2005年4月

日時 2005/4/25
銘柄 ネッビオーロ・ダルバ・ヴァル・デル・ブレティ2001
(マッテオ・コレッジア)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 下町ワイン本舗@酒喜屋
価格 5480円
感想

バローロはとても興味のある銘柄なんですが、プライスが1万前後となることが多く、熟成にも時間がかかるため、通常の晩酌にはおいそれと飲めません。 もう少しお値段のこなれたネッビオーロはないかと買ってみたのがこのマッテオ・ コレッジアのネッビオーロ・ダルバです。といっても、5000円を上回るプライスなので、気軽に開けられるという類のものでもないのですが。
ちなみに、まさにこのビンテージの2001年の夏、当主のコレッジア氏は畑でトラクター作業中の事故で亡くなってしまいました。彼なきあとは、バローロボーイズの仲間たちや隣人が協力してワインづくりにあたっているとのこと。
中程度からやや濃いガーネットの色調。香りは赤い果実や紅茶、ハーブ、フローラルなニュアンス、さらに時間差で心地よいオーク。味わいはどうにもシャバシャバした印象で、アタックの鮮やかさにネッビオーロの片鱗こそ感じるものの、その後があっさりとしていて物足りず、フィニッシュはストンと落ちるような感じです。
う〜ん、5000円近い値段を考えると、これはちょっと、問題ですねえ。やはり当主不在の影響は大きいのでしょうか。
【86】
後日談:味わいが特に向上したというわけでもないのですが、このボトル、4日後にもまだ(衰えてはいたものの)健全な状態を保っていてそれなりに飲めました。輸入元はテロワールでした。

日時 2005/4/24
銘柄 ルシアンリヴァーヴァレー・ピノノワール2001
(ゲアリーファレル)
産地 米>カリフォルニア
購入店 湘南ワインセラー
価格 3800円
感想

以前カリフォルニアワインガーデンで飲んで好印象だったゲアリーファレル。早速家でも1本買って飲んでみましたが、一言で言うと、「ソツのない仕上がり」というところでしょうか。それほど濃厚というほどでもない、透明感のあるルビーで、香りは赤い果実やシナモン、ダージリン、スミレなどの鮮やかなものです。口に含むと、最初こそ空虚な印象がありましたが、時間とともに(というか、グラスの温度の上昇とともに)、グングンと厚みを増してバランスがよくなりました。果実味はクリーンで、酸がしっかりとあり、やや高めのアルコール感とあいまって、ブルゴーニュっぽいようでブルゴーニュとは似て非なる、よくできた中堅どころのカリピノらしい味わいです。ブルゴーニュの場合は、このクラスであってもビンテージや作り手によって、大ハズレを引く可能性も結構あるように思いますが、そういうリスクはカリピノの方が低いように思います。って、もちろん名の知れた作り手に限定しての話ですが。
【89】

 
日時 2005/4/22
銘柄 プイイフュッセ・レ・クレイ.V.V2001
(ダニエル・バロー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 銀座屋酒店
価格 2980円
感想 それにしてもダニエル・バローは人気ありますね。楽天で検索かけてもほとんどの店で売り切れですし。ただ、03年あたりは5000円近いプライスがついている銘柄もあったりして、年々値上がりしているのが気になりますが。 色調は中程度のイエローでグリーンのニュアンスはほとんど見られません。香りは柑橘系果実、白桃、白い花、ミネラルなどの爽やか系。口に含むと、全般に水っぽく、輪郭がぼんやりとした印象でおや?と思いましたが、冷蔵庫に入れて温度を低めにしてやると、酸の力強さが増して、グッと締まった感じになりました。しかし、このボトルの真骨頂は翌日でした。柑橘っぽさはなくなりましたが、バニリーな香りにキノコっぽいかすかな熟成したニュアンスがまざり、香りは複雑さを増しました。味わいも果実味の厚みが一段と増して、強靭な酸とのバランスが見事です。正直、初日の印象だけでは、最近の高値を思うとどうかな、というところでしたが、二日目の見違えるような変化を経験すれば納得、ですね。02年もまだ何本かあるので、夏前に飲んでみようかと思います。【91】

2005/04/17 BurgandyNight34 デュジャックの会 

日時 2005/4/16
銘柄 キャンティクラシコ・レ・バロンコーレ01
(サンジュスト・ア・レンティナーノ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 4700円
感想 サンジュスト・ア・レンティナーノのキャンティクラシコの上級キュベです。この作り手のサンジョベーゼには、ペルカルロというトップキュベがありますが、2000年は、ペルカルロを造らず、代わりにそのキュヴェを「バロンコーレ」 と名付けてリリース、2001年からは「キャンティ・クラ シコ・リゼルヴァ」を「バロンコーレ」としたようです。
グラスに注ぐと、色調からして美味しそうだなあと思わせてくれるがっちりしたルビー色です。香りは決して発散的ではないのですが、しんみりとした黒い果実やスパイス、品のよいオーク、土、タールなどが感じられます。味わいはキリリと締まった印象。やや硬めのタンニンと伸びやかな酸が凝縮された果実味とよくバランスがとれており、緻密で隙のない味わいです。5000円近いキャンティクラシコというと、ちょっと構えてしまうというか、飲み手の要求水準も高くなりますが、この銘柄はきっちりそれに応えてくれています。今でも美味しく飲めますが、タイミング的にはもう1〜2年寝かせるとより華やぎそうです。このボトル的には、翌日あたりがきっと飲み頃でしょう。 【90】
翌々日:残念なことに、抜栓翌日は仕事で帰りが遅く、飲むことができませんでした。翌々日は、香り味わいともやや薄っぺらくはなりましたが、反面甘みが乗って外向的な印象に変化。十分楽しめました。
日時 2005/4/7
銘柄 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ96(ドルーアン・ラローズ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 東京ワイン倶楽部
コメント 最近、ヤフオクでワインを売りに出している関係で、寺田倉庫に行く機会が増えました。その際、せっかくのストックを売ってばかりでは味気ないので、自分で飲もうと思って何本か引き揚げてきました。このドルーアン・ラローズもそんな1本です。購入先の東京ワイン倶楽部は今は楽天にも出店しているのでおなじみですが、この銘柄はそのかなり前に割烹小田島の通販で購入したものです。しばらく寺田倉庫に寝かせていましたが、さて、どんな熟成をしているかということで‥。色調は濃厚というほどではないにせよ、かなり濃いめのガーネット、エッジにはオレンジが見えます。香りは実に印象的な、黒い果実やスパイス、土、朽ちた木、なめした皮など、熟成したニュアンスがかなり出始めています。味わいは飲み進むにつれて、だんだんと酒肉に厚みを増し、バランスがとれてきます。もう少し味わいにクリアさが欲しいというか、全般にややドロンとしたところもありますが、これは前日に寺田倉庫から電車でブランブランと揺すりながら持ち帰ったことが大きく影響しているかもしれません。フィニッシュはまだややタニックなので、あと数年寝かせたほうがよかったかなとも思われます。といっても、今でも十分美味しくいただけますが。ドルーアン・ラローズは以前小田島などでも良く飲みましたが、凡年だと、かなり軽めの仕上がりでがっかりすることがありました。しかし今回のボトルはさすが96年だけあって、十分な厚みとスケール感があり、オーソドックスなブルゴーニュらしい味わいを愉しめました。
【91→92】
翌日:紅茶やオレンジの皮のような香りの印象が強まり、味わいもクリアになりました。初日より明らかに次の日のほうが断然イイです。初日はやはり暴れ気味だったのかもしれません。
日時 2005/4/4
銘柄 カンポレオーネ2000(フィオリータ)
産地 イタリア>ウンブリア
購入店 ワイナリー和泉屋
価格 4580円
コメント かってスーパーカーで名を馳せたランボルギーニ家が所有するワイナリー。5000円以下のプライス(当時)ながら、WA誌で高く評価されている銘柄でもあります。私自身も、リリース直後に飲んだときの、磨き上げられたようなテクチャーに感動して、さらに何本か買い込んであります。今回、1年以上経って飲んでみると、かなり早いペースで熟成が進んでいるなあと感じました。エッジはピンクがかった色調のガーネット。香りはブラックベリーや杉の木、黒鉛、スパイスなどのオーソドックスなもの。味わいは初期の頃のタイトな感じさが失われて、わりとあっけらかんとした感じになっています。たっぷりした果実味、明るめの酸、よく熟したやわらかなタンニン。ブラインドで出されると、中堅どころのサンジュリアンあたりと答えそうです。もうしばらく寝かせておくと、香りなどにもグッと熟成感が出てきそうなので、やや中途半端な時期に飲んでしまったかな、という感がなきにしもあらずですが、個人的にはこの銘柄はリリース直後の緻密なテクスチャーを味わう方が感動が大きいように思いました。【89】
日時 2005/4/2
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・オー・ラヴィエール95
(ドメーヌ・ルロワ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
コメント ようやく春到来という感じですが、この日は以前買って冷蔵庫に入れっぱなしになっていた「冬のご馳走」、モンドールチーズを試してみることにしました。となると、あわせるワインもそれなりのものをおごりたくなります。チョイスしたのは、以前ウメムラの正月の福袋で購入したルロワの「NSG・オーラヴィエール」の95年。久しぶりの赤キャップです。注いで見ると、かなりエッジに熟成のニュアンスが入ったガーネットの色調です。香りは、カシスやダークチェリーのコンポート、ハーブっぽいニュアンス、時間とともにオレンジの皮やアーシーな香り。味わいは肉厚があり、酸が力強いのですが、果実味がそれをマスキングしています。フィニッシュはややタニック。全般に要素のしっかり感が際立つ筋肉質なボディですが、テクスチャーのなめらかさに欠けるのが残念です。余韻の長さも、やや物足りないものがありますが、逆に言えば、ボトムラインの銘柄でこのレベルはさすがだと思います。ただ、惜しむらくはこのボトル、あまり状態がよくありませんでした。キャップシール周りはボコボコに噴いていて、翌日はすっかり醤油になってましたから。95年のワインもずいぶん飲み頃に入ってきたのだなあ、なんて思いながら飲みましたが、多少熱を浴びて熟成が進んでいたというのが正しい見解のようです。抜栓当日美味しく飲めただけでもよしとすべきかもしれませんね。【90】
日時 2005/4/1
銘柄 キャニオンロード・カベルネソーヴィニヨン2002
産地 米>カリフォルニア>ソノマ
購入店 3900円(店にて)
感想 歓送迎会で訪れた、汐留シティセンター内のアーリーアメリカン風レストラン「LAST」で注文したワインです。キャニオンロードはソノマ地区アレクサンダーヴァレーのワイナリー。市販価格は1000円台前半というカジュアルなランクのワインですが、このワインを飲んで感心したのは、思いのほか状態がよかったことですね。生き生きとしたフルーティな果実味が心地よく、少しばかりのハーブのニュアンスとバニリーなフレーバーが良いアクセントを添えてます。この店はタコスとかオニオンリングとか、そういったジャンキーなメニューが売りなんですが、そういうものと一緒にグビグビ飲むにはうってつけだと思いました。ただ、いくらレストラン価格とはいえ、流通価格の3倍になると、ちょっと品質に対して割高な印象はぬぐえません。もう少し価格を抑えてくれるとよかったのですが‥。【84】