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内容 :魔術書「制約と再誕の書」に以下の文字が浮かび上がる。
父オーランジュより、愛娘マーコットへ。
この手記を読めるようになるころには、もう私はこの世には存在していないだろう。
愛するマーコットのため、この魔法書を残すこととする。
何から話していこう。
まずは、私自身のこと、母タンジェリンのこと、そしてマーコット自身のこと。話すことが多すぎる。
うまく書き留められるかはわからないが、順を追って書いていこう。
まず、この魔法書について触れよう。
これは制約と再誕の書、と名付けた。私の魔術の集大成となる書だ。
この書物は決して人手に渡してはならない。
お前が読めないうちは他人に読めないようにするために、ある仕掛けを施しておいた。
お前に残しておいた眼鏡をかけていないと文字が浮かび上がらないようにしてある。
ただし、一度読めてしまえば文字が固定されてしまう。
何度も読み返すと新しい発見がきっとあることだろう。
この魔術書は成長する。生きているのだ。
こういったデバイスをインテリジェントデバイスという。
この世にはこういったインテリジェントデバイスが多く存在する。探し求めるとよい。
次に、私自身について書こう。
おそらく、この手記を読めたなら、お前はある呪文の存在を見たかもしれない。
カース。これはお前には使えない呪文だ。
何故ならこの呪文はデーモンスクリームだからだ。
私は、かつて・・・ダークマジシャンとして、この世に対して多くの悪事をしてきた人間だ。
そのことについて、後悔はしていない。
ただ、タンジェリンと出会い、お前を授かってから、考え方が大きく変わった。
何かを生み出すこと、作り上げることの大切さを、タンジェリンから多く教わった。
それまでの私は破壊をすることこそが、真の自由を得る手段であると信じて疑わなかったが、
その考え方に自ら疑問を覚えるようになってしまった。
かといって、今まで自分がしてきたことが、それによって何か変わるわけでもない。
したことは事実であり、蓄積したものは、私自身を作り上げる元となっているからだ。
もしかしたらお前はダークマジシャンである私のことを許せないと思うのかもしれない。
そうであったとしても、私が今まで蓄えた知識、魔術が決して無駄ではないと思うので、
この魔術書をお前に託そう。
--おわり—
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内容 :魔術書「制約と再誕の書」に以下の文字が浮かび上がる。
手記2:
今日は、もう少し、魔術書やアイテムについて触れていこうと思う。
魔法のかかっている装備のことを、マジックアイテム、マジックウェポン、などと呼ぶ。
それらを総称してマジックデバイス、と呼ぶ。
多くの場合、マジックデバイスには大量の魔力と儀式が注ぎ込まれ製作される。
正常な手段で行うならば、はるか昔の古代の知識を多く使い、長い時間をかけて儀式を行い、
大量の魔力を消費することで、なんとか微力なマジックデバイスが生み出せる程度だ。
多くのダークマジシャンはこの方法は効率が悪いと考えた。
生贄を捧げることでその生命力や知力をマジックデバイスに注げないかと考えたのだ。
そうすることで生まれるマジックデバイスは強力なものであったり、時として知性を有する物が出来上がる。
そうした知性を持つデバイスはインテリジェントデバイスと呼んでいる。
お前が持っている眼鏡、制約と再誕の書は、インテリジェントデバイスだ。
残念ながら知性を有していても、表現する手段を有するとは限らない。
中には言葉を発する物や、念波で意思を伝えてくるデバイスもある。
いずれにせよ、生贄となった生命の意思が宿るわけだが、すべての思いが宿るとは限らない。
あくまでもデバイスであるため、生前の知識まで有してるかはそのデバイスごとによるのだ。
この分野で最も力があったのは、マーベラスという魔術師だった。
杖と剣の表紙の魔術書に書き留められていた呪文の数々は天才の領域といえた。
お前にも見せてやりたかった。今でもあの魔術結社で研究を続けているのだろうか。。。
マーベラスの研究の根幹には一人の少女の存在が重要だった。
マジックリアライザーという特殊な能力をもつ者が時折生まれる。
その能力は自身が思ったことが魔法となって出現する、というものだ。
通常は大変危険な存在なため、ギアスやフォビットマジックなどを付与された魔石を体に埋め込むことで
魔法を使えないよう処理される。
マーベラスは賢者の学院が秘匿していたマジックリアライザーを強奪して、なんらかの方法で
その魔法を作成する能力を使うことに成功したのだ。
その少女の能力さえ私も使うことができれば、あんなことには、ならなかったのに。。。
今日はこのくらいにしておこう。
--おわり—
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内容 :魔術書「制約と再誕の書」に以下の文字が浮かび上がる。
手記3:
この手記が読める頃には、高度な呪文も見えるようになっていることだろう。
おそらくこの魔術書の命名のきっかけとなっている制約の呪文なども見えているのではないか?
今日は、そのことと、タンジェリンについて話そうと思う。
タンジェリンは200 年前、カノンの危機を救ったエルフの英雄の一人だ、という話はしていたかと思う。
彼女は200年前にマーモの進軍を止めたその後も、カノン領内で起こる争いごとを仲裁したりする、真なる英雄的なエルフだった。
ダークマジシャンである私とタンジェリンは、カノン領内で何度か敵として戦っていた仲だった。
何度か戦いながら、罵声を浴びせているような仲ではあったのだが、不思議なことに、私は戦うのが楽しくて仕方なかった。
思えばこの頃から惹かれていたのかもしれない。
ある時、私は彼女の秘密に気が付いてしまった。
彼女は200年前の争いの際に、アークデーモン級の悪魔から呪いを受けていたのだ。
それはゆっくりと彼女の体を蝕んでいた。
ようやく敵の一人の弱点を知ったか、と私の中で黒い感情が生まれた。
それとともに、私の呪い以外で死ぬということに、たまらなく不愉快な感情も同時に生まれたのだ。
呪いで苦しんでいるタンジェリンにとどめを刺す気になれず、その場を後にした。
後日、また敵としてまみえた際も、もはや殺すのに苦労しない、と思うと、戦う気になれなくなってしまっていた。
そのうち、タンジェリンの体にどんな呪いがかかっているのか興味が湧いてきた。
いや、嘘だ。単純に彼女自身に興味を持ったのだ。
どのような呪いがかかっているのか?と問うてみた。
意外なことに、彼女は素直に呪いの話を私にしてくれたのだ。
まるでキマイラのように獣の体の一部が体に現れ、命を蝕む類の呪いらしかった。
そして蝕まれた命の火はそう長くない先に消えそうな状態だった。
それを境に、我々は、戦いをするわけでもなく、たまに会うような仲になった。
呪いはことのほか強力で、単なるカースではなく、ギアスとの複合に加え、様々な術式が複雑に絡み合うように
かけられているようだった。
この頃にはもう、私はすっかりタンジェリンを一人の女性として見ていた。
おそらくは彼女もそう思ってくれていたように思う。
私は呪いの正体を明らかにする、という言い訳をしつつ、何度も彼女との逢瀬を楽しんでいた。
そうこうしているうちに、恋仲となり、お前を授かった。
破壊ばかりを楽しみとしていた私に、命を育むという、新たな世界が開けたのだ。
魔術結社に所属していた私には、通常の家族を持つ、などという選択肢は持てなかった。
そのため、タンジェリンとマーコットは実験動物、という扱いで一緒に暮らすこととなった。
何度も喧嘩をしながらお前を育てた。
その2年の間、不思議なことにタンジェリンの呪いの症状は改善されたかのように静かになった。
それがどうしてか分かったのは、お前が2歳になったときだった。
呪いの症状はお前に移っていたのだ。
そう、お前の体に生えているものの原因は、元はタンジェリンにかかっていた呪いなのだ。
それを知ったとき、私達は苦しんだ。
タンジェリンですら肉体的に耐えられなかった呪いを2歳の乳児が耐えられるわけがない。
呪いの習熟者を気取っていた私でも、これはすぐには解除できない類だとわかった。
今までの研究などごみのように思えた。
ひとしきり嘆き悲しんだあと、私はあることを思いついた。
体を合成・分離することができたなら…。
呪いを健康な体に移し替えることができたなら…。
そのために生贄の体に呪いを一手に引き受けさせることができるのではないか…。
その話をしたとき、タンジェリンは怒り狂った。
我が子のためとはいえ、誰か他人の命を粗末に扱ってはいけない。
そんなことなら自分が、呪いを引き受ける、と。
そして我々は、ある計画を実行に移した。
タンジェリンとお前の体をいったん融合させ、呪いの大半をタンジェリン側に移したのち、再び体を分離することにしたのだ。
実験はおおむね成功した。
一部どうしても移らない部位が出たが、命に係わる呪いはお前の体から取り除くことに成功したのだ。
そういう意味ではお前の体は、お前であり、タンジェリンでもある。
お前の体に一部ある部位、耳や腹部の目は間違いなくタンジェリンそのものだ。
どうか大事にしてほしい。それがタンジェリンを救う最後の手段となる。
分離された呪いの集合体はキマイラのように変質し、暴走をしてしまった。
もはやタンジェリンではない別の生き物となっていた。
呪いを凝縮し、移動する術式が悪影響を与えたのか、魔術結社で行っていたほかのキマイラ実験や
マーベラスのインテリジェントデバイス実験にも悪影響を与え、それぞれが暴走を始める事故が起きてしまった。
私はその時、お前とタンジェリンが合成された体を抱え、魔術結社から逃げ出した。
いつかは逃げ出さなければ、お前たちの体を実験体として使われてしまう可能性があったからだ。
それ以降、人目を忍んで、隠れ住むようにカノン内を転々とした。
気がかりなのは、魔術結社に残してきたタンジェリンの呪いが暴走したキマイラだ。
あれもタンジェリンだと思うと、せめて安らかに眠らせ、供養してやりたかった。
魔術結社はカノンのカドノアから西にいったナザール山脈のふもとにあるカタコンベにある。
もし、いつか行くことができたなら、キマイラのために花を手向けてやってほしい。
-おわり-
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手記4:
今日はとても大事な話がある。
ひらめいたのだ!
これを思いついた時には、天から稲妻が落ちてきたのかと思ったほどだ!
まず、マーベラスが作った魔術書を探し求めるのだ。
杖と剣の表紙の魔術書だ。おそらく魔術結社に残されているのではないかと思う。
この魔術署はインテリジェントデバイスに関する呪文の集大成といっていい。
この魔術書なくしてこの計画は成り立たない!
この仕掛けを成立させるには、知性あるデバイスが最適だ。
これは未来のお前が使うための仕掛けでもある。
必ず手に入れるのだ。
そしてもう一つ、
こちらも魔術結社に行けばなにかしかヒントがつかめるかもしれない。
これは合成獣を合成・分離するための魔術書だ。
様々な獣のパーツが表紙に記載されている魔術書だ。
そして最後に、今持っているこの魔術書。
これは決して人に渡してはならぬ。
特にマーモ軍にいる魔術師には決して渡してはならぬ。
これは大事なことだからこの書物だけでなく折に触れてお前に直接伝えなくてはならない!
ああ、だがしかし、幼いお前ではまだこれが理解できるはずもない。。。。もどかしい。
実にもどかしい。
これらを組み合わせることで、お前にかけられている呪いを、
生贄ではない他のものに移し替えることができ、
さらにお前の体に埋め込まれたタンジェリンの体を分離し、
蘇生をする道筋が整ったのだ!
全ての制約をコントロールし、そしてタンジェリンを再誕させる。
そう、それがこの制約と再誕の書なのだ!
私はこの呪文をもう使うチャンスはない。おそらく私の体は長く持つまい。
これはある種の毒物による作用に思える。
おそらくはマーモ軍の魔術師がこの書を盗むために結社内にスパイを送り込んでいたのだと思う。
悔しいが、この魔術の数々はお前に託す。使いこなしてくれることを望む!
3つの魔術書を紐解き、真理に到達するのだ!
--おわり--
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内容 :魔術書「制約と再誕の書」に以下の文字が浮かび上がる。
Aqwsedrftgyhujikolp;@:
Zasxdcfvgbhnjmk,l.;/:
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手記5:
この間は興奮のあまり、いろいろ大事なことが抜け落ちていたかもしれない。
最近は文字を書くのも苦しくなってきた。
おそらくこれが最後のメッセージとなろう。
マーモ軍の、バグナードという魔術師には決して近づくな。
奴は自らにかけられた制約の呪文を解くためなら何でもする男だ。
この魔術書には、制約を解放する一つの手段が記されている。
この存在を悟られれば、お前の命が危ない。
けっしてこの呪文を知られてはならぬ。
その呪文は、トランスファーギアスだ。
もう一つ。
この魔術書には相当な難易度の呪文が隠されている。
お前が遥か高みに達したなら、この呪文を使うことができるだろう。
ただ、一つ、その呪文には、大きな賭けが残されている。
私にはそれは結局見つけられなかった。
お前なら、それをきっと見つけ出してくれると信じて。
この魔術書をお前に託そう。
愛するマーコットへ、父より。
--おわり--
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wt@n:
fd@・jdw
0qdfーyw@r
ん5jrt
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syuki:
ohatuniomenikakaru
watasihamajutusyodearu
inotinonokoriganakunarutoki
watasihaishiwoeta
syoyuusyanitugeru
watashihamoujikisinu
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最後の手記:
あなたは魔術の高みへと上り詰めたといえよう。
われを製作したかつてのマスターの目的はおおむね達成できよう。
もう私は必要なかろう。
われはこれより書物となる。
今後は自分自身の魔術書を作るがよかろう。
貴方は自由だ。
さようなら。
魔術書より
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