。8:30に自宅出発。予定通り、鎌倉高校前から国道134号線の車道を西に向かう。小動岬を越えた神戸川から国道北側の広い歩道を行く。

小田急線江ノ島駅前から境川の西岸に入り北上を始める。鵠沼駅で江ノ電が境川を渡る鉄橋下は自転車専用道路も立体交差になっている。

鵠沼の立体交差

この後は2018/6/29の事前調査通りのコースを通って遊行寺前野の難所を越える。遊行寺を越えると境川に急瀬が現れる。これ以上の船の遡上は無理だと確認。

横須賀水道道の水道橋、横浜市水道局用アクアダクト、瞽女淵・土手番様、宇田川合流点を難なく通過。

更に北上すると和泉川との合流点に来る。左側には境川の遊水地用の堰があり、右から和泉川が合流。中央になるのは遊水地からの放流口。


和泉川との合流点

やがて上流に斬新な吊り橋が見えてくる。境川は遊水地用の堰のおかげで満々と水をたたえている。


斬新な吊り橋

更に北上すると右手に遊水地に水を導く溢流堰がみえた。


遊水地への溢流堰

斬新な吊り橋は遊水地の上流側に在り、その根本にトイレと給水ができる今田休憩所がある。こ こでボトルに水を足す。さらに上流にゆくと左手に巨大な建設中の遊水地があった。かっての水田を深く掘り下げている。自転車道はその溢流堰の上を走ってい る。遊水地の北端には相鉄いずみ野線の巨大な橋梁がかかっている。

いずみ野線を過ぎると桜並木があった。いずれも巨木で4月の花見頃は素晴らしいだろう。丁度小田急線湘南台駅の東の坂を下った当たりだ。



桜並木

更に北上し、県営「いちょう団地」を通過中、後輪がパンク。親切な人がどうしたと聞く。交換用のチューブは持っているが、空気ポンプを持っていないという と。炭酸ガスボンベ持ってるかと聞く。無論持っていない。ならばグーグルマップを開け、「近くの自転車屋」といえば教えてくれるよという。早速実行すると 坂を上りたところにある藤沢街道の下和田交差点の近くに「サイクルベース大和南店」があった。修理代金1000円というのでそこに預け、炭酸ガスボンベを 買うか迷うが、重い。それに炭酸ガスはもれてしまうという。手動式空気ポンプの方が軽いが、それでもそれを収納するものがないので断念。1時間かかるとい うのでまだ11:00だったが近くの「馬車道大和下和田店」でスパゲッティの昼食を摂って11:30に出発。坂を下る時、森田整形外科の前に「下の原遺 跡」の看板があった。この医院建設工事に伴う事前発掘調査で平安時代の穴居住居址3軒、掘立柱建物2棟や多数の須恵器などの土器が発見されたとあった。

北上を続けると新幹線鉄橋の下をくぐる。次に中原街道の下を通る。

更に北上すると厚木街道の境橋にいたる。ここには末日聖徒イエス・キリスト教会という巨大な教会があった。

北上を続けると相鉄本線にぶつかる。鉄橋とは立体交差のみちがないので左折して100mのと ころにあるトンネルを抜ける。北上すると「四万坂古戦場」という緑地帯がある。扇谷上杉氏の武将太田道灌の軍勢と、それを迎え撃つすぐ北にある深見城の軍 勢が両軍合わせて四万の兵が戦った場所という。

対岸に瀬谷本郷公園が見える親水公園にくる。ここでも給水しているサイクリストが1名。


対岸に瀬谷本郷公園が見える親水公園

更に北上すると東名自動車道の下を通る。さらに北上すると深見城山が川に迫っている。対岸には日本ロジテムという日清製粉系の運送会社の巨大な物流センターが見える。此処で厚木街道とクロスするが、平面交差で近くの信号機のあるところまで往復しなければならない。

更に北上すると田園都市線と交差する。2013/6/16に横浜水道道を探検したおり、この横浜水道の3本の鉄管が境川を横断しているのを目撃した。

田園都市線との交差


対岸は東京都となる。そちら側に移動して北上。西田金山緑地で小休止。



小休止

みちはやがて境橋に到着。ここからJR町田駅へはすぐ。そちらには向かわず真っ直ぐ小田急線の鉄橋まで進む。町田駅はJR横浜線と小田急線の乗換にしか 使ったことはないが、JR町田駅の境川縁には鶯谷駅界隈と同じく、Ailean DonanとかHotel ウィズなどというラブ・ホテルが林立していた。

小田急線の鉄橋を確認してUターン。あとはひたすらペダルをこぐ。行きには気が付かなかったが、南風に往生する。途中、ふくらはぎの筋肉が悲鳴を上げ始め、足が棒のようになってペダルをこげなくなる。しばらく歩いて筋肉を休める。

町田と南町田の中間点の運動場の給水点で八王子から江ノ島往復100kmに挑戦中という方と言葉を交わした。なるほど八王子から江ノ島往復100kmは3回に分ければ1日当たり15km程度となり、ウォーキング可能だと思い至る。

この自転車専用ルートは人気らしく、本日行き合った自転車マニアは数百人に上った。帰って、朝に塗った日焼け止めクリームが薄すぎだと気がついた。

境川(遊行寺より 上瞽女淵まで)

June 28, 2018

Rev. July 16, 2018


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