43秒18の世界記録を持つ五輪はこれが最後と公表しているマイケル・ジョンソン(米国)が、43秒84の安全運転でアトランタ五輪に続く五輪2連覇を果たした。ジョンソンは、これでアトランタ五輪以降、アテネ世界陸上、昨年のセビリア世界陸上、とビッグイベントをすべて制した。
また女子400メートルでは、地元の期待を集めて聖火の最終点火者となったキャシー・フリーマン(豪州)が、49秒11で金メダルを獲得。オリンピックでは初の金メダルを手にし、陸上競技ではもっとも切符の入手が困難と言われたこの日を期待通りの活躍で締めた。
女子100メートル障害では、金沢イボンヌ(佐田建設)が13秒11で予選を突破。東京五輪の依田郁子氏以来の準決勝進出となった。男子10000メートルでは、エチオピアのゲブレ・シラシエが27分18秒20で金メダルを獲得。これで、大会2日目に優勝した男子やり投げのヤン・ゼレズニー(チェコ)に続いて五輪3大会連続金メダルの偉業を達成した。このレースで高岡寿成(カネボウ)が、27分40秒44の自己記録で7位に入賞。男子長距離トラックでは、1984年の金井豊さん(当時ヱスビー食品)以来16年ぶりの快挙となった。
またこの日午前中には、金メダルを獲得した高橋尚子(積水化学)がテレビ各局の生放送をはしごし、さらに一夜明けの記者会見を行った。「どこも痛くないし、今日も6時に目が覚めて楽しく走ってきました」と、金メダル獲得の翌日にも関わらず早朝から練習をしたと話し、小出監督は、高橋に長期休養を与え、「2ケ月で8キロは太って構わない。そこからまた絞って、世界記録を作りたい」と、今後のプランの一端を明かした。高橋は閉会式に出席する。
女子400メートルで初優勝を果たしたフリーマン「本当に、これでようやくこの夜が終わった。私がこの大会で感じていたプレッシャー、特に私の国(フリーマンは豪州の先住民族アボリジニの出身で、差別問題など政治的にも発言をしている)からのプレッシャーは説明できないほどだった。何人かの人々はこの問題について悲観的だが、私はこの勝利が何か大きなチャンスをもたらすと思う。夫を始め家族、友人に感謝したい」
男子10000メートルで7位入賞した高岡「タフなレースだった。速くなったり遅くなったり、辛抱強く我慢をしないといけないレースになりました。うまく乗り切れてよかった。(予選の日に長男が誕生して奥さんは病院にいる)がんばってくれと励まされ、メールで子供の写真を送ってもらった。(昨日は本人の誕生日)いろいろなメモリアルが重なって、今までに経験したことが生きてきたと思う。日本記録はまたヨーロッパで目指します」