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サッカー Jリーグプレシーズンマッチ 浦和レッドダイヤモンズ×ロサンゼルス・ギャラクシー
DFには井原正巳(磐田から)、FWにはトゥット(東京から、前期までは「ツウット」で登録)、アドリアーノ(ブラジルから)らを新戦力に加えた布陣だったが、前半はピッチ上の強い向かい風にボール回しがうまくコントロールできずに、連携もなくミスを連発。結局無得点のまま終わった。 後半に入って、ルーキーの渡辺隆正をMFに入れ、速いテンポでのボール回しが随所に見られるようになった。後半7分には、アドリアーノのコーナーキックにトウットが合わせて先制。2分後には、西野 努の甘い詰めからシュートを打たれて同点とされてしまったが、攻撃のテンポは少しずつ改善された。田中達也が交代で入った後、中盤の積極性で前線が突破され、36分にはトウットがまたも持ち込んで左脚でゴールを奪って勝ち越した。 この試合には、故障で日本代表合宿から途中で戻った小野伸二や、ドニゼッチらが欠場しており、ベストの布陣は組んでいない。また、後半の詰めには、チッタ監督が室井市衛を投入して4バックを5バックにし、「逃げ切り」をはかるシステムを初めて試すなど、まだ最終的な形は固まっていない。 浦和は今後、練習試合3つを行い、3月10日の開幕で名古屋と対戦する。
トウット「前半は風のために非常に苦しい試合になった。コンビネーションはよくなってきている。1点目はタイミングで風で流れたボールをつかまえることができた。2点目は、DFの前に出られたので決めることができた。2点をこの試合で取れたことはうれしいし、2001年にはJリーグのタイトルをひとつ必ず取りたいと思う」 井原「自分にとって初めての試合なので、非常にいい緊張感があった。勝ったことには満足しているが、まだまだDFの課題と同時に、自分自身のプレーには満足できない。1点目をすぐに取られたのは、メンタルの問題もあるし、室井が入ってから5バックになったのには、監督がああいうこと(逃げ切り)を考えるとああいうオプションを取るとわかった点で収穫があった。開幕までに、いろいろな点で修正していきたい」
「J1昇格はこれから」 物理的なポジションにおいてJ1昇格を果たしたレッズにとって、精神的な意味での後遺症を払拭して、いわば「精神のJ1昇格」を果たすのは、本当の意味でこれからである。 2つの点における「変化」に今、浦和は懸命に合わせているかのようだ。
「J1になるんだ、と心身ともに徹底するのは簡単じゃないと思う。J2での意識を捨てて上でやることは、そんなに甘いもんじゃない」(小野)、「体の慣れは、思った以上に怖いもの」(福田)と、ともに、試合を見ながら、もちろん自分を含めてチームとして、こうした変化への対応に難しさを感じていたようだ。 もう1つの変化は、戦術である。 プロでは「戦う集団」という言葉をよく使う。しかし、本当の意味での戦う集団とは、練習から日常生活からすべてを指すのであって、それが徹底できるチームとできないチームに、結果が反比例することは決してない。温まるには良かったかもしれない「湯船」から上がり、熱く、時には冷たい大海で戦う1年がどんなもので、何をしなければならないのか。浦和の選手たちはもう思い出しているはずであるし、本当の「昇格」がそこから始まることもまた明白なのだ。 |