NORTHERN SOUL |
ノーザン・ソウルと言うと、イギリスではロンドンの北、マンチェスター等の都市で好まれて聴かれているソウルのことを言うらしいですが、ここではアメリカを南北2つに分け、その北の地域の臭いのするソウルのことを指します。
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Favorite |
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Artist |
Martha Reeves
& The Vandellas |
Title |
Live wire!〜The
Singles1962-1972 |
Label/No. |
Motown/37463-6313-2=CD |
60年代デトロイトと言えばモータウンですが、その中で一番好きなアーティストは?と言われて真っ先に頭に浮かぶのが彼女達。マーサ・リーヴスの張りのあるリードに、他のメンバーの絶妙なコーラス、ホーランド=ドジャー=ホーランドの曲の格好良さを最も上手く表現しているんじゃないかと思います。このアルバムを聴いていると、バックが時代が新しくなるにつれて、どんどん格好よくなっていっているのも、手に取るように分かります。あと、60年代のモータウン・サウンドの魅力の一つに独特なエコー感が挙げられると思うのですが、どうでしょうか?
この2枚組CDは彼女達のアンソロジーといった趣、音的にもリマスターにライノで有名なビル・イングロットが関わっているからか、ぶっ太く、音圧も凄く問題無し。
それにしても、「Heat Wave」、「Quicksand」、「Live Wire」、「Nowhere to Run」、「Dancing
In The Street」、「Motoring」、「Jimmy Mack」、、、ソウル・クラッシクの塊。 |
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Artist |
The Impressions |
Title |
People Get Ready |
Label/No. |
MCA
ビクター/MVCM-22033=CD |
シカゴを代表するソウル・アーティストと言えばカーティス・メイフィールド。彼が60年代を通じて所属していたインプレッションズのアルバムは現在CDで気軽に聴くことが出来ます。お薦めは幾らでもありますが、1枚となると65年作のコレ。
1曲目、スネアの連打からホーンが絡んでいく「Women Got Soul」から、これぞシカゴ・ノーザン!と言ってしまいたくなるサウンドで、ロッド・ステュワートにカヴァーされたタイトル曲、ホリーズのカヴァーも超格好イイ「You
Must Believe Me」などシカゴ臭たっぷりの1枚。
個人的にはLPではB面にあたるタイトル曲からの流れが好み。 |
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Artist |
Major Lance |
Title |
UM,UM,UM,UM,UM,UM |
Label/No. |
EPIC
ソニー/ESCA 7510=CD |
メイジャー・ランスのこの盤はカーティス・メイフィールドの曲を集めた64年の作品。カーティスのリードは正直言って、味はあるけど頼り無さも感じさせることがありますが、ランスの声はそんな欲求不満を吹き飛ばすような、見事な歌いっぷり。「The
Monkey Time」は60年代シカゴ・ソウルの金字塔、明るいカラっとした歌いっぷりの中にも、何か憂いも感じさせる彼の声はカーティスの曲を表現するのにうってつけと思います。 |
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Artist |
Honey Cone |
Title |
Take Me With
You + Sweet Replies |
Label/No. |
Pヴァイン/PCD-4956=CD |
70年代デトロイト・ソウルといえばH=D=Hが設立したインヴィクタス/ホット・ワックスレーベルは外せない存在。そのレーベルを代表する彼女達はマーサ&ザ・ヴァンデラスの流れを受け継ぐ、エドナ・ライトを中心とした3人組女性グループ。因にエドナ・ライトはスペクター・サウンドに欠かせない、ダーレン・ラヴの妹。
モータウンとはまた違って、エキサイターをかけたような、硬質で独特のエッジのあるバックのサウンドとエドナ・ライトの伸びのあるリード・ヴォーカルの相性のよさからくる気持ちよさは、他では味わえないもの。アレンジもかなりスッキリしていて、その乾き切ったバックにツヤのある彼女のヴォーカルが本当に瑞々しく浮かび上がって聴こえて来て、そのコントラストは見事。
このCDでは彼女達の1枚目と2枚目のアルバムの収録曲が5曲ダブるので、1枚目(70年)に2枚目(71年)のダブらない曲をカップリングしたというお得盤。ダスティ・スプリングフィールドの「Son
Of A Preacher Man」、フィフス・ディメンションの「Aquarius」などカヴァー・センスもいいけど、やはり「While
You're Out Looking For Sugar」、「Want Ads」などのオリジナルが聴きもの。 |
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Artist |
Freda Payne |
Title |
Contact |
Label/No. |
Pヴァイン/PCD-4961=CD |
マーサ&ザ・ヴァンデラス〜ハニー・コーンの流れが成り立つなら、インヴィクタスのフレッダ・ペインは60年代のダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスの70代的な存在といえるアーティスト。ということで、同じレーベルのハニー・コーンと比べると、かなりポップ寄り。
71年の本作はライナーによるとトータル・アルバムになっているということで、イントロにストリングスをこれでもか、と被せたりした矢鱈ドラマチックな展開のある曲も多いです。私自身はこのアルバムの捉え方は「I
Shall Not Be Moved」、「Bring The Boys Home」、「Cherish What Is Dear
To You」が収録されているアルバム、ということになります。「I Shall Not Be Moved」のヴォーカル、リズム、ストリングスの絡みの格好良さは格別。 |
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Artist |
Curtis Mayfield |
Title |
Curtis/Live! |
Label/No. |
ジムコ/JICK-89414=CD |
ニュー・ソウルに今一つピンと来ない私には、ソロになったカーティスに対しても「ABCパラマウント時代インプレッションズの方がいいのでは?」と、思うこともしばしば。そんな中、ソロになってからのアルバムで気に入っているのが、このNYビターエンドでのライヴ盤。バックはドラム、ベース、ギター、パーカッションに本人(ギター)と至ってシンプル。だけども貧弱という印象は感じさせず、グルーヴィー。がつんとくるんじゃなく、ジワジワと聴き手の心を温めていくような、そんなサウンド。いつ聴いても期待に応えてくれます。 |
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Artist |
The Voices OF
East Harlem |
Title |
Can You Feel
It |
Label/No. |
Vinyl
Experience/UFOXY6CD=CD |
カーティスの後を継いで、インプレッションズのリードも務めたリロイ・ハトソンが、プロデュース、アレンジした男女混成グループの74年作。タイトル曲は今一つ馴染めないのですが、それ以外の曲はアナログ盤なら擦り切れていること間違いくらい聴いた愛聴盤。いい意味で単調なリズム隊に、鍵盤、ストリングス、ホーン類も程よい加減で、それに柔らかいヴォーカルが絡むと言った感じ。聴いていて疲れないし、曲もメロウで、個人的には大好きなアルバム。 |
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Artist |
O'jays |
Title |
Back Stabbers |
Label/No. |
ソニー/SRCS
6367=CD |
フィリー・ソウルと言えばオージェイズ。これは彼等の72年の作品で彼等のというか、フィリーを代表するアルバム。タイトル曲「Back
Stabbers(裏切り者のテーマ)」はタモリのテレビ番組のテーマ曲になっていたこともあった。これでもか、と幅をきかせるストリングスとヴォーカルのせめぎ合いが、いかにも、と言った感じで面白い。イントロのノーマン・ハリス必殺のギターも痺れる「Love
Train」は高揚感溢れる一曲。ヴォリュームをつい上げてしまい、近所迷惑になるのが難点か? |
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Artist |
Laura Nyro |
Title |
Gonna Take A
Miracle |
Label/No. |
CBS
ソニー/CSCS 6058=CD |
なんで、ローラ・ニーロがノーザン?と思われるかも。71年の本作はギャンブル&ハフプロデュース、バックはMFSBの主要メンバー、コーラスにはラベル。そのような布陣のもと、主にノーザンのR&Bカヴァー集という、ある意味夢のようなアルバム。個人的にはこのアルバムを聴いて60年代ソウルが面白く聴けるようになった、ということで60年代ソウルへの入り口の役割になったので、ここに入れました。
特に、メイジャー・ランスの「モンキー・タイム」は最初オリジナルを聴いても古臭さしか感じることが出来なかったのに、このアルバムのカヴァーを聴いて、オリジナルを聴き直すと、格好良く感じるようになって、びっくりした思い出があります。お陰でインプレッションズなどの他のシカゴ・ソウルも聴くようになったという、オマケまで付きましたが。とにかく私にとっては真にミラクルなアルバムです。 |
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Artist |
The Jones Girls |
Title |
The Jones Girls
+ At Peace With Woman |
Label/No. |
Repertoire/REP
4315-WZ=CD |
元々PIRからリリースされていた79年、80年作のアルバムをカップリングしたCD。最盛期の頃のフィリー・サウンドに比べると、スッキリしたサウンドで、ディスコ・サウンドを通過した、いかにも80年代的な硬質なサウンドになっている。そんなバックを従えた彼女達のコーラス・ワークはスリル感がありながらも全くスキが無い。 |
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