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シリアル番号 表題 日付

1446

糖尿病
2014/10/22

血糖値記録

引退前の60代からずっと中性脂肪が多く、糖尿病予備軍ではあったが、引退後12年間の72才まで、空腹時血糖値が基準値109mg/dlを超えることは なかった。ちなみに62才になった2002年の空腹時血糖値は109mg/dL、中性脂肪311mg/dLと150mg/dLを越えている。

2014年6月76才になり、内障手術を受けたとき空腹時血糖値が高いといわれた。幸いグリコヘモグロビンが許容値だったので手術はしてもらった。

2014年10月15日、念のため検査したところ空腹時血糖値が227mg/dL(基準値99mg/dL)であった。グリコヘモグロビン(HbA1c)は 6.5%(基準値4.2-6.2%)、インスリンが29.4μU/mL(基準値空腹時負荷前2.2-12.4μU/mL)、中性脂肪は187mg/dL、体重68kgであった。

とりあえず毎日1万歩、栄養士指導下で間食とアルコール類を絶ち、補助食品として大正製薬製の「グルコケア」(難消化性デキストリン)を毎食摂取して1月 後に血液検査をすることにした。難消化性デキストリンが体内に入ると糖の吸収に時間がかかり、食後の急激な血糖値の上昇を抑えた。 1週間の毎日のカロリーは最低1,150kcal、最大1,702kcal、平均1,340kcalをキープした。こうして1週間で3kg減量成功。間食 を絶ち、ごはんやパンを毎食80gr以下(240g/day)に維持して1月で4kgの減量に成功。体調はすこぶる良好。友人E.U.が有効とみとめた富士フィルムが開発した 「メタバリヤーNEO」がある。これはインド産の植物、サラシア属の抽出物で多糖類を単糖類に分解するのを抑えるため、糖の吸収が減るというがこれも高価 なのでテストしていない。

グリコヘモグロビンが減らないようであれば、細胞の表面にある、インスリン受容体(レセプター)の活性をた高めるためにGTFをふさねばならない。そのた めには三価のクロムの摂取が必用。だがクロムの吸収率はきわめて低く、吸収されたクロムの大半は尿へ排泄される。糖尿病などインスリン機能に異常が生じて いる状況ではクロムの尿中排泄量が著しく増加するため、クロム出納は更に大きく負に傾く。三価クロムと牛の初乳に含まれるラクトフェリンを結合させ、吸収 率の高い三価クロム、クロムラクトフェリンを摂取すると良いとされる。しかしこれも試さなかった。

1ヶ月後の2014/11/25の空腹時血糖値が111mg/dL、グリコヘモグロビン(HbA1c)は 6.2%、中性脂肪117mg/dL。食事改善ではこれ以上は無理と食後すぐの散歩励行を指示される。体重目的値は60kgとのこと。カフェインはインスリンを抑制するアドレナリ ンを分泌するので、食後のコーヒーは避けるべしという。しかしミトコンドリアを活性化するPGC1αを増やすので空腹時に飲むようにすべし。このコーヒーに関しては後にシリコンバレー流ケトン食の本を読んでひっくり返る。

2ヶ月後の2015/1/6の空腹時血糖値が103mg/dL、グリコヘモグロビン(HbA1c)は 5.7%、中性脂肪96mg/dL、体重62kg。ところがLDLコレステロールが144mg/dLと危険値を越えてしまった。総コレステロールは207mg/dLで正常値。医者は糖質を減らした分を脂肪で補ったのがいけな い。脂肪を減らしタンパク質を大目にすることを指示された。しかしこれは間違った指示だとあとでわかった。LDLコレステロールが増えるのは中性脂肪(トリグリセライド)がおおいためだ。そして中性脂肪は糖質の摂りすぎが原因だ。それでも一応油はリノール酸の 多い菜種油は高温で劣化するので避け、炒め物はオレイン酸の多いオリーブ油に切り替えた。天ぷらは生活クラブ生協の国産 プレンド菜種油を使っていたがリノール酸が高温で変質するのでこれもやめた。その後、米国の本を読んで脂肪はできるたけ中鎖脂肪酸にシフトした。

3月後の2015/4/2の空腹時血糖値が108mg/dL、グリコヘモグロビン(HbA1c)は 5.7%、中性脂肪91mg/dL、LDLコレステロールが128mg/dL、総コレステロールは189mg/dLと全てクリア。体重は63kg。「グルコケア」は毎食服用すると 胃が荒れるため朝だけにしている。夏になる頃はこれもやめてしまった。すると体重は徐々に増えて66kgになった。どうしても間食が多くなるためだ。

NHKによれば野菜を毎日切らさずに摂取すれば、好ましい腸内細菌が育種され、インスリン分泌のスイッチが入りやすくなり糖尿病にならないという。「腸内環境を整えて不調を解消する10の基本」にも同様なことが書いてある。
 
2016/1デイブ・アスプリーのシリコンバレー流「ケトン食事法」を読み、この方法のうち、朝昼は糖分をとらない方法を2週間継続した後、2016/2宗田哲男の「ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか」をよんで、コレステロールの心配がないことを知り、完全脱糖質に踏み込んだ。ご飯とパンと菓子をとらないだけで後は全てカロリーを心配しないで食べたいだけ食べるやり方である。

実は1年にわたって難水溶性デキストリンなど飲んでいたが食欲がなくなって味気のない人生となっていた。NHKのガッテン見て、とにかくキャベツや ニンジンを蒸した温野菜などを先に食べると空腹感が消えてかつ適度な食欲も残るという状態になっていた。温野菜を先にとるとご飯を食べたいとは思わなくなってい たので糖質ゼロは問題なくはいれた。糖質ゼロにすると運動をしなくとも体重は3週間で62kgに減少(標準は60kg)。体調はすこぶる好調。

2016/3/28 糖質ゼロ食に転換してから初めての血液検査を行った。空腹時血糖値は98mg/dL、HbA1cは5.6%、中性脂肪92mg/dL。当然ながら正常値。 米国糖尿病学会は2013年10月から糖質制限食を正式にみとめているのだ。日本の糖尿病学会は遅れている。江部康二著」「人類最強の『糖質制限』論」主治医は総コレステロール235mg/dL(130~219mg/dL)、LDLコレステロールが159mg/dL (70~139mg/dL)と若干基準値を超えていることで攻めてくる。LDLコレステロールは53mg/dLと正常。糖質ゼロにすると脂肪でカロリー供給するため血中の 脂肪が増えてコレステロールが増えるという間違った教義をバカの一つ覚えで繰り返す。主治医は金沢大学出で、先生の先生はコレステロールのノーベル賞学者の ため、コレステロール敵視陣営に属する。しかし主治医はコレステロール値に右往左往する必要はない という外 国の動向も知っていて、私の糖質ゼロという行為はモルモットになるということでOKをもらった。コレステロールの70%は体内で合成されるため、卵を沢山 食べても、体内合成が減るだけで、心筋梗塞が増えるわけでもないのだ。最近の研究によれば卵をたべたほうが、コレステロール値は下がることがわかってい る。心筋梗塞になる原因は体内のコレステロール合成調整メカニズムが狂うことが真の原因で医学はそちらの対策に傾注してほしい。同じことは高血圧塩分原 因説にも言える。モルモットであるから2か月後に血液検査する約束をする。精々野菜を沢山たべることにしよう。体重61.5kg、最高血圧 109mmHg、最低血圧69mmHg。

2016/5/20 日本糖尿病学会はグリコヘモグロビン(HbA1c)の目標値を従来の基準値4.2-6.2%未満から65才以上7%未満に変更した。

2016/7/4  市の定期健康診断の中性脂肪は131mg/dLで正常。空腹時血糖値が107mg/dL、LDLコレステロールが138mg/dL。体重は62kg、尿に潜血が+-。

2016/8/29 便秘に苦しんで、糖質ゼロ食から糖質制限食に切り替えて2回目の採血。空腹時血糖値が115mg/dL、グリコヘモグロビン(HbA1c)は 5.7%、中性脂肪130mg/dL、LDLコレステロールが150mg/dL、総コレステロールは229mg/dLと増え気味。体重は62kg。

2017/7/24 市の健康診断で、血圧116-72mmHg、空腹時血糖値が100mg/dL、中性脂肪121mg/dL、HDLコレステロールが46mg/dL(鎌倉市基準40mg/dL以上)、LDL コレステロールが149mg/dL(鎌倉市基準119mg/dL以下だが140mg/dL以下もある)。体重は62.9kg、心電図異常は前と同じ。糖尿病とは完全におさらばしたことになる。だが検査書のLDLコレステロール149mg/dLは昨年と変わりない。 しかも血圧は高くないし、中性脂肪も高くないので119mg/dLは過剰な数値だ。私は気にしないと医者にいうと、特に反論はなかった。だが確過去1年間、オリーブオイルと肉ばかり食べていた事は確かだ。いずれにせよコレステロールは体内で合成されるので、たべるものには影響を受けないのではないか?

2018/6/27 市の健康診断で、血圧113-68mmHg、空腹時血糖値が100mg/dL、中性脂肪144mg/dL、HDLコレステロールが44mg/dL、LDL コレステロールが123mg/dL。体重は65kg。心電図異常なし。総合診断は異常なし。

2020/10/13 市の健康診断で、空腹時血糖値が98mg/dL、中性脂肪91mg/dL、HDLコレステロールが54mg/dL、LDL コレステロールが76mg/dL。腎疾患要観察。総合診断は異常なし。


低糖質食

糖質ゼロといっても、ご飯とパンと麺類をできるだけ口に入れないことだけである。できるだけ調理した食品は買わず、素材から料理している。とはいえ味付けに COOPのトウモ ロコシ由来のブトウ糖・果糖入り昆布汁を使っているし、天ぷら粉も使っている。肉、魚、野菜の摂取量、脂肪の摂取量がふえるので食材費は増える。朝昼には コーヒーに中鎖脂肪酸含むココナッツオイルを大サジ1を浮かべて飲んでいる。蒸したキャベツやニンジンはどうせ安い菜種油を使っているかもしれないシー ザードレッシングをかける。ホウレンソウは必ずバターでいためる。野菜を炒めるときはオリーブオイル、天ぷらは米油を使う。米油は実は昔つかっていた菜種 油と同じヘキサン抽出で好ましくはないのだが、高温に強いし、オリーブ油は高価すぎるから。

豪州の試算では加工食品やソフトドリンクに含まれている砂糖は毎日160gに相当するという。自然素材を調理して食べていた若いスリムな男が自分をモル モットに市販されている加工食品やソフトドリンクスを2月間毎日2,300kal食べたら1月も絶たないうちに体重が5kg増え、砂糖が切れると禁断症状 が現れるということを発見したとか。だからごはんやめただけではだめで加工食品も制限しなければ厳密には糖質ゼロとは言えない。

すでに食品マーケットでは「ロカボ食品」(ローカーボハイドレート)が出回っている。例えばご飯に粒状コンニャクをまぜた(30g)やおにぎり (31g)、穀物の外皮を使ったロールパン「ブランパン」、糖質制限のクリームロール糖質量をメニューに表示する外食産業もある。こうして一日130g以 下に抑えるのが適切なのだが、あらゆる加工食品には糖質が調味料として添加されているため、一日130g以下に抑えるためには糖質ゼロを目標にしないと不 可能であろう。

山に入るときは「おにぎり」は持たず、缶詰めのコンビーフと生のニンジン1本持つ。外食では定食はとらず一品料理を選ぶ。カーネル・サンダースのフライド チキンの店(KFC)に入れば、ポテトチップスの代わりにコースロー、コカコーラの代わりにコーヒーとして2ピースのチキンをとる。KFCは過去に大豆油 を水添したトランス脂肪酸を使用していたが、トランス脂肪酸の害が明らかになってからは2007年4月以降、全店舗で大豆油を使用しはじめたとのこと。大 豆油はω-6脂肪酸であるγリノレン酸を50%含み、リノール酸の多い菜種油と同じ多価不飽和脂肪酸のため、あまり好ましいものではない。

糖質ゼロは糖尿病予防どころかビタミンDを併用することで花粉症やアレルギーがなおるという。そういえば2年前、血糖値の高い時、アトピーで苦しんだが、今年は全くその気もなかった。血糖値を低く保つことは寿命を延ばすばかりでなく、クオリティーオブ・ライフを高める。

糖質というシャブから自由になるには完全に関係を絶つにかぎる。日本の医療は適当にシャブを与えて、薬を売って儲けるというお上の認めたヤクザの世界だ。 ときどき私のように足を洗う人間がでるとと、コレステロールが危険レベルにあるよと脅して囲い込むという悪質な連中だ。「コレステロールを下げないと、心 筋梗塞になるよ」と脅迫す る。私はもとも と血圧も低かったのだが、糖質制限をしてないときは中性脂肪が高く、歩くと心臓に息苦しさを感じたものである。糖質ゼロ食にきりかえ、カロリーを気にせ ず、好きなものをたらふくたべるようになってから、血糖値が高かった頃感じた胸の苦しさ も消え、体重は7kg下がって標準になっている。糖質という麻薬から完全に足をあらった成果とおもっている。中途半端な糖質制限は、糖質エンジンが動いた り止まったりして、燃料切れで甘いおやつが頭のなかをちらちらするようになる。外出時、おにぎりや牛丼を食べたりすると糖エ ンジンに切り替わってしまい。しばらくすると、肝臓に備蓄の200-300g程度のグリコーゲン切れでパニックになり、もっと燃料供給せよと要求してくる。このスイッチングをさせないようにしなければいけない。まさに麻薬。思い切ってごはん、 麺類、パスタ、パンを完全に絶つと、エネルギー源がケトンエンジンに切り替わって、体重の30%もある脂肪を燃してくれるのでおやつの姿が頭をよぎることはなくなり、テーブルにおいてあるチョコ レートを見ても魅力的にはみえなくなる。こうして平安な心境になる。ケト ン・エンジンに切り替えるには中鎖脂肪酸のココナッツ・オイルが有効。門脈経由で肝臓に直接流れ込み、β酸化してケトン体に切り替えてくれるため、燃料切れで糖質が無 性にほしくなったときははこれで、飢餓感を一挙に消すことができる。ただC型慢性肝炎患者はβ酸化機能が阻害されているので糖質ゼロは脳がエネルギー切れになる恐れがある。

過去人類は170万年過ごしてきた長い歴史に戻るわけ。つらつら思うに、天皇が稲作を象徴する宮中儀 式にこだわるのは稲作が伝来し、糖質という麻薬のとりこになったことを象徴しているように見え始めた。これは好ましいことではなく、結果として糖質の害を カモ フラージュして国家公認のヤクザが跋扈するようになると私には見える。超尿病は日本だけでなく、世界の病気だ。2014年に世界で4.2億人が糖尿病患者だとい う。成人人口に対し8.5%である。人類が発生から万年、人間が穀物を食べるようになって2,000−4,000年しかたっていない。過剰糖分対策に我々 が進化の過程で獲得した情報物質はいまだインスリンしかないのだ。

わざわざ医者にでかけて血液検査結果をみせながら自ら人体実験と称して医者との論争を楽しむという自虐的行動にでて、糖質ゼロ食のインセンティブを維持し ている。長らく糖質ゼロ食を継続すると腸内細菌もこれになじみ、たまに麺類やご飯をとると、突然の変化に変調をきたし腹が張ったり、下痢をしたりする。

従来の説では血管内にコレステロールが蓄積しているという結果から短絡的に飽和脂肪が悪者と想像されただけの間違った対処法である。メカニズムはもっと複 雑である。内臓脂肪型肥満になると、免疫細胞のT細胞が老化して免疫機能が低下し、炎症を引き起こすオステオポンチンOsteopontinという骨の強 度や免疫にかかわるたんぱく質を大量に生み出すことがわかった。これが我々の体をむしばむのだ。内臓脂肪型肥満にならないためには日本の医学界が推奨する 糖質+カロリー制限法では全く意味が無く、糖質でエネルギーを得る方式から脂質でエネルギーを得るケトン型エネルギーサイクルに食事変換しないと、内臓脂 肪型肥満はなくならず、オステオポンチンが増えたままで、寿命は短くなる。また脂質も動物性飽和脂肪酸がいけないのでオリーブ油にせよなども無意味な対処 法である。



血糖値スパイク

以上の議論はすべて空腹時血糖値に着目したものである。ところが最近の知見では食後の血糖値スパーイクが心筋梗塞、アルツハイマー型認知症の原因になっているという。これを防止するには

@食事は食べる順番が大切。脂質、タンパク、野菜が最初。ごはんは最後。

脂質、タンパクを先にたべると消化管ホルモンのインクレチンが分泌される。インクレチンと総称されているホルモンとして、GLP-1やGIPがある。 GLP-1とGIPとはいずれも血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進する。2型糖尿病においてはGIPによるインスリン分泌促進作用は 障害されているとの報告がある。また、GLP-1は膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖低下に働くが、本作用がGLP-1によるα細胞への直接 的な作用なのかどうかは議論が分かれている。さらに、GLP-1は胃の内容物排出速度を遅らせ、満腹感を助長することで食欲を抑制したり、食後の急峻な血 糖上昇を抑制したりする作用がある。一方GIPは脂肪細胞にそのGIP受容体が存在し、脂肪細胞への糖の取り込みを促進することで肥満を助長させる。

炭水化物の摂取前に野菜を摂取すると、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の生産を刺激することが知られている。

タンパク質においても同様の現象がみられ、過去の研究では、食前に大豆タンパク質を摂取すると、食後高血糖を抑えられることが報告されている。ホエイ(乳 清)プロテインが食欲を抑える効果があり、インスリンを分泌させる効果があると報告されている。ホエイプロテインを摂取すると、腸のペプチドであるグルカ ゴン様ペプチド1(GLP-1)コレシストキニン(CCK)、グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)、レプチンの分泌を促進する。また、胃 のペプチドであるグレリンの分泌が抑えられる。さらに血中のインスリンレベルを増加させる。これらのペプチドやインスリンレベルの変化は、脳の視床下部に ある食欲に関与するニューロペプチドY(NPY)やプロオピオメラノコルチン(POMC)に作用して、食欲が抑えられる。

A朝ごはん抜きは昼食のスパイクを大きくする

B食後15分以降体をちょくちょく動かして、腸への血流を阻害する。



炭水化物を脂質に変えた時の中性脂肪値

「油を食べると中性脂肪値が上がる」「コレステロールを食べると血中コレステロール値が上がる」と考えがちだが、そんなに単純ではない。炭水化物、脂質、 たんぱく質、アルコールはエネルギー源になるので、これらをとり過ぎて肥満になれば中性脂肪値は上がる。一方、炭水化物のとり過ぎはダイレクトに中性脂肪 値を上げる。中性脂肪値を下げたい場合、低炭水化物ダイエットは効果がある。この研究は20年前にまとめられたものだ。中性脂肪値を上げるのは油ではな く、炭水化物だ。食事の総エネルギーの5%を炭水化物から3種類の脂質に変えたときの中性脂肪値の変化(mg/dL)は飽和脂肪酸-11mg/dL、一価 不飽和脂肪酸-10mg/dL、多価不飽和脂肪酸-12mg/dL。(総対象者数は682人、試験期間は14日間)



睡眠

も一つ、睡眠時無呼吸症候群にならぬようにマウスンピースを装着している。

NHKの「がってん」によると睡眠は毎日8.5時間とらねば膵臓がインスリンを出さなくなる。

睡眠D波が出る深い睡眠をとらねばやはり膵臓がインスリンを出さなくなる。普通の睡眠薬はGABAA受容体に作用するので依存形成のほか、服用後の記憶が ない健忘(記憶障害)、記憶がない状態での車の運転などの夢遊行動、起床後の眠気、悪夢などがあるので使わない方がいい。

使うべきはオレキシン受容体や、メラトニン受容体に作用する純粋な睡眠薬でD波が出る深い眠りをとればインスリンが出るようになる。メルクが開発したスボ レキサント(商品名ベルソムラ)は2014年8月13日にアメリカ食品医薬品局(FDA)によって販売が承認され、日本では2014年9月26日に承認さ れた。日本では習慣性医薬品に指定される。睡眠を促すのではなく、スボレキサントは覚醒状態を抑制するだけなので長期的に使用できる。ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系は抑制性の神経伝達物質GABAに影響を及ぼす。習慣性と依存性があり 短期的な使用が推奨される。


TRF(Time-restricted feeding 時間制限食事)

狭い時間帯、通常は6〜8時間の中で食事をするというもの。逆にいうと夕方18:00から8:00まで14時間は絶食する。就寝3時間前は食事をしない。そして断続的に絶食する。“何を食べるか”だけではなく“いつ食べるか”も重要である。

絶食はインスリンとレプチン感受性の正常化、人成長ホルモン (HGH) 産生の促進、酸化ストレスおよびトリグリセライドレベルの抑制など複数の驚くべき健康利益のある生物学的ストレッサーだ。南カリフォルニア大学の研究者た ちは、もう一つの利益を発見したと確信しています。それは幹細胞の再生だ。絶食開始後14〜16時間は、あなたの体は、筋肉と肝臓に蓄えられたほとんど全 ての炭水化物(グリコーゲン)を燃焼します。こうした貯蔵グリコーゲンが消費されると、体は脂肪を燃やしてエネルギーを得ようとします。断続的絶食は脂肪 を燃料として有効に燃焼させます。

絶食によりインスリンの働きが増加し、糖質を口に入れて血糖値が上がっても血管周辺の細胞が一時、糖をたくわえてくれるので血糖値スパイクが出にくくな る。絶食は運動と同じく細胞にストレスを与え、ミトコンドリアの機能を向上させ、長寿に寄与する。絶食時に脂肪を燃すケトン体エネルギーシステムに切り替 わるからである。脂肪は炭水化物よりもはるかにクリーンな燃焼剤であり、フリーラジカルの発生量もはるかに少ない。

グルコースは、脂肪よりも活性酸素種をはるかに多く発生するので、本質的に「汚い」燃料と言える。がん細胞は脂肪を燃焼させることはできない。これが高脂肪食が効果的な抗がん戦略として見なされる理由だ。

絶食のもう一つの効果は、オートファジーだ。この重要なプロセスがミトコンドリアに発生すると、ミトファジーと呼ばれる。この時、あなたの体は自分自身を整然と食べ始め、損傷部分を取り除く。

なにか恐ろしいことのようだが、このプロセスは健康的で、いわば身体の「ハウスクリーニング」のようなもの。ピッツバーグ大学メディカルセンター認定放 射線腫瘍学者のコリンチャンプ博士によれば、「それは身体に内在するリサイクルプログラムのようなものです。オートファジーによって私たちは、故障部品を 排除し、がんの成長を止め、肥満や糖尿病のような代謝障害を抑制するための効率のよい機械になる」

ミトファジーは細胞レベルで発生する。その際、細胞膜は破れ、健康な組織が再生され、不健康な組織はエネルギーとして消費される。新しいパーツが生成されることもある。このプロセスには体内の炎症量をコントロールする役割もある。

ミトファジーを模倣するもう一つの方法は、主に高品質のヘルシーな脂肪と適当な量の高品質タンパク、そして最小限の非繊維炭水化物を下のグラフの比率で混 合した高脂肪食を利用すること。このアイデアの狙いは炭水化物摂取量を減らして、身体が脂肪を燃料として選択せざる得なくすること。研究からこの食事が身 体のがん抵抗力を高め、糖尿病のリスクを減らし、一部の脳障害を抑制し、50%の子供たちにおいて少なくとも50%発作を減らすことが証明されている。

タンパク摂取量を監視することが野菜以外の炭水化物をカットするのと同様に重要であることを忘れないでください。身体が必要とする以上のタンパク質を食べ ると、あなたは幹細胞と免疫系再生に関わる経路の活性化を抑制することになります。これには、mTOR、PKA、IGF経路が含まれる。

文献:Time-restricted feeding is a preventative and therapeutic intervention against diverse nutritional challenges


砂糖の有害性、米国の業界団体が50年隠す

米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究者が、米イリノイ大などに保管されていた「糖類研究財団」(現・砂糖協会)の内部文書を調べ、でんぷ んの炭水化物に比べ、砂糖は心臓に有害だとする研究をバーミンガム大の研究者が出した。腸内細菌の代謝により、コレステロー ルや中性脂肪ができることも確認できそうだった。バーミンガム大の研究者は確証を得るため、研究の延長を求めたが、財団は資金を打ち切り、成果は公表され なかった。 70年の内部報告で、当時の幹部は「研究は業界にとって有益で意義のある情報を引き出すべきだ」と述べ、有害性を示唆した研究の価値は「無」だとし公表し なかった。

Rev.Oct. 13, 2020


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