2005年3月

日時 2005/3/24
銘柄 キャンティ・クラシコ・レゼルバ2001(ヴィティッチオ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 2580円
感想 3000円を切るプライスにもかかわらず、ワインスペクター誌が94点を献上し、「Highly Recomended」に認定したという注目の銘柄です。 いやいや久々に
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
って感じですかね。何がって、「ブショネ」です「ブショネ」。(^^;
ここしばらく出会わないなあ、と思っていたのですが、久しぶりにアタってしまいました。 香りは、典型的なブショネというよりは、金属臭のようなカルキ臭のような、なにか化学変化を起こしたかのような異臭がします。口に含むと、トーンが高く、木質的でカビッぽい、例のブショネの味わいです。2杯ほど飲んだところで、こりゃアカンと思って栓をして、翌日お店にメールして交換してもらうことにしました。ところが、翌日は翌日でなにかと忙しく、ボトルを送り返すヒマのないまま面倒くさくなってしまい、結局このボトルを飲んでしまうことにしました。2001年とまだ若いせいか、とりあえず2日目の方が、果実味が前面に出てきていて、ブショネっぽさが後退していたのは不幸いでした。せっかくのハイコストパフォーマンス銘柄の実力をはかれなかったのは残念ですが、このボトル、単なるブショネという以上の異臭を感じたこともあり、もう一度チャレンジする気にはなりませんねえ。
【ーー】
日時 2005/3/19
銘柄 ピン・モンフェラート・ロッソ2001(ラ・スピネッタ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 下町ワイン本舗酒喜屋
価格 6400円
感想

高!実はこの銘柄の注文時、4000円〜5000円のボトルを何本かまとめて購入しため、一本あたりの単価をきちんと把握しておらず、改めて今プライスを確認してちょっとびっくりしている次第です。このスピネッタもてっきり4000円ぐらいかと思っていたのですが‥。ピンは、ヴェッティ兄弟が父(ジュゼッペの愛称)に捧げて造ったワイン。 ラ・スピネッタ社の最初の混醸ワインです。 バルベーラ、ネッビオーロ、 カベルネ・ソーヴィニヨンをそれぞれ別の時期に収穫し、ステンレスタンクでアルコール発酵。 新樽で16〜18ヶ月熟成させてからアッサンブラージュし、さらに2ヶ月寝かせるそうです。
色調は濃厚なルビーで、エッジは紫が残ります。香りはオーク香が強く前面に出てきますが、その奥からブラックベリーとかカシスとかのリキュール状の黒い果実、丁子、八角などのスパイス、ミネラルなどが見え隠れします。口に含むと、力強く凝縮した果実味のアタックで、14度というアルコール度により、十分なコクもあります。3品種の混醸とのことですが、キャラクター的にはサラサラした質感や力のある酸にバルベラの個性を強く感じます。テクスチャーは、少しザラザラした画用紙に、黒色のパステルを塗りたくったような、そんな感じです。力強く凝縮した、それでいてクリーンな果実味には非凡なもがありますが、個人的には縦方向への伸びやかさに欠けるというか、中盤からフィニッシュにいたる味わいのあっけなさがちょっとなあ、とも思います。プライスが、4000円前後であったらもっと褒めているところですが。
【89】

日時 2005/3/17
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・プリミエクリュ95
(ブリュノ・クレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 みちのく岩手のワイン屋竹澤
価格 4980円
コメント

このブリューノ・クレールは12月28日に飲んだ96モレサンなどと一緒に購入したものです。 前回のモレサンドニ・アン・ラ・リュー・ド・ヴェルジイ96は悲惨なコンディションだったので、このボトルもかなり心配だったのですが‥。
残念ながら、このボトルもダメでした。
それにしても、こういうケースが一番悩ましいです。外見からは判別できず、(キャップシールも回ります)コルクを抜いても、中間部ぐらいまでしか染みていません。しかし、ひとたびグラスに注いでみると、香りには醤油のようなヒネたニュアンスがまざり、味わいは果実味を失って、シェリー的フレーバーも感じます。

何でこうなってしまうのだろうと思うに、おそらくこれは「低温やけど」のようなものじゃないでしょうか。あくまで想像ですが、流通のどこかの段階で長期滞留在庫となって(最近の蔵出しではなさそうなので、数年の間どこかで保管されていたはずです。)、夏場の温度管理など最低限の管理はされていた(だから噴かなかった)が、例えば夜間は温度管理されていなかったとか、全般に温度が高めだったとか、そういう形で「チリも積もれば」的にじわじわと劣化が進んだのではないかと。そういえば少し前に、95、96の村名など、比較的安価なバックビンテージなものをいろいろ買い求めたことがありましたが、この手のボトルは概して状態が芳しくないものが多かったように思います。
それにしても、古酒なら買うほうも半分ギャンブルという覚悟はあるので、まだ我慢できるのですが、95年のワインで、5000円出して、この結果はキツイですねえ。財布の面でもメンタル面でも‥
【--】

日時 2005/3/12

久しぶりに東急の試飲に立ち寄りましたが、見かけない顔の若いソムリーエルの注ぎ方が、やたらめったらミミっちくて、かなり不愉快でした。(なにしろおなじクロドベーズを注文しても、グラスに注がれる量が隣の人の半分なんですもん。しかもこちらの注文を二度までも忘れるし‥。私の印象がよほど悪かったんでしょうか?)その後、F巻さんがカウンターに来たので、彼に頼んだら、いつもどおり並々と注いでくれました。なので、次にクロサンジャックを頼む際も、件のソムリエールが外している時を狙いすまして、F巻さんに注文したりしました。試飲コーナーといえども、きちんとしたサービスを受けたいものですよね。

銘柄

クロ・ド・ラ・ロッシュ02(ポンソ)
中庸をえたルビーの色調で、エッジは綺麗なピンクです。香りは樽の要素を極力排除したクリーンなもので、赤い果実やミネラル、オレンジの皮、小梅、カツオだしなど、ピノノワールのエッセンスとでもいうべきものです。口に含むと、力強さや凝縮感は特筆すべきものではありませんが、トラディショナルなピノらしい、繊細に紡がれたような味わいが素敵です。バランス的にはややタンニンが勝っていて、フィニッシュは乾いた感じになります。今でもそれなりに飲めるし、長熟させないとどうにもならないというタイプとは思いませんが、タンニンが溶け込んで熟成香が出てくるようになると、相当すばらしい味わいになりそうなので、もし私が購入したらら寺田倉庫に直行でしょうね。
【91+】

シャペル・シャンベルタン02(ポンソ)
赤い果実やミネラル、オレンジの皮に加えて、スミレなどのフローラルなニュアンスが強く感じられます。味わいはやわらかく甘い果実味が口いっぱいに広がる外向的なものです。スケール感や長熟のポテンシャルでは一歩譲りますが、 今の時点では明らかにクロ・ド・ラ・ロッシュよりこちらの方が飲みやすいですね。
【92】

銘柄2

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ02(ルソー)

ポンソより全般に濃厚なルビーですが、この作り手の常で、中心まで真っ黒というものではなく、あくまで透明感があります。香りは現時点では樽に完全に支配されている感がありますが、時間とともにその奥から、シロップにつけたカシスやダークチェリーなどの果実やスパイシーなフレーバーが見えてきます。味わいは実に見事で、果実味は甘くなめらか、各要素もエッジがとれていて、クリーミーで球体のようなテクスチャーがあります。今の時点ではちょっとオークの厚化粧が気になりますが、これは時間が解決してくれるでしょう。なにより、この鉄壁なバランスとエッジの丸さは稀有のものといってよいのではないでしょうか。もっとグラスに注いで欲しかったなあ‥。(^^;【94】

ジュブレイシャンベルタン・クロ・サンジャック02(ルソー)

それにしても、クラシックな銘柄の代表格のように言われるルソーですが、ポンソと並べて飲むと、実は相当にオークを利かせたモダンな作りであることを再認識します。その点、クロ・ド・ベーズより新樽比率の少ないこちらの銘柄の方が、今の時点ではよりピュアな香りを楽しむことができます。ラズベリーやイチゴのシロップ漬け、紅茶、シナモン、オレンジの皮、それに心地よいオーク。味わいはクロドベーズに比べると、タンニンがやや引っかかるし、後半にはやや酸の突出感があったりして、少し雑然とした印象があります。 それでも、全体の酒質の厚さとクリーンで力のある果実味は見事だし、数年休ませれば各要素の調和が取れたすばらしい味わいを期待できそうです。ただ、やはりクロドベーズとは、点数にして1+〜2点ぐらいの差は感じてしまいますがね。【92】

日時 2005/3/8
銘柄 キャンティ・クラシコ2002(ファットリア・レ・コルティ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 1680円
コメント 先週末高額ワインを開けたため、この日の晩酌はつつましくアンダー2000円のワインにしました。レ・コルティといえば、上位銘柄の「ドン・トッマーゾ」が有名ですが、こちらはリーズナブルなスタンダードキュベです。色調は中程度からやや濃厚なルビーで、エッジは赤紫色です。香りはジャム的なブルーベリー、カシスなどの果実、黒土、ハーブ、カカオなど、甘く魅惑的なもの。 味わいはエッジが丸く、かなりの濃縮感もあって、アタックに甘く広がる果実に素性のよさを感じます。タンニンは攻撃的ではありませんが、バランス的に酸がかなり強くられ、 中盤の広がりやフィニッシュはあっけないものです。上位銘柄のようなコクとか、口に含んでからのドラマはありませんが、まあ1000円台のワインとしては十分でしょう。一部の新世界モノのように、安っぽいオークフレーバーに頼っていないところは好感が持てます。ただし、イタものの場合、もう1000円出せば、相当良いものに出会えるので、このプライスはちょっと悩ましいかも。個人的にはもう一度買おうとは思いません。
【86】
日時 2005/3/5
銘柄 トカイ・フリウラーノ03(ミアーニ)
産地 イタリア>フリウリ・ベネツィア・ジューリア
購入店 にしのよしたか
価格 12800円
コメント 上司の代役で、急遽とある宴席に参加したら、そこで出された料理は巨大な越前ガニ丸一尾という豪勢なもの。残った分をお持ち帰り用に仕立ててくれたので、本日の晩飯は越前ガニと相成りました。となると、ワインもそれなりのものを合わせたくなります。マリアージュに若干の不安が残るものの、先日到着したばかりのミアーニを開けることにしました。
トカイ・フリウラーノは、北イタリアで栽培される品種で、ハンガリーのトカイとは無関係です。色調はややグリーンが残るイエロー。香りは最初閉じていましたが、時間とともに、シトラスやグレープフルーツ、ハーブ、金木犀などの密度感のある香りが立ち上ってきます。それになんといってもミネラル感がスゴイです。味わいは、この品種の特性なのか、かなりドライに感じられ、また樽からくるのか、後半にはっきりした苦味がありますが、時間とともに蜜のような甘みものってきます。香り同様、ミネラル感がすごくあって、余韻は味わいのドライさとは裏腹に、とても長く尾を引きます。この品種って、カジュアルクラスだとシャバシャバした味わいの、ピザ屋の安手の白ワインみたいな味わいになってしまいそうですが、ミアーニによるこのボトルは粘性も高く、厚みもあって、個性的な中にも堂々たる味わいに仕上がっています。 ただし、この価格なりの価値があるかと問われると、ちょっとどうかな、という気もします。まあ、私がこの作り手やこの品種を飲みつけていないだけなのかもしれませんが、予備知識なしにこのボトルを飲んでいたら、せいぜい5000〜6000円クラスとしか答えなかったと思います。
肝心のカニとの相性については、メリハリの利いたこのワインのフレーバーが蟹の身の繊細さをややスポイルしてしまう感はありましたが、蟹味噌に意外にもよく合いました。【90→91+】
2日目:より厚みが増し、酸と果実も調和がとれてきました。3日目の変化も試してみたくなったので、 四分の一ほどをさらに翌日に回すことにしました。
3日目:驚きました。樽のフレーバーが心地よく溶け込み、バタリーなニュアンスが増して、出来の良いムルソーのようになりました。これだけの味わいの変化は初日からは想像できなかったですねえ。点数も上方修正。