呼吸は、意識すれば深さや長さなどを自由に変えることができます。
そして、呼吸を意識的に変えることで、心や身体に大きなプラス作用が
出てくるのです。
浅くてせかせかした呼吸をしていると、不安感情が搔き立てられますが
呼吸をゆっくりすると、脳にセロトニンが充満します。セロトニンは、
精神を安定させる作用があると言われています。
呼吸法は「深くてゆっくりとした呼吸を繰り返すことで、心身の機能を
回復させる」運動ともいえます。
私たちは、何気ない日常会話の中で、呼吸に例えた慣用句を使います。
(息を含む慣用句例: 息が切れる · 息が合う · 息が掛かる · 息が 続く ·
息が詰まる · 息が通う · 息が長い · 息もつかせず · 息を 凝らす ·
を吹き返す · 息を呑む · 息を弾ませる · 息を抜く · 息を殺す · 息を潜
める · 息を継ぐ · 息を詰める etc.)
まさに息の仕方は生き方ですね。ですから呼吸に意識を向けることは、
とても大切です。ここでは「呼吸に意識を向ける瞑想法」と「呼吸と黙
想を組ませたエクササイズ」を紹介します。

呼吸に意識を向ける
瞑想は、ふだん無意識に行われている呼吸を意識することから始まりま
す。呼吸しながら鼻の入り口と上唇の感覚を意識します。
①深い呼吸を10回繰り返します。息を吸っている時、吐いている時の
息の量・温度などに集中します。
②その後自然に呼吸します。コントロールしないで身体に任せます。
③鼻の奥やのどの奥に感覚が集中したら、鼻・上唇に意識を戻します。
胸に集中すると潜在意識の扉が開かれ、コントロールが利かなくなる可
能性があります。
④不安を感じたら、目を開けて始めからやり直します。
*途中で「気持ち良くなる」なら、それは感覚ではなく感情なので、感
覚から反れて、気持ちよいという感情を感じたことを意識して、元に戻
ります。
*想像で作りだした感覚の場合、体中どこでも同じ感覚を感じます。本
当の感覚なら身体中が同じということはありません。
*何故か?といちいち考えません。ただ感覚を意識するだけです。
*うまくできているか、これでいいのかなどと気にしないで、あるがま
まを感じます。イメージが浮かんでもそれを捨てます。そうしないと幻
覚に入ります。
*感覚をありのままに受け入れます。注意深く、忍耐強く,平静に。
*自分で呼吸をコントロールしません。コントロールするという気持を
捨てましょう。どんな感覚でも受け入れます。
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振り返りと分かち合い
①10回深い呼吸をした時の感覚はどうだったか。
②ふつうの呼吸に戻った時の感覚はどうだったか。
③途中で感覚がなくなったなら、それからどうなったか。
④鼻のどんな所で感覚を感じていたか。
⑤その他気付いたこと ⑥分かち合い
完全呼吸法
完全呼吸法とは、腹式呼吸、胸式 呼吸、肩(鎖骨)呼吸、クンバク
(息を止める)を組み入れた呼吸法です。吸息、保息、吐息の割合を
1:2:2で行います。(理想は1:4:2の割合です。)
①吸息:鼻から静かに息を吸い込む。胸一杯に肺底まで吸う。
②保息:吸い込んだ息を下腹(丹田)に押し込む。
その際に肛門をしめて丹田に力を込め、息を止めたま まを保つ。
(保息の間「丹田に宇宙の無限の力が収められた。全身に満ち渡り、
全身が蘇り、健康になった」と黙想し、宣言する。)
③吐息:肛門の力を緩めて、鼻から細く長く息を吐き出す。
お腹の力を静かに抜いて、お腹をへこませる。
(吐息の間「全身がきれいになった。全身の細胞が若返った」と黙
想し、宣言する。)①~③を繰り返します

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