パエリャ |
1971年のロンドン駐在の任務を終え、帰国の途中、ヨーロッパを漫遊した。 バルセロナの町を散策していたときウサギがカビの生えたソーセージなどとともに皮つきのまま天井からつるされて売られているのをみて驚いた。死んでから数日つるしておくと酵素の作用で旨みがますのだそうだ。にもかかわらずちょうど腹がへってきていたのだろう、街角の屋台で売っているパエリャなるものの美味そうな香に誘われて食した。
サフランで黄色く着色したリゾットの上に日本人は食しないムール貝が乗っている。気味悪かったが食べてみると食える。そもそもムール貝は明治以降の貿易の増加にしたがって船底についてヨーロッパから日本にやってきた外来種のため 我々はこれを気味悪がって食べなかったのだ。
帰国してムール貝を探したが通常の食材店ではみつからない。港の岸壁には沢山いるのだが採取はかなり危険を伴う。最近は日本でも外国経験の多い人が食べるようになったのかちらほら売っている店が増えてきた。
2000年3月、志摩スペイン村を訪問したとき、土産物屋でパエリャ用の平たい専用鍋を見つけて買い求め、以後しばしば作るようになった。 鍋についていたグリーンウッドアレンジのバレンシア風パエリャの作り方を紹介しよう。
材料(4人前)
米(ロンググレイン) | 2カップ(280グラム) |
茹ダコ | 100グラム |
エビ | 4匹 |
アサリ | 100グラム |
タマネギ | 1/2個 |
ニンニク | 1片 |
赤ピーマン | 1個 |
黒オリーブ | 適宜 |
水 | 2カップ |
ブイヨンの素 | 2個 |
サフラン | 適宜 |
ターメリック | 適宜 |
オリーブオイル | 適宜 |
レモン | 1個 |
準備作業
タマネギとニンニクをみじん切りにする。インゲンはへたをとり、赤ピーマンは種をとって細長く切る。アサリは洗って水を切る。
別鍋に米と等量の水を入れ、サフラン、ターメリック、ブイヨンの素を入れ、沸騰させてブイヨンの素を溶かし、スープを作る。
料理プロセス
パエリャ鍋にオリーブオイルを敷き、ニンニクとタマネギを炒める。米を加え、透明になるまで弱火で炒める。これをしっかりやらないと芯のあるご飯になる。インゲンと赤ピーマンを加えて炒める。別鍋のスープを加え、 エビ、茹ダコ、アサリ、黒オリーブを鍋の上に散らす。沸騰してきたら弱火にして蓋をし、20分間煮る。火を止め10分間蒸らしてレモンを絞って出来上がり。
ポイント
生米をスープだけで焦げ付かさずに炊き上げるためにはガスの火を極端に絞ることがコツである。 パエリャ鍋の代わりにホットプレートでも料理できるが上品に出来上がってしまいパエリャ鍋の野生が感じられない。
話はそれるがオランダの名物料理に蒸したムール貝をバケツ一杯食べる料理がある。2003年のアムステルダム訪問時、ダム広場近くのOud Hollandというレストランで挑戦したが夫婦でようやくバケツ一つ平らげることができた。
January 28, 2006
Rev. June 2, 2007