柔道男子100キロ超級の篠原信一(旭化成)は、決勝でブランク明けのドイエ(フランス)と対戦し、優勢負けの判定で銀メダルとなった。しかし、この判定をめぐっては全日本柔道連盟から国際柔道連盟に対して正式な抗議文を出すことが決定したが、篠原の銀メダルは覆らない後味の悪い決勝戦となった。
また、柔道女子78キロ超級の山下まゆみ(大阪府警)は1回戦からていねいな柔道を見せ、銅メダルを獲得した。山下は準決勝で相手のシコ(フランス)に大外刈りで一本勝ち。まったく太刀打ちができないと言われていた階級で、前評判を覆してのメダル獲得となった。
篠原信一の話「(感想は、の問いに)何もありません、弱いから負けただけです。(ドイエの感想は、と聞かれ)強いです。もういいですか(と言って会場を後にした)」
山下泰裕ヘッドコーチの話「篠原の内股すかしで、ドイエは完全に投げられている。一番近くにいた副審が一本を上げ、主審ともう1人の副審がドイエの有効だと言った。そういう回答をもらった。ドイエは完全に空振りして投げられたのに、それを見逃している。篠原の銀は金にはならないけれども、どっちが投げたのかだけは絶対にわかってもらわないと困る。ビデオなどで抗議する以外ありませんが、篠原が“すみません”と言ったので、“何もしてやれなくてすまん”と言った」
IJF(国際柔道連盟)審判理事ジム・コジマ氏の話「山下さんの抗議を聞いて私もその通りだと思った。山下さんの判断が正しいです。けれども3人の審判が決めてしまったことは覆りません」