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8日目

マラングゲート付近

下山

最後のミキ(ポーター)の朝食を食べてのんびりと出発する。 体調が戻ってきたとはいえ、だらだらした長い下りで、 一昨日の体調でよく登ってきたものだと思う。 下山途中にケニア山に登ってきたアルパインツアーグループに会う。 リーダーと少し話をすると、そちらのメンバーにもお腹の具合が悪いという人がいた。しかし、様子を見ると私からすれば全然元気そうに見えたが、こっちは感染性胃腸炎(その時点では当然知らなかった)などという困った病気なのだから違って当たり前だ。

下る途中で休憩したところでミキが「チップはどうなるのか不安だ」と彼なりに勇気をだして聞いてきた。 「チップとクリスマスプレゼントを用意してあるから大丈夫。 下りたら渡すよ」と言うと、機嫌良く「二人の写真を撮ってあげるよ」と言ってきた。 ちなみに写真には慣れていないらしく、フレーミングがずれていた。。。

マラングゲートについて、ミキへのチップとお土産(ダクロンのTシャツ、チョコレート、クッキー、ボールペン、靴下など)を渡した。 相場よりもかなり高いが、病気の身で唯一頼れる人間だったのだから今でも全く後悔していない。 ポーターが客にチップを要求することを、 ポーターの雇い主などは非常に嫌っているらしく、 ミキにそれらを渡しても喜ぶよりも周囲の目を気にしているようだった。 雇い主の方がもっとしょうがない連中なのに、 結局どこに行っても資本あるやつがでかい顔をしているのだ。 その連中が言っていることを真に受けて、「チップは必要以上渡さないようにしよう」などと書いてあるガイドブックもどうかしてると思う。

リーダが別れ際に「下山したら彼らを頼れば大丈夫」と言った、 ライオンズサファリのメルキオリとニカスはどこを見ても見あたらない。 ミキは前の日にポーターにメモを持たせて、ライオンズ・サファリに渡すように言ってあったそうだが、やはりこういう通信手段ではありがちなことだ。 しばらく途方にくれていると、メルキオリの弟とその友人、という人間が現れて「ニカスはどこかに行っていて、メルキオリは母親が死んだから家に帰った。アルーシャのホテルに行くにはそこらへんの連中に私が頼んでUS$100くらいだろう。このそばのキボホテルまでだったらUS$10くらいで、明日ライオンズ・サファリの車でアルーシャまでただで行ける」とにわかには信用しにくいことを言ってくる。 その場で唯一信用できるミキに小声で「こいつらは本当にライオンズ・サファリの関係者なの?」と聞くと「こちらのGentleMan達の指示に従うといいだろう」とのこと。 「こんなどうみてもチンピラみたいなののどこがGentleManなの?」と思いながらも、ミキのおかれている雇われの身という立場がよく理解できた。。。

非常に不安だったが、US$100は高いのでキボホテルに行くことにした。その後の無駄な時間を思えば、そんなお金をケチらずにアルーシャに行けば良かったのだが、その時点ではキボホテルよりも安い宿に泊まろうかと思っていたほどなので、しょうがないかも。 キボホテルは山麓のホテルなので、今まで泊まったところに比べると質が低い。 しかし、従業員は悪い人たちではない。 ホテルまで送ってもらった車にストックを忘れたことを思い出したので、受付に頼むとゲートに電話をしてくれて、一時は完全に諦めたストックは、レンタルストックに化けることなく無事に戻ってきた。

値段US$90を払って部屋で冷たいシャワー(一応電気の温水装置がついているが気休め程度)を浴びた後で、ロビーで久しぶりのジュースを飲んだ。 まだ体調が戻ったわけではないので、ジュースを飲めばよくないことは想像できたが、ずっと我慢していたのでついに飲んでしまった。 「久しぶりのコーラは最高だなぁ。。。」と思いながら飲んでいると、先ほどのメルキオリの友人という人間が現れて、隣にいる人間を「これがメルキオリだ」と紹介した。

明日の迎えに来る時間など決めると、彼らはビールを飲み始めた。どうみても今日母親が死んだ人間には見えない。 その後彼らと会話をしてつくづく分かったことだが、 彼らは平気で嘘をついて言い訳をする。 約束の時間に間に合わなくて外国人が怒ったときの定番は「家族が死んだ」らしい。 今回の旅行でも何回か従業員の家族が死んでいたが、 会話などをした感じだとほとんど嘘だったようだ。 ポレポレが彼らにとっては普通で日本人が時間にうるさすぎるとか、嘘をついて言い訳するのは彼らのプライドだ、などといった文化論はあるだろうけど、ともかく日本人としては真に受けて信じてしまうと後で非常に大きな不満が残るので、話半分に聞いておいた方がよいだろう。

具合が悪くなって一週間近くなるが、相変わらず食欲がない。 贅沢に出てくる夕食を適当につまんで、久しぶりの柔らかいベッドで睡眠。。。
S15,041歩、Y14,645歩。


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