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9日目

マラング出発

この旅で最も不満に思うことが多かったが、 最もアフリカ人、アフリカ文化を感じた一日かもしれない。
キボ・ホテルで朝食を食べた後、約束の時間から待てど暮らせど、ライオンズサファリは迎えに来ない。 1度、昨日のメルキオリの謎の友人が現れて「彼らは後で来るから」と言って姿を消した後も、 ホテルのロビーで「なんでこんな無駄な時間を過ごさなきゃいけないんだろう」と思いながら何もせずに2時間が過ぎた。

キリマンジャロに登るらしい日本人の団体もとっくにいなくなったのに、彼らが現れる気配は全くないので、ホテルのフロントにマラングゲートに電話をしてもらった。 電話がつながるとなんとニカスが話していた。 「いるんだったらさっさと来てよ」と思いながらもこちらの状況を話すと「今から迎えに行く」とのこと。

しばらく待つとニカスが現れた。 「やっとアルーシャに行って、少しは有意義な時間が過ごせる」 と思ったのもつかの間、「マラングゲートに戻る」と言う。 ゲートに着くと今度は「昼飯食べるか?」と聞いてくる。 「朝飯を食べてからやったことは、あなた達を待っただけだ。 早くアルーシャに連れてってくれ」と言うと 「30分だけやることがあるから待ってくれ」とのこと。 「そっちの事情があるならそれを先に言ってちょうだい」と思いながらも「だったら滝でも見て時間つぶすよ」と答えると「この男をガイドとして連れてっていいよ」と若い男を指さす。 「近くでしょ?いらないよ」と言うと「無料だから連れてってくれ」と無理矢理ついてきた。 「なんだこいつは」と思っていると私たちの前をとてものんびりと歩いていく。 どうやら彼は時間稼ぎを任されたようだ。

ごまかされるのは嫌だったから、 必死にコーヒーを勧める彼を適当にあしらって、 ニカスが言っていた時間の30分で車に戻ってきたが、 運転手がいない。 滝ガイドの男に言ってなんとか運転手を見つけると、 今度は「ニカスを連れていかなきゃならないけど、彼の用事が終わってない」とのこと。 運転手にニカスの場所を聞きただすと「公園事務所にいる」との答え。どうやら入山者の手続きをしているようだった。 公園事務所にノックして入ってニカスを見つけ、 「もうあなたの言った30分はとっくに過ぎて、1時間以上も待ってるのに、いったいいつまで待てばいいの?お願いだから守れる時間を言ってちょうだい」と言うと「今度は本当に10分だ」と言う。 結局それから20分ほどしてやっとマラングゲートを出発することができた。


アルーシャ

アルーシャのホテルまでの間に「食事でもするか?」という質問を何度かされたが、早くホテルに着きたかったし、一度休んだらいつ出発できるか分からなかったので、拒否した。
やっとホテルに到着すると「しばらくしたら土産物屋に行こう」とのこと。 「私たちはうれしいけど、ニカスは仕事があるんじゃないの? 運転手だけでも問題ないけど」 と聞くと「問題ない」との答え。 忙しいのかどうなのかよく分からない。
「じゃぁ、しばらくしたらじゃなくて、今すぐ土産物屋に行こう」 ということになって、土産物屋に向かった。

一軒目の土産物屋はいつもアルパインツアーが利用してるらしいお店だったが日曜日なので休み。日本ではちょっと考えられない話だ。
次のお店はちゃんと営業していたので、一安心。 久しぶりの有意義な時間な気がする。
お土産を見ているとニカスが「30分くらいここにいるよな」 と聞いてくる。うなづくと「じゃぁ、私たちは食事してくるから」とのこと。 あれほどまでに私たちに休憩させたかったのは自分たちが食事をしたいからだったようだ。

ホテルに戻り、ラウンジで本当に久しぶりのフレッシュジュースを飲みながらくつろぐ。 昨日のキボホテルよりは(立地も値段も違うから当たり前だが)何倍もゆっくりできるホテルだ。 まだ立って歩き回っていると気持ち悪さがでてくるので、 ソファーに座っているのは非常に快適。 「今回の病気のせいでいったいいくらくらい損したんだろう」とか「明日は登ったメンバーとの再会かぁ」などと、考えてもしょうがないことを考えたりしながら、夕食(だいぶ食べれるようにはなってきた)をすませて、就寝。
S5,144歩、Y4,658歩。


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