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アテネ五輪期間中連載コラム
「五輪記者」 |
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アテネ五輪 第15日 |
サッカー日本代表ジーコ監督は、中国でのアジア杯で「ピッチで決着をつけよう!」と言ったが、原稿やメダル数で決着をつけるわけにいかない私は、アテネで途方に暮れている。アテネ五輪もいよいよ終盤に入ったが、「中国戦」はまだ終わっていない。
仕事をするプレスセンターには1,000人近いメディア関係者が集まり、その圧倒的多数を、北京五輪を控える中国記者が占める。日本や他国記者は寄り添い慰め合っている、と表現したら笑われるだろうか。 人数だけではない。何たって気合いが違う。彼らの何人かは「勇敢是金」と書かれた揃いのシャツを着て原稿を書き、国歌の携帯着メロも聞こえる。 もっとも、ここでは楽しいこともある。SAMはサモア、PLWはパラオ、彼らは国の唯一人の記者としてファックスで記事を送っている。STPという国(アフリカのサントメプリンシペ民主共和国)があることも初めて知り、五輪初の特派員は持参した藁半紙を名刺に、名前と住所を書いてくれた。 メキシコ記者は、我が国はまだ銀メダル2つと嘆く。野口みずきが金メダルを獲得した翌日、彼は、感動したよ、とコーヒーをご馳走してくれ、初めて自分の話をした。なんと、モントリオール五輪競歩20キロの金メダリスト(ダニエル・ロカ氏)だった。 (東京中日スポーツ・2004.8.27より再録) ※五輪開催期間中の金曜日は連載コラム「セブンアイ」として掲載されています。 |
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