14日の南アフリカ戦を前に、トルシエ監督が記者会見を行い、勝ち点は4〜6で予選リーグを突破する計算であると話した。また、98年W杯で指揮を取った南アフリカとの対戦になることに対して、「彼らは、日本代表に勝つということよりも、フィリップ・トルシエに勝ちたいと思っているだろう」と、因縁の対決となることを自ら宣言した。
会見の一問一答(抜粋)
私たちみなが、この大会にできるだけ早く入りたいと思っている(楽しみだ)。国際大会ではいつも初戦が興味深いものとなる。勝ち点を取ってダイナミックに大会をスタートできるかそうでないか決まるからだ。私の目的は唯一、グループリーグを突破することで、そのためには1試合の勝利では足りない。3試合は同じウエイトだが、勝ち点4〜6で予選を突破できるのではないだろうか。
チームの状態はいい。日本での好調、得た自信をそのままキープしていると思う。
──怪我人、あるいは体調の悪い選手は。また、あなたの教えたマッカーシー(セルタ=スペイン所属)などの南アの選手はどう見ているか。
監督 現時点のチームではなく個人の調子をはっきり分かるのは難しい。日本を経ったときによかったフィジカルは問題なく、残るは精神的な問題ではないかと思う。ここに来て、新しい環境、気温、グラウンド、芝、すべてが違う。大事なのは自信で、我々が描いたシナリオ、そうでないシナリオがあってもどんなものにも対応できるだろう。
GK、マッカーシーら4人は私の育てた選手だ。しかし南アフリカは日本に勝つことが目的ではなく、むしろ私を倒すことが目的であろう。しかし私は南アのみなさんに会うのが楽しみだ。タフな試合になることは間違いない。
──中田選手はどこで使いますか
監督 まだ言えない。情報として壮行試合2試合は非常に重要なものだった。うちのチームには様々なバリエーションとオプションがある。どのグループ(選手)を使っても、バランスがいいと思う。南アのみなさんには、言いたい。日本の新聞には私の戦術がしっかり書いてあるし、秘密も載っているのでどうぞ御買いになって読まれてください。
──南アは確かに、あなたとの戦いという風に捉えています。南アに何かを示したいとは思いますか
監督 南アのことで言えば、(W杯のとき)ナイトクラブに、しかもまだ勝てば決勝トーナメントにいける可能性があるにもかかわらず出かけていくのは私のポリシーではなかった(これが監督が南アの協会との軋轢を起した最初の事件とされたため)。そして監督の成功にとって大事なのは、契約書でも契約金でもなく、全幅の信頼を得るということだ。それを得られずに仕事をするのは難しい。
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監督 試合に勝つこと。もちろん南アの監督も私に3-0で勝ちたいと言うし……。日本の問題は常に相手がいることを無視して、日本はどうですか、と聞くことだ。すばらしい試合をしたいと思う。
──最近髭が伸びているようだが
監督 もうストレスで……(疲れた様子を見せて会見場が爆笑)。実はシャワーも3週間浴びてないんですよ。欧州では大事な試合の前には髭をそらないもんで(これはジョーク)、あすは必ず剃ってきます(笑い)。
──ブラジル戦について
監督 もし2勝を先にすればまったく気にしてない。しかし2試合負けたとしても、ブラジルにさえ勝てばみなさんが満足するなら集中しよう(笑い)。
──悪いと言われているグラウンドだが
監督 昨日見たときは良かったが、私たちが使用するのは4試合目なので今はなんともいえない。芝は日本よりも硬いが、それも大きな問題ではないと思う。
なお練習は午後7時(日本時間午後5時)から行われる。
日本五輪代表はこの日、午後7時(日本時間午後5時)からキャンベラ郊外で練習を行い、最後の仕上げを終了した。トルシエ監督は練習の最後に全員を集め円陣を組み、その中で「私たちは17連勝してきた。それを活かそう。先制されたとしても90分あるのだから落ち着いていこう。逆転できる。日本サッカー界の歴史に残る戦いをしよう」と、ピッチ上で檄を飛ばした。その後、中田英寿(ASローマ)をひとりグラウンドに残し、1対1で話し、最後には中田の肩を叩いて「頼むぞ」とチームの大黒柱に対して期待をかけていた。
また、この日、アジアカップ(レバノン、10月12日〜)の一時登録メンバー30人が発表された。日本代表のフォワードの大黒柱であった中山雅史(磐田)は選ばれなかった。なお最終登録メンバー22人のリストは10月9日、AFC(アジアサッカー連盟)へ提出される。