■ (4).CVTに関するQ&A ■

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ENGINE  /  MT  /  AT  /  CVT  /  ELC.(電気配線・制御)


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【CVT編・タイトル一覧( 03/11/15 現在)】

Q2. CVTにオイル添加剤を入れても良いのですか?
Q1. ATと比較した場合のメリットとデメリットを教えて!
    

2.CVTにオイル添加剤を入れても良いのですか?

結論から書くと、CVTの場合は「ミッションにオイル添加剤は入れない方が良いようです。
理由は、ベルトスリップ(CVTのプーリーとエレメント(=コマ)が滑ってしまう)危険があるためです。
つまり、「金属表面をコーティングするようなオイル添加剤は、勢い余って(?)動力伝達系のエレメント&プーリーまでコーティングしてしまうので、伝達トルク容量の低下を招く恐れがある」からです。

トルコンATのように、変速機構が湿式多板クラッチの場合には、フェーシング材の摩擦係数の安定化(ほんとにうたい文句通りの効果があるかどうかは別として)により、変速ショックを緩和することが出来そうです。MTの場合は、シンクロなどの摩擦低減による操作性の改善効果も、多少は考えられるでしょう。また、エンジンの場合はミッションに較べて回転物や摩擦物が多いので、フリクション低減は燃費にも効くでしょう。

ところがCVTの場合は、金属ベルト&コマによる連続的な動力の伝達ですから、添加剤により、最悪はベルトスリップといった程度にまで懸念点が及ぶことがあるのです。走行中にミッションが滑ってはかなわないので、今後もCVTには純正のオイルを使用するのが良いと思います。

1.ATと比較した場合のメリットとデメリットを教えて!

ではまず、良い点から。
 (1).燃費が トルコンAT車 よりも良い -------- 最適なギヤ比となるため
 (2).加速に段付き(変速ショック)が無い -------- 無段変速でスムーズ
 (3).信号待ちでクリープ(勝手な微速前進)が無い -- 安全性を確保(電磁クラッチ式の場合)


この中で私が一番良いと思うのは、実は(3).です。これは私見ですが、車というのは、本来ドライバーが動かそうと思ったときに初めて動くべきものであって、信号待ちなどでドライバーの意志とは無関係に、車自身が勝手に動こうとするクリープ現象を持つのは危険であると思っています。(注;重ねて書きますが、これは「調布市のKAZ」の私見です)

その点で、通常のトルコンAT車に対してクリープ現象のないECVT車は危険が少ないと考えます。トルコンAT車でもNレンジにシフトすれば良いのですが、停止するたびごとにシフト操作をするのは面倒ですし、ブレーキを踏みっぱなしにすることも、お年寄りの方々でなくても辛いと思います。後続車もブレーキランプでまぶしいです。

では次に、悪い点です。
 (4).独特の加速感(特にATから乗り換えた方に違和感)
 (5).ベルトの「ヒュイーン」という音がやや大きめである

(4).は、慣れの問題ですから、しばらく運転を重ねれば大丈夫だと思います。が、長年トルコンATだけしか乗ったことがない方々には、慣れるまで少々時間がかかるかもしれません。(5).は、従来は高周波的な音がしていましたが、マイナーチェンジ後は、より静粛性と耐久性を高めた「改良品」に変更されています。(サービスマニュアルにも書いてあります)

元々ベルトは富士重工の生産品ではなく、オランダのバンドーネ社が生産したものを富士重工が輸入し、ヴィヴィオやサンバー、ドミンゴに組み付けています。初代ジャスティに搭載されてから早10年以上が経過して、生産技術が向上し、その間フィアットや日産にも供給されて研究が進んだ結果、今回の改良ベルトが誕生したというわけです。

 


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