2003年6月

日時 2002/6/30
銘柄 Ch.マルキ・ド・テルム98
産地 仏>ボルドー>メドック4級>マルゴー村
コメント 宴会の席に出てきたボトル。
濃いめのルビーだが、エッジはすでにオレンジの色調がみえる。
コンフィ状のブラックベリーやカシス、スパイス、オーク、それに黒い土 を連想するようなクラシックな香り。
味わいはかなりタニック。ほどよい凝縮感のある果実と上質な酸に対して やや乾いたタンニンが目立つ、中程度の酒躯。
いかにも、というかんじのボルドーだが、やはり98年というビンテージの特質か、タンニンの目立つ内向的な味わい。もう何年かしてから会いたかったですね。 【87】
日時 2003/6/27
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ‘キュベ・ユニーク’91
(クロ・デュ・モン・オリヴェ)
産地

仏>コートデュローヌ

購入店 銀座屋酒店  
価格 \3980
コメント う〜ん、これはちょっと難しいワインですねえ。なにせ、10年以上も経過しているのに、やたら強い樽香。赤系の果実をマスキングするようなバニラや漆喰のよう香り。大樽で2年熟成のあとバリックでさらに熟成しているとのことだけど、なんで大樽熟成のあとバリックに入れる必要があるんだろうか?よくわからない。味わいはといえば、力強さには欠けるものの、それなりにたっぷりとした果実味など、魅力はあるのだけど、いかんせん、オークの化粧が厚すぎて、全体の統一感を欠いている印象。酸も高めでやや神経質さを感じる。以前rouge-mayさんに飲ませていただいたときはもっと良かった記憶があるのだけど、ボトル差なのか、私の体調のせいか…。まあ、なんのかんの言っても91ビンテージのヌフパプですからねえ。多くを期待する方がいけないという話もありますが。【87】
日時 2003/6/22
銘柄 Andyさん宅で持ち寄りワイン会。子連れで押しかけ、ご迷惑をおかけした上、いろいろご馳走になり、ありがとうございました。(^^)
感想 バタールモンラッシェ56(ドゥデ・ノーダン)

なんと56年のバタモン。ドライな白としては今まで飲んできた中でももっとも古いビンテージだ。コップに注がれたらウーロン茶と間違えそうな色調。モカフレーバー全開の香りはシェリーや酸化したニュアンスがなくて非常に良好。味わいは厚みがあって甘くトロトロ。もはやワインとは別の飲み物に昇華したような印象。
パッツ&ホール・ピノノワール・ピソニ・ビンヤード99

シャルドネが特に有名なパッツ&ホールと名醸畑として名高いピソニ・ビンヤードの組み合わせ。濃厚で力強い果実味。それでいて酸もピンと張っており、堅牢な構造が見事。これは熟成させたいですね。今はやや青っぽいフレーバーが目立つことも考えるとなおさら。
エシェゾー99(ドメーヌ・ギィヨン)

スパイシーで赤い果実にややジビエっぽさが絡む官能的な香り。オレンジ色を連想する濃縮した果実味。たっぷりと豊かでありながら、締まりもあるボディ。これはなかなか見事なブルゴーニュ。某誌のテイスティングで飲んだときよりも好印象だったのはグラスの違いかなあ。
ボーリュー・ビンヤード・CS・プライベートリザーブ
'ジョルジュ・ド・ラトゥール'97

ブラックチェリーやプラム、ユーカリ、バニラなどのオイリーで充実した香り。口に含むと甘く豊かでたっぷりした味わい。やや酸度が低く、巨大な果実味とよく熟したタンニンによるバランスは、いかにもトラディショナルなカリフォルニアらしい問答無用の美味しさ。
ジョゼフ・フェルプス・インシグニア95

私が持参したもの。ボルドーチックな味わいは前銘柄とは実に好対照。酸度が高めでピンと張ったようなところがあり、黒系の果実味はやや土っぽさとスパイス風味を伴って、タンニンはやや粉っぽい。ボーリューの後に飲むとややいかめしさを感じてしまうが、もう少し寝かせるとさらに向上しそう。
マルティネッリ・ジンファンデル・ジャッカスビンヤード99

ジンファンデルの作り手として著名なマルティネッリ。高いアルコール度、オレンジ色の甘く凝縮した果実。豊かな酸もあり、巨大な構造。せっかく良いワインを出していただいたのに、すみません、飲みすぎで沈没…。

2003/6/22  バーガンデイナイト21〜今回はコント・ラフォン

日時 2003/6/21
銘柄 キャンティ・クラシコ‘ジョルジョ・プリモ’2000
(ラ・マッサ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 東急/ラック
価格 6200円
コメント

ガンベロロッソ3つ星(99年)にして、イタリア国内ではトップ格と目されるキャンティクラシコだが、パーカーさんなどはあまりよい点をつけていないようだ。ちなみにお値段は6000円台と、キャンティクラシコとしてはアッパークラス。黒々としたルビーで、エッジはまだしっかりした赤紫。かなり強めのバニラやローストの樽香。その奥から、ブラックチェリーや甘草、八角などのスパイス、それにやや木質的な香りも。味わいは豊かな果実味と伸びやかな酸のバランスが良く、豊かなタンニンはなめらかで、無茶苦茶凝縮感があるというわけではないのだけど、精緻に整えられた酒質はすばらしい。巧みなオークと磨き上げられた各要素の質感の高さによる良くも悪くもとても洗練されたキャンティクラシコ。私はこういうインターナショナルな味わいには抵抗ないんだけど、生粋のイタリアフリークなどからは「らしくない」というような声が聞こえてきそうな気も…。【92】

日時 2003/6/18
銘柄 シャサーニュ・モンラッシェ・レ・シャンガン2001
(ギイ・アミオ)
産地 仏>ブルゴーニュ
コメント

これから夏に向かうと、私の嗜好も濃い赤よりは酸の効いたブルゴーニュ、赤よりは白、それ以前にワインよりビール、となりがちなのだが、温度はさほどでもないがじとじとと湿気の多い今日はといえば、さしずめシャルドネか軽めのピノ、という気分。…で、ギイ・アミオである。黄金色がかった濃いめのイエローで、グリーンのニュアンスはほとんど感じられない。香りは白桃の缶詰、洋ナシ、黄色い花、バニラなど。口に含むと、甘いフルーツケーキのような含み香とともにボリューム感のある果実味が率直に口中を満たし、丸く節度のある酸とともに、バランスのとれた華やかな味わいを見せる。外向的で親しみやすく、果実のみずみずしさが光る味わい。いいですね、ギィ・アミオ。【89】

日時 2003/6/13
銘柄 リヴェルナーノ2000(リヴェルナーノ)
産地 イタリア>トスカーナ
感想 いただきもの。ワイナートで大きく取り上げられたとはいえ、まだイタリアワインファン以外にはあまり馴染みのない銘柄かもしれない。ちなみに今をときめくスターエノロゴのステファノ・ キオッチョリ氏と最初に契約したワイナリーでもあり、セパージュはメルロ、サンジョベーゼ、カベルネの混醸とのこと。(同じ作り手がリリースする「プーロ・サングエ」はサンジョベーゼ100%。)濃厚なルビーでエッジには紫がかったピンクの色調。香りは硬質な、ブラックチェリー、黒オリーブ、花のエッセンス、八角などのスパイス、それに強めのオーク。味わいは骨格がしっかりしていて、濃厚な果実を高めの酸が良く支えている。タンニンはよく熟した印象で、口中の表情が実に豊かで、押し出しの強さだけでなく、エレガントさも失ってないところがいい。目鼻立ちのクッキリしたワインで、本質的にはまだ飲むには早いのだろうけど(最近そんなことばかり書いてる気がする)、今でも結構飲めてしまう懐の広さも持ち合わせている。 【90】
ちなみにこの銘柄、初日はまだまだ堅かったが、翌日になってずいぶん和らいだ。
日時 2003/6/10
銘柄 ブルゴーニュ97
(シャトー・ド・ピュリニーモンラッシェ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 うきうきワインの玉手箱
感想 シャトー・ド・ピュリニーモンラッシェのACブル、それも赤とはなかなか渋い選択だが、実はこれ、オマケでいただいたもの。なんでも私は「うきうきワインの玉手箱」楽天ショップの第一号顧客だったらしい。(^^;
97年といえども、ACブルともなるとさすがに熟成が入っている。オレンジがっかった色調。トラディショナルなラズベリーや紅茶、小梅などの香り。 口に含むと心地よい酸があって、クリーンな味わいに好感が持てるが、いかんせんエキス分に乏しく、味わいも印象もやや薄いのはACブルゆえ仕方ないことか。自分で購入するとなるとコストパフォーマンスにシビアになってしまうが、ほどよい熟成感のあるクリーンな味わいはいただきものとしては申し分ないし、和食とともに飲んでも邪魔しないのがイイ。
【85】
日時 2003/6/6
銘柄 Ch.ムートンロトシルト83
産地 仏>ボルドー>メドック1級
感想 最近、仕事が忙しかったり、子供が夜寝なかったりで、なかなか家でゆっくりとワインを飲む機会がない。それならということで、とある接待の席に自分のワインを持ち込むことにした。これって、一見損な役回りのようだが、結果的に接待費は安く上がるし、日ごろ飲まないワインを開けるきっかけにもなるし、すばらしい料理とのマリアージュを楽しめるし(ちなみに行った店は麹町の『オーグードゥジュール』)で、個人的にはよかったと思う。まあ、今回同席する中に大酒飲みがいないことを事前リサーチ済みだったということも大きな要素だったのだけど。
さて、このワインは3年ほど前に購入してセラーに保管していたもの。購入先は海外やオークションではなく、国内の酒店。色は全般にオレンジが入った濃いめのガーネット。香りは実に魅力的な、リキュール状の黒い果実や中国系のスパイス、枯葉、スーボワなどが鼻腔に染み入るように伝わってくる。口に含むと、香りから感じるよりはややドライな印象なれど、果実味は良く残っていてほどよい厚みがあり、タンニンもやさしく溶け込んで、丸く穏やかなテクスチャーがすばらしい。フィニッシュもバランスよく調和がとれいているが、あえて難をいえば、少しばかりまだ乾いたタンニンが残る。スケール的に雄大というほどでないにしても、20年を経てなお確かな構造を感じさせるあたりはさすがというべきで、味わい的にはまさにピークに入っているが、今飲まねば先が無いということもなく、まだ当分持ちそうでもある。なによりブショネだとか醤油と化しているということもなく、とりあえず同席した方々にも喜んでもらえてヨカッタ。【91】